パッケージに騙されてはいけません。パッケージにあるようなエイリアンはほとんど出てきません。 監禁というか閉鎖された空間の中でのサスペンスドラマと考えたほうがよいと思います。
- 原題
- 10 Cloverfield Lane
- 公式サイト
- https://paramount.jp/10cloverfieldlane/
- 監督
- 登場人物
-
- ハワード
-
Actor: ジョン・グッドマン
自らの作ったシェルターを威圧的に支配する、大男。
- ミシェル
-
Actor: メアリー・エリザベス・ウィンステッド
突然地下シェルターに閉じ込められる女性。
- エメット
-
Actor: ジョン・ギャラガー・Jr
シェルターに同居している青年。
- 配給会社
- 制作会社
ここがおすすめ!
- 二転三転する結末にハラハラドキドキ
- 登場人物の丁寧なプロフィール描写
- 随所に散りばめられた伏線の数々
あらすじ
交通事故の後、1人の女が生存者のいるシェルターで目覚める。男は、あるとてつもない破壊的な攻撃から女を救ったという。しかし男に疑問を抱き始めた女は真実を見極めるべく、外の世界へ踏み出そうとする。
Amazon Prime Video より
本作は2008年公開の映画「クローバーフィールド/HAKAISHA」の続編?みたいな立ち位置なのを後で知ったのですが、後で知ったのは正解でした。この空間は本当に安全なのかが、話が進行するにつれ二転三転していき、うまい感じの緊迫感が楽しめました。
前作『クローバーフィールド/HAKAISHA』の続編?
本作は前作の「クローバーフィールド/HAKAISHA」の登場人物やストーリーに繋がりはありません。前作は地球を侵略するエイリアンから人々が逃げ惑う、というSF作品でしたが、本作でSF的なシーンはラストの約20分間のみであり、大部分がシェルター内で繰り広げられる恐怖を描いた密室サスペンスのため、派手なSFシーンを期待する方は、ガッカリすると思います。
製作のJ・J・エイブラムスは、前作の正統な続編ではないものの「同じDNAを持つ」「血の繋がった映画」と表現しています。
冒頭4分間セリフ無し
冒頭は主人公ミシェルが部屋を出ていくシーンで始まります。彼女があわただしく荷物をバッグに詰めむ様子が、ややブレ気味の映像で撮影され、動揺する彼女の心情を表現しているようです。部屋の中には置き去りにされたデザイン画やマネキン、指輪、そして部屋の鍵が映し出されます。これが本当にセリフが一切なく、彼女がデザイン関係の仕事をしている(または学生)らしいこと、恋人とケンカしたことが、映像だけで巧みに表現されています。
やがてミシェルが運転する車は事故に遭い、スピンして谷底へ落ちてしまいます。そのシーンをバックに“パラマウント”や“バッドロボット”のクレジットが入るのですが、そのたびにBGMが突然止まって画面が真っ暗になり、視聴者はハッとさせられる仕掛け。「配給会社や制作会社を視聴者にしっかり印象付けよう」という狙いがあるのかもしれませんが、前作同様、タイトルシーケンスに強いこだわりが感じられます。
登場人物のプロフィールが丁寧に描かれている
冒頭の混乱から始まり、気がつくとミシェルはシェルターおり、そこでハワードとエメットと生活をともにします。
このシェルターで過ごしていくうちに、ミシェルとエメットは自分たちのことを語り合います。このシーンでは、お互いが劣等感や恐怖に勝てず、逃げ出してしまった過去の経験を互いに告白します。ここでは誰もが持つ過去の後悔、逃げ出してしまった苦い経験を、観る側に思い出させるのではないでしょうか。本作は密室サスペンスでありながら、登場人物のバックグラウンドや性格、疑心暗鬼の心理状態がとても丁寧に描かれていると思います。
そして、シェルターの支配者ハワード。自身への尊敬や感謝を求め、気に入らないことがあるとすぐに激高し、サイコな一面を持つ彼は、事実上の主人公といってもいい人物です。圧倒的な存在感を放つハワードを演じるのは、アメリカの名優ジョン・グッドマン。数々の映画やドラマに出演経験があり、ゴールデングローブ賞やエミー賞の受賞経験もある実力派俳優です。
登場人物の丁寧な描写に加え、ジョン・グッドマンの迫力たっぷりの演技が、単なるサスペンス映画以上の付加価値を本作にもたらしていると感じました。
B級感は否めない
「外の世界は汚染されている」というハワードの言葉は本当なのか、それともミシェルを監禁するためのウソなのか。観る側の予想を覆し、二転三転するストーリー展開は最後までハラハラドキドキの連続でした。
しかしながら行方不明になったハワードの娘や、監禁・殺害された少女など詳細が不明なままであり、やや消化不良な部分が残ります。また、手製の防護服や防護マスクで本当に毒ガスが防げるの?酒瓶で作った火炎瓶1個でエイリアンが倒せるの?と、ツッコミたくなるシーンも。
ラストシーンでミシェルはカーラジオのニュースを聞き、安全なバトンルージュへ逃げるべきか、危険なヒューストンへ人を助けに行くべきか迷います。結局彼女はヒューストンへ向かうのですが、実はこのシーン、OPで伏線が張られています。
恋人ベンとケンカして車を走らせる途中、ミシェルのスマホにベンから着信が。「戻ってほしい」と懇願するベンの最後の言葉は「逃げ出しても何も解決しない」。
結局、この映画では何を伝えたかったのかと聞かれると困るのですが「逃げ出してばかりいたミシェルが、真正面から困難に立ち向かえる人間になった」ということではないかと推察します。
密室サスペンスとしては面白いのに、ラストのSFシーンでは急にB級感が出てきてしまい、その点が残念でした。
随所に散りばめられた伏線の数々
本作ではベンの言葉のほかにも、随所に伏線や仕掛けが散りばめられています。以下に、いくつか紹介したいと思います。
ミシェルがハワードの傷を縫うシーン
このシーンのあと、対立していた2人の関係が良好になっていきます。「関係修復」「信頼回復」を暗示していると思われます。
ハワードが観ていた映画『プリティ・イン・ピンク/恋人たちの街角』
実在の映画で、貧しい娘アンディが自分でプロム・ドレスを作り、パーティーに出かける話。ミシェルもバスルームのカーテンで防護服を作り、シェルターを脱出します。
ミシェルとエメットが観ていた映画『人喰い飛行機』
こちらは架空の映画で、パッケージはバッド・ロボット・プロダクションズのオフィスで装飾として使用されているとのこと。また、シェルターから脱出したミシェルを襲う宇宙船は、まさに人喰い飛行機。
エメットがハワードから聞いた宇宙ミミズの話
ミシェルを襲うエイリアンはまるで巨大ミミズのよう。ハワードの話が本当だったと納得するシーンです。
クローバーフィールド
映画のタイトルに使われている『クローバーフィールド』は、Wikipedeiaによるとバッド・ロボット・プロダクションズのオフィス前の住所とのことです。
興味を持った方は他にもまだまだ隠された伏線や仕掛けがあると思いますので、ぜひ探してみてくださいね!
あと本作イメージはパッケージによってがそれぞれイメージが大分違うと思います。
各サイトのレビューサイトのスコア
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このページではAmazon Prime Video Jpで配信中の10 クローバーフィールド・レーンから執筆しました。
Amazon Prime Video Jpで配信されている「10 クローバーフィールド・レーン」のあらすじ、感想、評価を紹介しました。気になる方は、ぜひ下記URLのAmazon Prime Video Jpからチェックしてみてください!
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