
映画
イコライザー(2014):孤高の男が奏でる静かなる正義が始まる。デンゼル・ワシントンが魅せる新時代のヒーロー像
デンゼル・ワシントンという俳優の底知れぬ魅力を再認識させられる、骨太なアクションスリラーです。1980年代にエドワード・ウッドワード主演で放送された同名TVシリーズを映画化した『イコライザー』は、元秘密工作員が弱者を守るために立ち上がる姿を描いています。『トレーニング デイ』でアカデミー賞に輝いたワシントンとアントワーヌ・フークア監督の再タッグということもあり、期待値は自然と高まりましたが、その期待を裏切らない仕上がりでした。過剰なまでの暴力描写には賛否あるでしょうが、59歳にしてなお圧倒的な存在感を放つワシントンの演技力が、作品全体に重厚な説得力を与えています。物語構造に特徴があり、主人公の明確な目標が中盤まで曖昧なままという異例の展開を見せますが、それがかえって敵役の存在感を際立たせる結果となりました。ホームセンターを舞台にした独創的なクライマックスも含め、王道から少し外れた魅力を持つ作品です。

アメリカ, 映画
M3GAN/ミーガン 2.0 “お友達AI人形は、バトルロボットに進化した”
前作『M3GAN/ミーガン』が全世界興行収入1億8,000万ドル超を記録し、Rotten Tomatoesで93%という高い評価を得た直後から、続編への期待は高まっていました。
しかしながら本作は批評家の意見は大きく二分されており、「ジャンル転換に清々しさを感じる」という好意的な声がある一方、「ホラーの核心を捨てた判断が痛い」という辛口の意見も少なくありません。一般視聴者にはおおむね好評で、「チャイルドプレイにターミネーターを足して2で割ったような感覚」という評も見受けられます。日本では劇場公開が中止となり、Amazon Prime Videoにて独占配信という形になりました。
映画
トロール2(2025):怪獣は走り、物語は立ち止まる
あの山が、再び動き出した。
今度は二頭のトロールが、ノルウェーの大地を震わせる。
雪に閉ざされた峡谷の奥深く、長い眠りから目覚めた巨大な存在は、人類への怒りを静かにたたえながら足を踏み出します。前作「トロール」でその伝説の幕開けを体験した視聴者ならば、この冒頭からすでに画面に釘付けになることでしょう。
しかし、映像美の向こう側に待ち受けるものは——果たして感動でしょうか、それとも物足りなさでしょうか。

アメリカ, 映画
ナイブズ・アウト:ウェイク・アップ・デッドマン “信仰と罪が交差する密室、名探偵は不可能を暴けるか”
神の家で、神を信じない男が、神に仕える者の死を解く。
聖金曜日の礼拝の最中、誰も入れないはずの小部屋で司祭が刺殺された。
出入口はひとつ。目撃者あり。そして——論理的に、犯行は不可能だった。
長い白髪をなびかせた名探偵ブノワ・ブランが、ゴシック聖堂の闇へと踏み込んでいく。
彼の相棒は、信仰の危機に揺れる若き神父。ふたりの「異端者」だけが、
この密室に隠された真実へと手を伸ばすことができる。
ライアン・ジョンソン監督が紡ぐ三部作の完結編。
これは単なるミステリーではなく、人間の告白と赦しをめぐる、深く美しい問いかけです。

ノルウェー, 映画
Netflix『トロール』:ノルウェーの山が目覚めるとき、神話は現実になる
ノルウェーの山脈の奥深く、千年の眠りを破って巨人が動き出す。その映像が画面に現れた瞬間、これはただの怪獣映画ではないと直感するでしょう。
霧に沈むフィヨルド。岩と土でできた巨人の輪郭。
そして、父から娘へと受け継がれた「目ではなく心で見なさい」という言葉。
2022年12月、Netflixに静かに現れた一本のノルウェー映画は、
配信からわずか3か月で1億300万回視聴を記録し、
非英語映画として史上最多視聴の座に就きました。
世界が熱狂した理由は、スケールではありません。
この怪物が、孤独だったからです。

アメリカ, 映画
ワン・バトル・アフター・アナザー:次から次へと続く戦いに、父と娘は何を見つけるのか
カッコ悪いダメ親父レオナルド・ディカプリオが、娘のために立ち上がる。思想も血統もパスワードも関係ない——ディカプリオが体ごとぶつかる不格好な愛の物語に、ショーン・ペンの怪物的な悪役演技が火を注ぐ。ポール・トーマス・アンダーソンが20年以上の構想を経て放つ本作は、1950年代の映像技術VistaVisionを現代に蘇らせ、カリフォルニアの砂埃と光を粒立った映像に刻んだ野心作でもある。ジョニー・グリーンウッドの前衛的スコアが鼓動を煽り、圧巻のカーチェイスが画面の奥へと引きずり込む。ポール・トーマス・アンダーソン10作目にして最もエンターテイメントに振り切り、最も美しい父と娘の物語。
イコライザー(2014):孤高の男が奏でる静かなる正義が始まる。デンゼル・ワシントンが魅せる新時代のヒーロー像
M3GAN/ミーガン 2.0 “お友達AI人形は、バトルロボットに進化した”
トロール2(2025):怪獣は走り、物語は立ち止まる
ナイブズ・アウト:ウェイク・アップ・デッドマン “信仰と罪が交差する密室、名探偵は不可能を暴けるか”
Netflix『トロール』:ノルウェーの山が目覚めるとき、神話は現実になる
ワン・バトル・アフター・アナザー:次から次へと続く戦いに、父と娘は何を見つけるのか
サバイバル
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映画 オーストラリア アメリカウォー・マシーン: 未知なる侵略者 “訓練の森に突如現れた殺戮機械と、男の誓い”
『ウォー・マシーン: 未知なる侵略者』はNetflixの2026年最大規模のデビューを飾り、公開初日から数日間で3,930万回の視聴を記録。Netflixグローバルランキング1位に輝きました。 イギリス、スウェーデン、スペイン、ブラジル、オーストラリア、カナダ、フランスなど25カ国以上でトレンド1位を獲得。さらには著名ゲームクリエイターの小島秀夫氏が「プレデターと自身の作品『メタルギア』を掛け合わせたような映画」とコメントを寄せるなど、世界規模で話題を集めました -
映画 アメリカジュラシック・ワールド/復活の大地:恐竜の迫力だけでは補えない
オリジナル『ジュラシック・パーク』の脚本家デヴィッド・コープが再び筆を取り、『GODZILLA ゴジラ』や『ローグ・ワン』で巨大生物の迫力ある映像表現を見せたギャレス・エドワーズ監督がメガホンを取った映画『ジュラシック・ワールド/復活の大地』。制作陣の顔ぶれからは大いに期待が高まりましたが、残念ながら結果はシリーズ最低レベルと言わざるを得ない仕上がりでした。 恐竜の迫力やエドワーズ監督らしいスケール感の演出は健在ですが、それだけではカバーしきれない根本的な物語構造の欠陥、キャラクター造形の薄さ、そして何より「ありきたりな夏休み恐竜映画」以上のものになれなかった凡庸さが、映画『ジュラシック・ワールド/復活の大地』を物足りない作品にしています。 -
映画 アメリカビースト Beast (2022):野生が牙を剥く時、父の愛が試される
映画『ビースト』は、アフリカのサバンナを舞台にした骨太のサバイバル・スリラーです。イドリス・エルバ演じる医師の父親が、二人の娘と共に巨大な人食いライオンと死闘を繰り広げる93分間は、予測可能な展開ながらも確実にエンターテインメントとしての役割を果たしています。本作最大の魅力は、短い上映時間を無駄なく活用した緊張感の維持と、イドリス・エルバの存在感です。CGIライオンの出来栄えや一部キャラクターの判断力に疑問符がつく場面もありますが、ドルビーシネマでの体験を前提とした音響設計と、長回しのカメラワークによる臨場感は見事というほかありません。批評家と観客の評価が分かれる作品ですが(Rotten Tomatoes 69% vs IMDb 5.9)、B級アクション映画としての割り切った楽しさを求める観客には十分に応える仕上がりとなっています。 -
映画 アメリカFALL/フォール:天空の孤島で描かれる究極のサバイバル
映画「FALL」は、人間が本能的に持つ高所への恐怖を徹底的に刺激する、身体感覚に訴えるサバイバル・スリラーです。CGに頼らない実写撮影によるリアルな恐怖感と、二転三転するストーリー展開、そして極限状態で露わになる人間関係の機微が絶妙に組み合わさった、完成度の高い作品となっています。 -
映画 フランス アメリカパージ:アナーキー 世界観が広がった続編シリーズ
パージの設定をそのままに話の前作でイライラ(無理やり危機を招いたり防御がざる)の要素が減った感じです。 今作は全体的に凄くスケール感が増してたしラストも綺麗な決着の付け方で非常におもしろかったです。 登場人物も、バギーに乗ったイカれ野郎、狂った思想に取り憑かれたサイコ女、パージを楽しむマフィア、パージをゲームとして楽しむ金持ちなどキャラも豊富でそこも面白いです。 とくにサバイバルの緊張感が続きサバイバル映画として観てもとても面白いものでした。 -
映画 アメリカクーデター: ある日突如として日常が崩壊したときのスリルを体感する!
開始30分以後ハラハラの連続で楽しめました。ただ映画の演出をするため子供がなんかバカなことをします。演出定番と思いますがなんかイラッとします。 暴徒とかした民間人が企業ビルや政府関係者を襲うというニュースが流れることがありますが、現地はこんな感じなのかというリアリティがあり色んな意味で怖い映画でした。
サイコスリラー
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映画 アメリカPearl パール:狂気の笑顔が映し出す純粋な闇
タイ・ウェスト監督が2022年に発表した映画『X エックス』の前日譚として制作された映画『Pearl/パール』は、ホラー映画の枠を大きく超えた野心的な作品です。1918年のテキサスを舞台に、殺人鬼となる前の若きパールの物語を、『オズの魔法使』を彷彿とさせる鮮やかなテクニカラーで描き出します。ミア・ゴスが脚本にも参加し、製作も務めた本作は、彼女自身の映画人生における重要な転機となりました。主演女優として、脚本家として、そしてプロデューサーとして――三つの顔を持つミア・ゴスの圧倒的な存在感が、この作品を唯一無二のものにしています。特に終盤の6分間にも及ぶ長回しのクロースアップは、映画史に残る名シーンと言えるでしょう。 -
映画 アメリカコンパニオン:プログラムされた愛が暴走する時、ロボットは人間を超える
新進気鋭の女優ソフィー・サッチャーが、また一つ忘れられない役柄を手にしました。『ヘレディタリー』や『イエロージャケッツ』で注目を集めた彼女が、今度は恋人型ロボットという難役に挑んだSFスリラー『コンパニオン』。一見すると『ノートブック』のような甘いラブストーリーを予感させる導入から、予想外の方向へと舵を切るこの作品は、2025年1月公開としては異例の高評価を獲得しています。 ドライでオシャレな映像美、ブラックユーモアと緊張感の絶妙なバランス、そして何より、可笑しさも哀しみも痛快さもひとりで背負って見せたソフィー・サッチャーの圧倒的な存在感。初監督作品とは思えない完成度で、AI時代の恋愛と支配を鋭く描き出した本作は、彼女のキャリアを象徴する代表作となるに違いありません。 -
映画 アメリカWEAPONS/ウェポンズ:新時代ホラーの巨匠が描く多視点ミステリーの傑作
『バーバリアン』で衝撃的なデビューを飾ったザック・クレガー監督が、より大きな予算を手に放つ第二作。同じクラスの子供たち17人が深夜2時17分に一斉に姿を消すという謎を軸に、複数の視点から真相へと迫る戦慄のホラーミステリーです。「羅生門」スタイルの非線形構造が生み出す緊張感、『アス』や『ヘレディタリー』を彷彿とさせる不穏な空気、そしてジョーダン・ピール以降の社会派ホラーの系譜を継ぐ深いテーマ性。エンディングには賛否があるものの、脚本と演出の完成度は圧倒的です。ホラーとサスペンス、ミステリーを横断する、2025年必見の一作となっています。 -
映画 イギリス アメリカMEN 同じ顔の男たち:愛という名の呪縛が生む究極の恐怖体験
アレックス・ガーランド監督の『MEN 同じ顔の男たち』は、従来のホラー映画の枠を大胆に超越した、極めて野心的な作品です。『エクス・マキナ』『アナイアレーション』で知られる鬼才が、今回挑んだのは英国の田園を舞台にしたフォークホラー。しかし、その実態は単なる恐怖映画ではなく、現代社会における男性性の暴力と女性の trauma(トラウマ)を真正面から描いた、深遠な社会派作品となっています。物語は、夫の死を目撃したハーパー(ジェシー・バックリー)が、心の傷を癒すため英国の田舎町を訪れるところから始まります。しかし、その村で出会う男たちは、なぜか全員同じ顔をしているのです。管理人、警官、神父、少年——すべてロリー・キニアが演じるこの異様な設定が、やがて観客を前代未聞の恐怖体験へと導いていきます。 -
映画 アメリカスマイル:不気味な笑顔が導く死の連鎖
ホラー映画「スマイル」は『リング』を彷彿とさせる「呪いの連鎖」システムに、現代的な恐怖演出を組み合わせた本作は、製作費1700万ドルながら公開3日間で2200万ドルを記録する大ヒットを達成しました。特筆すべきは、野球中継に不気味な笑顔の観客を映り込ませるという斬新なプロモーション戦略で、SNSを中心に世界的な話題となったことです。王道のホラー要素を丁寧に積み重ねながら、「笑顔」という身近なモチーフを恐怖の象徴に変換した手腕は見事というほかありません。 -
映画 アメリカM3GAN/ミーガン:AI人形が問いかける「愛」の恐怖
2020年以降ChatGPTが世間を騒がせる時に、時代の最先端を捉えたAIホラーが登場しました。それが「M3GAN/ミーガン」です。本作はホラーにありがちなグロテスクな恐怖演出に頼らず、「愛情の暴走」という新しい恐怖の形を提示する意欲作です。ホラー初心者にも優しい作りながら、現代社会への鋭い問題提起を内包した、エンターテインメントと社会批評を両立させた秀作となっています。
芸道に人生を捧げた物語
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映画 アメリカバビロン(2022):デイミアン・チャゼル監督が描く極彩色のハリウッド地獄絵図
『ラ・ラ・ランド』でアカデミー監督賞を史上最年少で獲得したデイミアン・チャゼル監督の新作は、観客を二度見させる問題作となりました。サイレント映画から発声映画への移行期を、あまりにも下品で悪趣味に描いた「低俗ブラックコメディ版『雨に唄えば』」とでも呼ぶべき作品です。しかし、この「下品」「汚い」という表現が、本作にとっては褒め言葉になってしまうほどの確信犯的な悪意とパワフルさを持っています。 -
映画 日本国宝: 歌舞伎に命を捧げた男の物語
映画『国宝』は100年に1本の壮大な芸道映画」というキャッチコピーに違わす、ただの娯楽作品ではなく、芸道の深い世界を描いた渾身の一作でした。日本の伝統文化を感じさせる壮大なストーリーや、豪華キャストの演技、そして美しい映像美が融合したこの作品は、まさに映画史に残る傑作といえる映画となっていました。
映画
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映画イコライザー(2014):孤高の男が奏でる静かなる正義が始まる。デンゼル・ワシントンが魅せる新時代のヒーロー像
デンゼル・ワシントンという俳優の底知れぬ魅力を再認識させられる、骨太なアクションスリラーです。1980年代にエドワード・ウッドワード主演で放送された同名TVシリーズを映画化した『イコライザー』は、元秘密工作員が弱者を守るために立ち上がる姿を描いています。『トレーニング デイ』でアカデミー賞に輝いたワシントンとアントワーヌ・フークア監督の再タッグということもあり、期待値は自然と高まりましたが、その期待を裏切らない仕上がりでした。過剰なまでの暴力描写には賛否あるでしょうが、59歳にしてなお圧倒的な存在感を放つワシントンの演技力が、作品全体に重厚な説得力を与えています。物語構造に特徴があり、主人公の明確な目標が中盤まで曖昧なままという異例の展開を見せますが、それがかえって敵役の存在感を際立たせる結果となりました。ホームセンターを舞台にした独創的なクライマックスも含め、王道から少し外れた魅力を持つ作品です。 -
映画 アメリカM3GAN/ミーガン 2.0 “お友達AI人形は、バトルロボットに進化した”
前作『M3GAN/ミーガン』が全世界興行収入1億8,000万ドル超を記録し、Rotten Tomatoesで93%という高い評価を得た直後から、続編への期待は高まっていました。 しかしながら本作は批評家の意見は大きく二分されており、「ジャンル転換に清々しさを感じる」という好意的な声がある一方、「ホラーの核心を捨てた判断が痛い」という辛口の意見も少なくありません。一般視聴者にはおおむね好評で、「チャイルドプレイにターミネーターを足して2で割ったような感覚」という評も見受けられます。日本では劇場公開が中止となり、Amazon Prime Videoにて独占配信という形になりました。 -
映画トロール2(2025):怪獣は走り、物語は立ち止まる
あの山が、再び動き出した。 今度は二頭のトロールが、ノルウェーの大地を震わせる。 雪に閉ざされた峡谷の奥深く、長い眠りから目覚めた巨大な存在は、人類への怒りを静かにたたえながら足を踏み出します。前作「トロール」でその伝説の幕開けを体験した視聴者ならば、この冒頭からすでに画面に釘付けになることでしょう。 しかし、映像美の向こう側に待ち受けるものは——果たして感動でしょうか、それとも物足りなさでしょうか。 -
映画 アメリカナイブズ・アウト:ウェイク・アップ・デッドマン “信仰と罪が交差する密室、名探偵は不可能を暴けるか”
神の家で、神を信じない男が、神に仕える者の死を解く。 聖金曜日の礼拝の最中、誰も入れないはずの小部屋で司祭が刺殺された。 出入口はひとつ。目撃者あり。そして——論理的に、犯行は不可能だった。 長い白髪をなびかせた名探偵ブノワ・ブランが、ゴシック聖堂の闇へと踏み込んでいく。 彼の相棒は、信仰の危機に揺れる若き神父。ふたりの「異端者」だけが、 この密室に隠された真実へと手を伸ばすことができる。 ライアン・ジョンソン監督が紡ぐ三部作の完結編。 これは単なるミステリーではなく、人間の告白と赦しをめぐる、深く美しい問いかけです。 -
映画 ノルウェーNetflix『トロール』:ノルウェーの山が目覚めるとき、神話は現実になる
ノルウェーの山脈の奥深く、千年の眠りを破って巨人が動き出す。その映像が画面に現れた瞬間、これはただの怪獣映画ではないと直感するでしょう。 霧に沈むフィヨルド。岩と土でできた巨人の輪郭。 そして、父から娘へと受け継がれた「目ではなく心で見なさい」という言葉。 2022年12月、Netflixに静かに現れた一本のノルウェー映画は、 配信からわずか3か月で1億300万回視聴を記録し、 非英語映画として史上最多視聴の座に就きました。 世界が熱狂した理由は、スケールではありません。 この怪物が、孤独だったからです。 -
映画 アメリカワン・バトル・アフター・アナザー:次から次へと続く戦いに、父と娘は何を見つけるのか
カッコ悪いダメ親父レオナルド・ディカプリオが、娘のために立ち上がる。思想も血統もパスワードも関係ない——ディカプリオが体ごとぶつかる不格好な愛の物語に、ショーン・ペンの怪物的な悪役演技が火を注ぐ。ポール・トーマス・アンダーソンが20年以上の構想を経て放つ本作は、1950年代の映像技術VistaVisionを現代に蘇らせ、カリフォルニアの砂埃と光を粒立った映像に刻んだ野心作でもある。ジョニー・グリーンウッドの前衛的スコアが鼓動を煽り、圧巻のカーチェイスが画面の奥へと引きずり込む。ポール・トーマス・アンダーソン10作目にして最もエンターテイメントに振り切り、最も美しい父と娘の物語。
アニメ
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劇場版 アニメひゃくえむ。 “たった10秒に人生を懸ける者たちの狂気と情熱の記録”
公開5日間で興行収入1.6億円を突破し、最終的には動員47万人・興収7億円超を記録を達成。インディーズ発の劇場アニメが単館・限定上映から全国規模へと拡大し7億円超に到達したことは、異例中の異例といえる作品となりました。これはインディーアニメーション出身の監督作品としては、近年最大級の商業的成功といっても過言ではないでしょう。原作ファンからは大胆な改変への賛否も一部見られますが、映画単体の完成度への評価は非常に高い水準でした。 -
劇場版 アニメKPOPガールズ! デーモン・ハンターズ:歌って踊って悪魔を狩れ
歌声が武器になる。K-POPの三人娘が、今夜も悪魔と戦う。 あなたはステージの上で輝くアイドルが、舞台裏でデーモンを狩っていると知っていたでしょうか? 2025年6月、Netflixに突如現れたこのアニメーション映画は、公開後わずか数週間で世界93か国のトップ10入りを果たし、ついにはプラットフォーム史上最高視聴記録を塗り替えるという前代未聞の快挙を成し遂げました。ゴールデングローブ、アニー賞全冠――数々の栄光を手中に収めた今、その魅力の正体を丁寧に解き明かしていきたいと思います。 -
劇場版 アニメ超かぐや姫!:竹取物語×ボカロ×VTuberを最後まで”エンタメ全振り”を貫いた、山下清悟という新星の初長編
配信直前から特報映像のSNS総再生数が1,500万回を超え、劇場公開時には全国規模で全回満席という異例の盛況を見せたNetflixオリジナルアニメ映画『超かぐや姫!』。視聴後にため息をつくほどの満足感を覚えたという声が多数あがる一方で、物語のロジックやターゲット層の明確さゆえに賛否が分かれる作品でもあります。映画.comでのスコアは3.6と若干控えめですが、Netflixでの反響は非常に大きく、独占配信から劇場公開に至った経緯がその人気を雄弁に語っています。 本作を最も強く後押しするのは、ryo (supercell)、kz (livetune)、40mP、HoneyWorksといった2000年代ニコニコ動画黎明期を代表するボカロPたちによる名曲の数々と、監督・山下清悟が全編にわたって注ぎ込んだ惜しみない作画クオリティです。とにかく「全部がすごい」という言葉が何度も聞かれるほど、エンターテイメントとしての完成度に振り切った一作です。 -
劇場版 アニメ機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ キルケーの魔女:精神の狂気を抱えた青年が、女神に魅せられて堕ちる
『トップガン マーヴェリック』を暗黒面に堕としたような、圧倒的映像美と精神の病みが同居する異色作です。前作『閃光のハサウェイ』から約4年半ぶりの続編となった本作は、テロリストとして生きる主人公ハサウェイの精神崩壊と、謎めいた少女ギギ・アンダルシアの存在が物語を牽引します。会話劇が全体の8割を占めるという大胆な構成ながら、終盤の戦闘シーンでは一級品のコックピット視点演出が炸裂し、観る者の息を呑ませます。ガンダムシリーズとしては異質なほど「大人の肉欲」を描き、人間の弱さと狂気を容赦なく突きつけてくる作品です。 -
劇場版 アニメ機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ:30年越しのアニメ化が実現した映像革命
富野由悠季監督が1989年から1990年にかけて発表した小説『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』。30年以上の時を経て、ついにアニメ化が実現した本作は、ガンダムシリーズに新たな映像表現の地平を切り開いた記念すべき作品です。『虐殺器官』の村瀬修功監督が手がけた本作は、超人的なニュータイプの活躍ではなく、地に足のついたリアルな戦闘描写と人間ドラマを軸に、宇宙世紀105年の腐敗した地球連邦政府と、それに反旗を翻すテロリスト「マフティー」の闘いを描きます。 暗闇に浮かび上がる巨大モビルスーツの威圧感、市民目線で描かれる戦闘の恐怖、複雑に絡み合う人間関係──これまでのガンダム作品とは一線を画す映像美と演出が、観る者を圧倒します。3部作の第1部として、物語はまだ序章に過ぎませんが、映像作品としての完成度の高さは、続編への期待を大いに高めるものとなっています。 -
劇場版 アニメロード・オブ・ザ・リング/ローハンの戦い:神山健治監督が挑んだ中つ国の新章
実写映画三部作から200年前の中つ国を舞台に、『攻殻機動隊 S.A.C.』や『東のエデン』で知られる神山健治監督が初めて挑んだファンタジー大作です。全編手描きにこだわった13万枚の作画と、実写をモーションキャプチャーで記録してから手描きで起こすという前例のない制作手法により、圧倒的な映像クオリティを実現しています。しかし、45億円の製作費に対して興行収入は約32億円という厳しい結果に終わり、特に日本国内では1億円以下という残念な数字となりました。映像美とストーリーテリングのバランスに課題を残した、野心的ながらも評価の分かれる作品です。
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シーズンのアニメとドラマの一口レビュー
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