映画
トロール2(2025):怪獣は走り、物語は立ち止まる

Score 2.8

あの山が、再び動き出した。 今度は二頭のトロールが、ノルウェーの大地を震わせる。 雪に閉ざされた峡谷の奥深く、長い眠りから目覚めた巨大な存在は、人類への怒りを静かにたたえながら足を踏み出します。前作「トロール」でその伝説の幕開けを体験した視聴者ならば、この冒頭からすでに画面に釘付けになることでしょう。 しかし、映像美の向こう側に待ち受けるものは——果たして感動でしょうか、それとも物足りなさでしょうか。

原題
Troll 2
公式サイト
https://www.netflix.com/title/81667085

© 2025 Netflix, Inc.

監督
登場人物
ノーラ・ティットマン

Actor: アイネ・マリー・ウィルマン

他の作品:

古生物学者。前作でトロール王と対峙した経験を持ち、3年後は孤立した生活を送る。トロールの存在を信じ続けた父の遺志を継ぎ、再び最前線へ立つ本作の主人公。

アンドレアス・イサクセン

Actor: キム・ファルク

他の作品:

前作で首相顧問を務めたお調子者の政府スタッフ。前作から3年でシグリと結婚し、子どもを授かっている。

クリストファー・"クリス"・ホルム少佐

Actor: マッツ・ショーガード・ペッテルセン

他の作品:

前作では大尉だったが今作で少佐に昇進。

マリオン・オーリン・ラダニ

Actor: サラ・ホラミ

ヴェモルク施設の責任者として今作から登場する新キャラクター。

配給会社

ここがおすすめ!

  • ノルウェー発の怪獣神話、続編が証明した可能性
  • 「ゴジラ-1.0」やモンスターバース・シリーズが好きで、新たな視点の怪獣映画
  • 過度な残酷描写が少なく、チームで巨大生物に立ち向かう王道展開が楽しめる

あらすじ

ノルウェーの山・ドブレ山脈を貫く鉄道建設プロジェクトが眠れる怪物を目覚めさせた。巨大な生き物が行く手のすべてを破壊しながら進む中、政府は古生物学者のノラ・ティーデマン教授を招集し対応を依頼する。父とその場しのぎの仲間たちとともに、ノラは一連の混乱と破壊の原因を突き止め、オスロに到達する前に食い止めようとする。

Netflix オフィシャルサイト

Netflixオリジナル映画 モンスターアクション「トロール2」を語る前に、その出発点となった前作について触れておきます。

2022年12月1日にNetflixで配信された「トロール」は、Netflixにおける非英語映画史上最多の視聴記録を誇る作品です。全世界で累計1億300万回以上視聴されたとされ、その数字は今なお破られていません。

前作の魅力は「シンプルさの勝利」にあったと思います。ノルウェー・ドブレ山脈の爆破工事によって目覚めた古代のトロールが首都オスロへと向かう。

この一本道の筋書きに、古生物学者ノーラと偏屈な父トビアスの葛藤を絡め、ノルウェーの雄大な自然を背景に怪獣映画の王道を丁寧になぞった作品でした。

オーソドックスながら完成度の高い一作として好評を得ており、「Netflixオリジナルでは珍しいノルウェー産の実写怪獣映画で、神話のトロールとは違い生物として描いていたのが特徴」という声も多く、作り込まれたCGIと北欧の大自然の融合が視聴者の心をつかみました。このシンプルな驚きと爽快感こそが前作の財産であり、続編が引き継ぐべきバトンでもあります。

前作を知らなければ、半分しか楽しめない作品

Netflixオリジナル映画 モンスターアクション「トロール2」は、前作から3年後を舞台に始まります。

主人公のノーラ・ティットマンは前作の出来事を経て孤立した生活を送っており、失意の中で旧友のアンドレアスから奇妙な知らせを受け取ります。研究拠点の地下には、巨大なトロールがまだ冬眠したまま眠っていた。そして当然のように、人間の制御は及びません。

序盤は前作のキャラクターを知っていることを前提に進むため、初見の視聴者には少し置いてきぼりの感覚があるかもしれません。前作未視聴の方はまず1作目から視聴することをお勧めします。

「もっと大きく、もっと多く」という罠と、帰ってきた仲間たち

これまで多くの映画を鑑賞してきて、続編映画が陥りやすいパターンのひとつは、「前作を超えようとして膨らみすぎる」ことだと考えています。Netflixオリジナル映画 モンスターアクション「トロール2」も、この呪縛から完全には逃れられていないように思いました。

今回は二頭のトロールが登場します。一頭は凶暴で人類への敵意をあらわにする「ヨトゥン(Jotun)」、もう一頭は前作のトロールの子どもとされる「美しいトロール」です。この設定自体は面白く、怪獣映画としての発展性を感じさせます。しかし二頭が直接対峙するシーンは実質1分程度と驚くほど短く、宣伝が示唆した「トロール対トロール」の対決は期待値を大幅に下回るものでした。

また物語の大半は「どこへ向かうかを突き止める」という追いかけっことキャラクターたちの会議で構成されています。「ジュラシック・パーク」や「インディ・ジョーンズ」的なスリルへの憧れは随所に感じられ、大聖堂の尖塔がそびえる美しいロケーションでの謎解きシーンは、その意欲が一瞬だけ花開く場面でした。しかしその種を育てるだけの時間は、残念ながら用意されていないようでした。

一方で、帰ってきたキャラクターたちの存在は続編としての連続性を確かに担保しています。ノーラ、アンドレアス、クリストファー少佐のトリオが揃って戻り、物語の軸として機能しています。注目すべきは、前作の仲間だったシグリとアンドレアスがカップルとなり、妊娠中であるという設定が加わった点です。この「命が生まれる」という要素は終盤への感情的な伏線として機能しており、クライマックスでは予期せぬほどの衝撃を視聴者に与えます。

反面、今作初登場の新キャラクターたちにはほとんど個性が与えられておらず、強引に差し込まれるラブロマンスの芽も物語に溶け込まないまま浮いています。それでも、前作の老夫婦が念願のリフォームを完成させた家に住んでいるという小さな継続性のサービスは、ちょっとした笑顔を生む佳品な演出でした。

薄いキングコングと、それでも白眉なCGI映像の力

視聴前、まずサムネイルやパッケージビジュアルに目が留まりました。二頭のトロールが対峙する構図は、「ゴジラ×コング 新たなる帝国」のポスターを強く想起させるものでした。制作サイドがモンスターバースを意識していることは明らかで、「怪獣対怪獣」という見せ場への期待感を視聴前から高めてくれます。しかし実際に映像を観ると、その期待に対して迫力は物足りないという印象を受けました。

Netflix Officiai Trailer

そしてNetflixオリジナル映画 モンスターアクション「トロール2」が最も惜しい点のひとつが、「美しいトロール」と人間との関係性の描き方です。このトロールは人間に対して敵意を持たず、構造上は「キングコング」や「ゴジラ×コング」におけるコングのポジション——「理解し合える怪獣」として物語に絡んできます。しかし、その内面や感情は数行のセリフで示唆されるにとどまり、映像として深く掘り下げられることがありません。

古典的な怪獣映画の文脈で言えば、初代「ゴジラ」(1954年)が描いた「怪獣は人類文明への自然の復讐者である」というテーゼも、Netflixオリジナル映画 モンスターアクション「トロール2」の二頭のトロールの対比に重なって見えます。それだけに、「美しいトロール」が単なる「道具」として終わってしまい、怪獣としての神話性を獲得できないまま幕を閉じることには、強い物足りなさを感じました。フラッシュバックひとつ、台詞の積み重ねひとつで大きく変わっていたはずです。

しかし、映像技術については改めて称賛すべきでしょう。二頭のトロールのCGIは前作から進化を遂げており、岩盤のような皮膚の質感、そこに絡み付く植物の根や苔の表現が圧倒的なリアリティを持っています。単なる「岩の塊が歩いている」のではなく、地の底から生まれ出た生命体として説得力ある存在感を放っています。

ノルウェーの雄大な自然——雪に覆われた峡谷、凍てつく森林、夜空にそびえる尖塔の大聖堂——との合成も見事で、画面から生まれる「スケール感」は小規模な製作予算を感じさせません。スキーリゾートのナイトクラブにトロールが乱入するシーンでは、若者たちがスマートフォンを向けながら逃げ惑う光景が映し出され、笑いと恐怖が同時に押し寄せる巧みな演出に思わず唸りました。限られた予算で最大限の視覚的迫力を生み出す技術力——それがロア・ウトホーグ監督の最大の武器でしょう。

ウトホーグ監督が語る「トロロジー」への野望

ロア・ウトホーグ監督がこのシリーズを単なる怪獣映画2本として位置づけていないことは、複数のインタビューから明らかです。

Variety誌のインタビューによれば、監督は1990年代の「アルマゲドン」「インディペンデンス・デイ」「ジュラシック・パーク」といったディザスター映画に触発され、「ノルウェーでこういう映画を作ったらどうなるだろう」と考えたのが原点だったといいます。その後、ノルウェーの画家テオドール・キッテルセンが100年以上前に描いたオスロの大通りをトロールが歩く絵を偶然目にし、構想が結晶化しました。

GamesRadar+のインタビューでは「第1作の編集中に続編のアイデアが浮かんできた。続けるとしたらどこへ行けるか、どう世界を広げられるかを考え始めた」と語っており、続編は偶然の産物ではなく、意図的なフランチャイズ設計の一環であることがわかります。

また撮影手法についても、「グリーンスクリーンを使ったのは1日だけで、あとはすべて俳優とともに雪の中、風の中、実際のロケ地で撮影した」と明かしています。トロールとの対峙シーンでは、30メートル上空を飛ぶドローンを俳優たちが見上げることで、巨大な生物との感情的なやりとりを演じたといいます。SciFiNow誌では「”トロロジー(trollogy)”という言葉の響きはとても良い」と笑いながら3部作への可能性を示唆しました。

参考インタビュー

まとめ:続編の呪いを超えた先に、北の大地の未来がある

Netflixオリジナル映画 モンスターアクション「トロール2」は、「続編映画あるある」の多くを踏んでしまった作品です。しかし同時に、監督ロア・ウトホーグのノルウェー怪獣フランチャイズへの真摯な情熱と、この土地が持つ神話的なスケール感は、確かに画面から伝わってきました。

「美しいトロール」が感情的な深みを持てなかったこと、新キャラクターに息吹が感じられなかったこと、二頭の対決が驚くほど短かったこと——これらは惜しまれます。しかし終盤の感情的な一撃と、エンドクレジット後の次作への伏線は、「続きを観たい」という気持ちを十分に芽吹かせてくれます。

前作が好きな方なら、ぜひ視聴してほしい一作です。そして、いつかノルウェーが本当の意味で「ゴジラ」と肩を並べる日が来るのか——そんな問いを胸に抱きながら、画面を閉じていただければと思います。

各サイトのレビュースコア

2022年にNetflix非英語映画の歴代最多視聴記録を塗り替えた前作の成功を受け、ローアル・ユートハウグ監督が同じキャスト・スタッフを率いて挑んだ続編。ノルウェーの雄大な自然とCGトロールの親和性は健在だが、物語の新鮮さと脚本の精度において前作の水準には届かなかった。

プラットフォーム別スコアとレビュー

IMDb(5.3 / 10)

IMDbは「CGと映像的スペクタクルは評価されているが、未発達なストーリーテリング、ハリウッドの陳腐な展開の模倣、不合理なキャラクターの判断、予測可能なプロットが広く批判された」と整理している。前作(6.8)から大幅に下落したスコアが、評価の落差を物語る。

  • “Troll 2 is an engaging continuation of the story from the first film, fully embracing Norwegian troll folklore while adding its own flair. Visually, the film is stunning. The Norwegian locations add authenticity and a real sense of place.”
    • 「ノルウェーのトロール民話を忠実に踏まえた続篇として十分に成立している。映像的には素晴らしく、ロケーションが作品に本物の説得力を与えている」
  • “It was highly-entertaining and it wasn’t any more then that. And more movies should feel entertaining.”
    • 「純粋に娯楽として成立していたし、それ以上でもなかった。エンタメとして機能する映画が増えること自体は良いことだ」
  • “This was the worst movie I have seen this year by far. Terrible acting and terrible writing.”
    • 「今年観た中で断トツに最悪。演技も脚本も救いがない」

Rotten Tomatoes

Critics(批評家):58 / 100

前作の批評家スコア89%から58%へと31ポイント下落した。「Certified Fresh」のラインを割り込み、批評家の間では明確に賛否が分かれる結果となった。

  • Variety(Dennis Harvey):
    • “It’s slick and fun in just the same way the earlier film was. Though given the parting promise of a third installment, one hopes Uthaug and writer Espen Aukan come up with some new twists — inspiration is beginning to run a little thin here.”
      • 「前作と同様のスムーズな娯楽性は保たれている。ただ第3弾を示唆するエンドロールを受けて、監督と脚本家には新たな工夫を求めたい──霊感が薄れ始めているのは明らかだ」
  • RogerEbert.com(Simon Abrams):
    • “Unfortunately, to enjoy ‘Troll 2,’ you have to enjoy spending time with Nora and her colleagues. What really trips up this amiably cheesy B-movie is its uniformly generic dialogue, which makes it hard to care about stock types who all essentially sound alike.”
      • 「本作を楽しむにはノラたちと時間を過ごすことが前提となる。この気さくなB級映画の最大の欠点は、判を押したような台詞回しだ。キャラクターが皆同じ声に聞こえ、感情移入が難しい」
  • SciFiNow(Rachael Harper)
    • “Ambitious, playful and unapologetically giant-sized.”
      • 「野心的で遊び心があり、臆面もなくスケールが大きい」
  • The Guardian(Phil Hoad):
    • “The characterisation is token, and the quip embellishment is weak. Norse mythology is an atypical starting point for monster movies, but deploying it as rotely as this, the film has little chance of standing out.”
      • 「キャラクター描写はお義理に過ぎず、軽口の味付けも弱い。北欧神話はモンスター映画の出発点として稀有だが、これほど紋切り型に扱えば他作品との差別化は望めない」

Audience(観客):35 / 100(Popcornmeter)

批評家スコアをさらに大きく下回る数字。観客の中には「1作目と同じような感じで、あらゆる面でわずかに劣っている」と感じた者が多く、意見は二分した。

  • “Loved it just as much as the first one. It’s a simple movie that’s fun to watch. Don’t overthink it, just enjoy it.”
    • 「前作と同じくらい楽しめた。シンプルで気楽に観られる映画。深く考えず楽しめばいい」
  • “Troll 2 script writing felt rushed and predictable. Out of nowhere, the professor can speak troll language, and connect with them — come on.”
    • 「脚本は急ぎ足で予測可能。突然トロール語を話せるようになった教授には苦笑した」
  • “It’s every bit as good as the first one, doubling down on the mystery and stellar effects.”
    • 「前作に引けを取らない出来。謎と映像美をさらに押し進めた」

Filmarks(2.9 / 5)

1,326件のレビューが集まり、平均2.9点という評価に落ち着いている。辛口傾向の強いFilmarksで3点を割り込んだという事実は、日本の観客にとってこの作品が前作の期待値に応えられなかったことを示している。

  • 「前作よりはトロール同士のバトルで派手さは増したものの、必要のない恋愛要素や涙を誘う犠牲がテンポを悪くしていた。キービジュがゴジラvsコングで笑えた」
  • 「怪獣っぽさは前作より上がっており、怪獣映画としての完成度は高かった印象。後半のツッコミどころは結構多いけれど、B級映画として見れば上出来」
  • 「1.2続けて鑑賞。1のほうがまだよかったかな。なんか2は既視感。ゴジラ?インディ? B級映画あるあるで調子づいてる若者はまっさきに死ぬ(笑)」

映画.com(2.5 / 5)

映画.comには12件のレビューが集まり、全体の3分の2が星3(平均的)かそれ以下に集中している。ゴジラやサンダ対ガイラへの言及が目立ち、日本の特撮ファン視点から採点が行われる傾向が見られる。

  • 「怪物が退治されるべきものではなく自然の人類への復讐──という元々のゴジラの背景の影響は強い。サンダとガイラも思い出した。前半が退屈で、ゴジラ-1.0のような救いがないのが残念」
  • 「登場人物を前作で見ていないとよくわからない。二体のトロールの関係が親子なのかどうかも曖昧なまま。アルマゲドンやディープインパクトと同じような特攻の結末」
  • 「2体出てきた時は迫力がある。ポストクレジットでまだ続きそうな雰囲気。映画館で一度やってほしい」

総評

RT批評家58%・観客35%という逆転構造が示すように、本作はB級怪獣映画の通例すら外れた評価を受けた。CGとノルウェーの実景の融合、トロール対決の破壊快楽は前作を凌ぐ部分もある。問題はすべて脚本だ。キャラクターの判断が都合主義に流れ、驚きが失われた。前作が持っていた「新鮮さ」という一枚看板を欠いた本作に、日本勢はゴジラ基準の厳しい採点を下した。シリーズ3作目には脚本の刷新が不可欠だ。

本ページの情報は 時点のものです。
各サイトの最新スコアは各々のサイトにてご確認ください。

このページではNetflix Jpで配信中のトロール2から執筆しました。

Netflix Jpで配信されている「トロール2」のあらすじ、感想、評価を紹介しました。気になる方は、ぜひ下記URLのNetflix Jpからチェックしてみてください!

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このページは 時点のものです。
最新の配信状況は Netflix Jpサイトにてご確認ください。

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