筆者の2025年冬アニメとドラマを鑑賞した作品の一言まとめ。
こちら配信タイトルになります。(一部配信されていないタイトルもあります。)



アニメ
チ。ー地球の運動についてー(第2クール)
1月から配信された第2クールは、第1クールでバデーニ、オクジー、ヨレンタの悲劇から25年後の物語がです。主に「異端解放戦線」という過激派のシュミットが各地の審問所を襲撃し、異端者を解放して回る様子が描かれました。そして事件に巻き込まれてしまった移動民族の娘ドゥラカが主人公として描かれていました。
漫画だと第5集から第8集までの内容となっています。
第2クールは地動説という学問よりも科学的探求と人間ドラマに重点を置いていました。それは知識を受け継ぐ責任について深く考えさせられた。
筆者は18話のラストでヨレンタが登場し、しっかりと先人の知識を受け継いでいる姿には感動しました。
舞台『チ。ー地球の運動についてー』と舞台化も決定しているのでしばらく熱は続きそうです。
【本日23:45~第19話放送🌏】
— 『チ。ー地球の運動についてー』【公式】 (@chikyu_chi) February 1, 2025
第19話「迷いの中に倫理がある」
ヨレンタの目的は、最新技術である活版印刷で…
🌏2/1(土) 23:45~ NHK総合テレビ
🌏Netflixで世界配信中https://t.co/qmZyZ6W5k5
🌏ABEMAで無料配信中https://t.co/h72x3ULr6Thttps://t.co/BJhI5xu7tA#チ球の運動について pic.twitter.com/NdFfykFHmQ
悪役令嬢転生おじさん
最近だともはや定番となった悪役令嬢シリーズ。そんな悪役令嬢にまさかの中年男性が、異世界の乙女ゲームの「悪役令嬢」として転生するという異色の転生コメディ作品です。原作は2020年の「次にくるマンガ大賞」コミックス部門で第4位を獲得した作品です。

中年おじさんが、令嬢に転生するネタ枠かと思わせておいて、実際には笑いとシリアスの落差が巧みに描かれています。「中身おじさん」が悪役令嬢として振る舞いながらも、親の目線と中間管理職の価値観が抜けきらずにゲームの乙女ゲームとのギャップは笑ってしまいます。この令嬢でありながら、時折おじさんらしい人生訓が飛び出すクセになるかで本作の評価が分かれると思います。
そしてパロディやギャグ要素が多い中でテンポと演出のキレが、抜かりなく、テンポよく最後まで楽しめます。ちょっとしたリアクション一つにしても作画の遊び心が光っており、見ていて飽きない作品でした。
SAKAMOTO DAYS
『週刊少年ジャンプ』連載(2025年4月時点)の原作によるアニメ化作品です。筆者は原作未読なのでアニメの評価のみになります。ガンバトルかと思っていたら結構超能力ものであり、殺し屋同士のバトルシーンはスピード感があった印象でした。特に坂本の動きが重さと技術を兼ね備えていて見応えあり、坂本のギャップ(元殺し屋 → 肥満したおじさん → 戦闘時だけスリム)は、日常と殺し屋同士の非日常のギャップをうまくかもしだしていました。
ただ若干ストーリー展開のテンポが速すぎる気もした。家族をもつ殺し屋で近いものだとSPY×FAMILYかな。そしてSPY×FAMILYよりもキャラクターが多くて展開が目まぐるしく変わる作品でした。
天久鷹央の推理カルテ
知念実希人(ちねん・みきと)による日本の医療ミステリー小説シリーズで、同名の主人公・天久鷹央(あまひさ・たかお)を中心とした推理小説を原作としたアニメになります。
こういったラノベではなく推理小説を原作したもののアニメ化は珍しい印象を受けました。2025年に1月〜3月にアニメで4月からTV朝日にてドラマされているのでアニメ+ドラマというメディアミックスの一環として制作だったのかな。

今回はアニメに印象ですが、面白かったのは中盤(原作だと火焔の凶器)までという印象です。ストーリーの脚本はうまく練られれて1、2話のそれぞれキャラクターの説明と医療説明、そして主人公である天久 鷹央が事件を解決するシーンはアニメならではであり、昔の2時間もののサスペンスドラマを感じさせて懐かしく作品に引き込まれました。特にアニメで推理サスペンスはなかなかないので新鮮さもあります。
ただ正直予算不足感がいなめません。それは終盤から如実であり、どんどんキャラクターが画面から映らなくなりました。酷かったのは鷹央と助手である優が車の中で会話しているのにずっとシフトレーば移った時はなんだこれ?となりました。これドラマ化するのであればアニメ化する意味あったのかな?という感想です。
俺だけレベルアップな件 Season2
韓国発の人気ウェブ小説およびウェブトゥーンが原作となっている作品のアニメ化でシーズン1は1年前の2024年1月から配信されていました。
シーズン1は最弱であった主人公が徐々にレベルアップしていく成り上がりものでしたが、シーズン2になると影の王となった主人公がひたすら無双するものでした。異世界ものでチートスキルともった主人公が、異世界先でひたすら無双するものに近い雰囲気です。

本作は作画と戦闘シーンが圧巻であり、これは冬アニメ1と言っても過言ではなかったです。これは主人公の水篠のシーンだけではなく、影となり配下となったイグリッドなどのアクションシーンもハイクオリティなアクション演出で、アニメ映えする作品でした。
Re:ゼロから始める異世界生活 3rd season 反撃編
秋に配信された襲撃編から続く反撃編です。原作の第5章「水門都市プリステラ編」(小説16~20巻)を基にしたアニメシリーズであり表題の通り魔女教教徒への反撃がおもな内容となっています。
反撃編は襲撃編と違い「水門都市プリステラ編」から登場したリリアナの歌唱シーンやプリシラの戦闘シーン、そしてなんと言ってもスバル演説で魅せた精神的な成長はシーズン1から見ていると感慨深いものがありました。
これまでのシーズンでは感情的で自己中心的な面が目立っていたスバルですが、今シーズンでは他者を思いやる姿勢や冷静な判断力がありました。とくに反撃編では1度も死に戻りを行使せず現実と向き合い、他者のために行動するスバルの姿がありました。
Re:Zeroでは珍しく大団円で終わるかと思いきやエピソードのEDが中での衝撃のシーンは、シーズン1の最後衝撃ぐらいあり、「あ〜、やっぱりRe:Zeroでした」。
メダリスト
月刊アフタヌーンで連載中のつるまいかだ先生によるフィギュアスケートを題材にした漫画を原作としたアニメ化になります。フィギュアスケートを題材にしたものだと2016年10月から12月に放映されたTVアニメ「ユーリ!!! on ICE」がありました。「ユーリ!!! on ICE」も指導者と選手という点では同じバディものでありますが、メダリストはいのりが遅咲きでありながら選手への憧れと心の成長に重点をおいていました。
本作では指導者である司先生も選手としては遅咲きであり、大成できなかった過去を抱えており、周囲からは諦めるべきと見なされていた。そしていのりという過去の自分を重ねる子を見出し、選手になろうとするいのりと共に再生していく物語でした。
これは単なる師弟愛というバディものではなて、人生の傷を癒し合い、これからの未来を切り拓く再出発する者たちの物語でした。
また本作で欠かすことができないのは氷上での演技の表現は目を見張りました。CGを使った演出は、ジャンプやステップの体勢、重心、手の位置までリアリティ感があり、演出全体が「滑っている」という連続性とリズム感が伝わってきました。そして音響もリンクの氷が削れる瞬間の描写や、スケート靴のエッジが刻む軌道の再現など、細部にわたるこだわりが見られました。
花は咲く、修羅の如く
「響け!ユーフォニアム」の原作者である武田綾乃先生とむっしゅ先生の作画による『ウルトラジャンプ』で連載中の同名「花は咲く、修羅の如く」のアニメ化になります。「朗読」をテーマにした高校の文化部を舞台にした作品で結構珍しいテーマでした。
主人公である春山花奈は朗読へ情熱をもっていますが、内気なためなかなか外で踏み出せないでいたところに薄頼瑞希先輩や他の放送部の仲間たちとの関係性が丁寧に描かれていました。
こういったガール・ミーツ・ガールのものは珍しくなかったのですが、本作は朗読をテーマにしており、この朗読という言葉の力や自己表現の重要性を描いていました。主人公の花奈はもちろんのこと他のキャラクター面々が声を通じて成長していく過程は、青春の葛藤を表現していました。
そしてなにより本作は声の音作りに関しては一音一音に宿る感情を感じ、朗読に瞬間はおそらくマイクが違う?かのように感じ、その瞬間は別の空間にいるようでありまたBGMや環境音を一時的に引き、声だけが響く静寂空間は何か込み上げるものを感じました。本作の音響監督は濱野高年監督は、近年だと『異修羅』の監督でもあり朗読のようなモノローグシーンが印象的なことは本作でも発揮されていました。
ドラマ
ドゥームパトロール シーズン4(U-NEXT)
DCコミックを原作としてHBO Maxから配給されたスーパーヒーローチームも最終章が配信されました。相変わらずのドタバタ劇(唐突なミュージカルはありがちなんだけど笑った)を保ちながら、メタヒューマン達がそれぞれのトラウマや過ち、悩みを抱えながらウジウジしたが一難もさらないうちからまた一難な目にあい、それぞれの選択や未来、愛を見出すシーズンフィナーレとなっていました。
シーズン4はヒーローたちが自身の過去と向き合い、成長していきます。それはシーズン1 ~ 3から見ていた筆者にとって、それぞれの葛藤や苦悩が丁寧に描かれ、彼らの人間らしさに共感せずにはいられません。
そして特に、最終話での彼らの選択と結末には、心を打ちました。「愛はどこにでもある」というメッセージが、心に響きました。

THE PENGUIN-ザ・ペンギン-(ONLY ON U-NEXT)
2022年公開の映画『THE BATMAN-ザ・バットマン-』のスピンオフでありつつ、この映画の後日談として位置付けられています。

80年代のアメリカの世界観や音楽好きな人にはとてもおすすな映画でした。
ゴッサム・シティの犯罪王カーマイン・ファルコーネの死後にペンギンことオズワルド・コブが権力を手中に収めようとする過程を描いています。本作のオズワルドは映画に引き続きコリン・ファレルが務めています。全8話のクライム・ストーリーで、ゴッサムの裏社会でのし上がる姿が描かれていました。
ジョーカーもそうなのですが、DCコミックはキャラクター単体での作品は評価が高いです。本作も評価が高くTomatometer: 95%、Popcornmeter: 85%と高い数値です(2025/3/31時点)。
デューン 預言(ONLY ON U-NEXT)
HBOオリジナルドラマ作品。映画『デューン』シリーズの1万年前を舞台に、ベネ・ゲセリットの設立を描いています。映画と同じくレジェンダリー(ドラマはテレビジョン)とHBOが共同制作しています。
本作のドラマでは、ベネ・ゲセリットの誕生という壮大な歴史の幕開けでした。それは映画と同じく映像美と音楽が織りなす空気感は圧倒的です。それは各キャラクターの緊張感や、運命に抗おうとする登場人物たちの姿が特に感じられました。
ドラマ『デューン 預言』は単なるスピンオフではなく、『デューン』の世界観をさらに深く掘り下げる作品でした。
ただ現在と過去が行き交うものとなっており、ヴァリア・ハルコンネンとトゥーラ・ハルコンネンのキャラクターで混乱してしまいました。
