未知の生命体との遭遇や、それに伴う恐怖とサバイバルが描かれていました。全体として宇宙船での恐怖体験から脱出を目指すという、クラシカルな構成となっています。そしてゼノモーフやフェイスハガーがもちろん登場し、そんな生物と船員とが緊迫感のあるシーンで、恐怖の本質を味わうことができました。
- 原題
- Alien: Romulus
- 公式サイト
- https://www.20thcenturystudios.jp/movies/alien-romulus
- 監督
- 登場人物
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- レイン・キャラダイン
-
Actor: ケイリー・スピーニー
劣悪の環境下にあるジャクソン星の鉱員。旧型アンドロイドのアンディと共に不遇な生活を送っていた。
- アンディ
-
Actor: デヴィッド・ジョンソン
ウェイランド・ユタニ社製の旧型アンドロイドで、レインからは弟として扱われている。
- タイラー
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Actor: アーチー・ルノー
レインの元恋人で、同じくジャクソン星の鉱員。
- 配給会社
- 制作会社
ここがおすすめ!
- クラシックなホラーと現代的な演出の融合
- シリーズの象徴的存在がより不気味に襲いかかる
- キャラクターの深い描写と新たな関係性
あらすじ
人生の行き場を失った6人の若者たちが、生きる希望を求めて足を踏み入れた宇宙ステーション“ロムルス”。だが、そこで彼らを待っていたのは、恐怖と言う名の絶望──寄生した人間の胸を突き破り、異常な速さで進化する“エイリアン”だった。
20世紀スタジオ公式
1979年にリドリー・スコット監督によるSFホラー映画「エイリアン」が公開されました。その後、「エイリアン2」「エイリアン3」「エイリアン4」、さらには「エイリアン vs プレデター」シリーズや前日譚となる「プロメテウス」など、さまざまな作品がシリーズとして続きました。またゲームでも「ALIEN: ISOLATION -エイリアン アイソレーション-」や「Aliens: Dark Descent(エイリアンダークディセント)」、そして2024年にはVRゲームとして「Alien: Rogue Incursion」が販売されました。
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そんな多彩なメディア展開をするエイリアンシリーズにおいて、正史とは別のスピンオフ映画として公開されたのが「エイリアン:ロムルス」であり、本作は原作である1979年版の「エイリアン」に近い雰囲気を持った作品です。
原作へのリスペクト
「エイリアン:ロムルス」は、1979年の初代「エイリアン」に対する深いリスペクトを感じさせる作品でした。それはエイリアンシリーズの重要な要素であるゼノモーフ(エイリアンの生物種)が、原作の恐怖感を忠実に再現しつつも、本編の序盤に「エイリアン'(1979)」の舞台ともなった宇宙船ノストロモ号というワードが登場し、ファンにとって懐かしさを感じさせます。
さらに、シリーズの象徴的な存在であるフェイスハガーも、本作で再び登場します。これは日本版の映画ポスターでは表現されていませんが、アメリカ版のポスターではフェイスバガーが船員に食らいつく画となっており、より本作でフェイスバガーが重要なファクターであるかが示されています。
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日本版のポスター
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アメリカのポスター
フェイスハガーは人間に卵を産み付け、その後にゼノモーフが誕生するというエイリアンの根幹をなす恐怖の象徴です。本作では、フェイスハガーの登場シーンが緊張感を高め、観客に圧倒的な恐怖を与えています。それはこれまでのシリーズとは異なり、フェイスハガーとの遭遇が物語全体の流れに新たなスリルを与えているとの評価もあります。まさに未知の生物との遭遇という原作のテーマを見事に踏襲しており、シリーズの象徴をうまく取り入れながらこれまでとは異なるモンスターパニックとしての一面を魅せてくれました。
これは本作を監督したフェデ・アルバレスは原作の持つ雰囲気やテーマを大切にしつつ、独自のアプローチで映像化しており、エイリアンシリーズのSFホラーとしての伝統を守り原作を愛するファンにとっても、新たな観客にとっても楽しめる作品として仕上がっていると感じました。
SFホラーとしての演出
本作は未知との遭遇に重点を置いたホラー要素の強い作品です。監督を務めたのは、ホラー映画「死霊のはらわた」のリメイクや「ドント・ブリーズ」で知られるアルバレス監督。そんな監督が手掛けた新作「エイリアン:ロムルス」はこれまでのホラーファンが期待する要素をきちんと反映しつつ、新たな映像美や演出を加えています。
それはホラー映画ファンを唸らせる巧みな演出が光る作品となっていることでしょう。監督を務めたフェデ・アルバレスは、「死霊のはらわた」リメイクや「ドント・ブリーズ」などで知られ、今回もその手腕を遺憾なく発揮しています。彼の作品には、観客に心理的な圧迫感を与える緊張感のある空間演出が特徴で、本作でも閉塞感が漂う逃げ場がない宇宙船内という舞台でその特性が活きています。
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それは未知の生命体との遭遇場面やそんな生命体が襲いかかる場面の演出において非常に効果的な演出がなされていました。場面場面において一瞬たりとも目が離せない恐怖を感じるものとなっており、特にフェイスハガーの登場シーンは視覚的にも心理的のも、大変インパクトが強いシーンとなっていました。
また音響の面においても宇宙という無音と静寂を巧みに使用して、恐怖感を増幅させる演出が際立っていました。音響効果は本作のホラー性を高めるものだと思います。それは些細な音が大きな緊張感を生み、それがホラーの主役の一部として扱っているかのようでした。このような演出は盲目の老人から声を出さずに逃げまどう「ドント・ブリーズ」を監督したフェデ・アルバレス監督だからこその演出だと感じました。
宇宙空間での新たな演出の試み
本作「エイリアン:ロムルス」では、無重力という環境が物語の重要な要素となっています。無重力という演出は宇宙船を舞台にした作品だとたびたび用いられる演出だと思います。代表作として「ゼロ・グラビティ」が挙げられます。しかしながらエイリアンシリーズにおいて無重力の演出は初でした。
この無重力状態で漂う中で登場人物たちが、エイリアンとの遭遇がどのように展開するのかが緊張感を高めています。特に物語の後半においては、この無重力の設定により主人公たちの行動が制限され、新たなサバイバルアクションとしての一面を生み出していました。
そして宇宙の神秘的な空間と恐怖の映像美が融合し、息を呑むようなシーンの連続でした。それは宇宙空間という暗闇に包まれた中で、ときおり映り込む惑星やそこからの惑星の光が差し込み光と影のコントラストがとても印象的でした。
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このような視覚的要素が、観客に宇宙という未知の領域での恐怖と美しさが、本作を特別なものにしていると思います。
キャラクターと人間ドラマ
主人公レインとアンドロイド・アンディの関係性が特筆すべきポイントです。アンディは旧型のアンドロイドでありながら、人間と兄弟のような関係性を持つキャラクターとして描かれています。また、宇宙船内にはこれまでのシリーズで登場したアンドロイドと類似したキャラクターも登場し、シリーズの伝統と新しさが巧妙に融合しています。
そして主人公レインは、シリーズ初期のリプリーを彷彿とさせる強さを持ちながらも、独自のキャラクター性を持つ女性として描かれています。彼女の力強さは物語全体において重要な役割を果たしています。
総評
「エイリアン:ロムルス」は、クラシカルなエイリアンの恐怖とアクションを楽しめる一作となっていました。それはSFホラーとしての緊張感や映像美、シリーズの伝統を踏まえた新しい挑戦が見事に融合しており、過去作のファンや、ホラー・SF好きには特におすすめの作品です。
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このページではDisneyPlus Jpで配信中のエイリアン:ロムルスから執筆しました。
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