今まで数ある海中を描いた映像作品でダントツに一番な美しい海の表現
PVやサブタイトル「ウェイ・オブ・ウォーター」とあるように、海や水に対してのこだわりを感じました。そして今作を視聴して思っていた以上に美しく。これを観るだけで劇場に赴いたかいがありました。
前作のアバターは惑星パンドラの森林地帯がメインになり、お生い茂る樹木の壮大さに目が奪われる表現でした。今作はパンドラの幻想的で美しい海の中に、まるで自分が美しい海に入った感覚に陥りました。海の表現だとアクアマンやブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバーの印象が強いです。ただ今作はこれらの作品の一つ上の作品でした。
特に海中で泳いだり海洋生物と絆を深めるシーンはダントツです。ドキュメント映像でみる海中を泳いでいるシーンを見ることがあり、こういった実際に撮影された海中シーンを最新の映像で表現されていることに驚愕しました。
他にも海洋生物であるクジラっぽいものやクラゲっぽいが登場しており、今回の生物はドキュメント映像や水族館に行くと見たことがある動物だったので親近感がわきました。
2020年が始まり、新しい「映像革命」を体験したという気持ちになりました。
新しい家族と仲間の物語
今作では前作の主人公ジェイクとネイティリとの間に3人の子供と、キリやスパイダー養子を含めて5人子供と過ごし本当に新しい物語が始まった感じました。
そして今作は人間ドラマな気がしました。父親になったジェイクが父親としていかに家族を守るかとサリー家の次男であるロアクが父親に認めてもらうために突っ走ってしまう。これはサリー家にかぎらず敵味方問わずと思われます。今作でアバターとしてアバターとして復活したクオリッチ大佐もです。
ただこれを終始ジェイクが「父親とは家族を守るべきものである」とまるで「父親はこうあるべき」と呪縛のようにつぶやいています。これが未熟な父親といった感じで貫禄や落ち着きなどが感じられなく子どもや母親であるネイティリに対して八つ当たりをする父親でしかなかった気がします。
正直古い欧米的な価値観
驚いたのは人間側で登場する役者が白人の役者ばかりだったこと。アバターは20世紀スタジオ制作であり、20世紀スタジオはディズニーに買収されたのでディズニーの意向が出ていないようでした。
ディズニーを見ているとこれまで主人公を白人の方から別の人種の役者を起用していると思われます。そんなディズニーに買収された20世紀スタジオの作品が、白人の役者のみ(一部他の人種の方もいたかな?)だったのは意外であり驚きでした。
そして反捕鯨は噂どおりです。これははっきりいって油しか取らずほかを捨てている古いアメリカ式捕鯨を今でもやっているからやめさせたいとしか感じられない。
アメリカ式捕鯨は油とヒゲ以外はほとんど海に投棄
情報紙「有鄰」445号|出版物|有隣堂
威厳ある父親による家父長制、白人至上主義、反捕鯨。映像は最新であり新しい体験ができますが、大本のストーリーは昔ながらの欧米的なモノの考え方を感じます。