ピンクが映える夢の国から飛び出したバービーが現実世界で見つけたものとは? – バービー

1か月 ago

3.5

人形遊びは日本だと「リカちゃん」人形が強いイメージで、アメリカだとバービー人形であり、そんな人形遊びをただ実写化した本作は単にエンタメの映画ではなく、女らしさと男らしさというジェンダーをテーマにした作品となっていました。 男女ともに社会への必要性や、自分は何者なのかを考える大切さが伝わってきました。

原題
Barbie
公式サイト
https://wwws.warnerbros.co.jp/barbie/
監督
登場人物
バービー

Actor: マーゴット・ロビー

バービーランドに住むブロンドで細身の典型的なバービー。

ケン

Actor: ライアン・ゴズリング

バービーランドに住むブロンドで腹筋の割れたバービーのボーイフレンドの典型的なケン。

ケン

Actor: シム・リウ

典型的なバービーにアプローチをかけているアジア系のケン。

グロリア

Actor: アメリカ・フェレーラ

サーシャの母親。実は仕事のストレス解消のため娘のバービー人形で遊んでいた。

サーシャ

Actor: アリアナ・グリーンブラット

バービーの持ち主にあたる現実世界の10代の少女で、人形遊びを卒業している。

配給会社

ここがおすすめ!

  • ピンクに映えるファッションとドールの可愛い世界観
  • 女らしさや男らしさを考えさせられるフェミニズムメッセージ
  • 笑いと感動のコメディエンターテイメントしても楽しい

あらすじ

すべてが完璧で今日も明日も明後日も《夢》のような毎日が続くバービーランド! バービーとボーイフレンド? のケンが連日繰り広げるのはパーティー、ドライブ、サーフィン。しかし、ある日突然バービーの身体に異変が! 原因を探るために人間の世界へ行く2人。しかし、そこはバービーランドとはすべて勝手が違う現実の世界、行く先々で大騒動を巻き起こすことに─?!

ワーナーブラザーズジャパン

今回執筆しました映画「バービー」は、数十年にわたり世界中で愛されてきたマテル社のファッションドール・Barbie(バービー)を実写化したコメディアドベンチャー作品です。なお今回筆者は男性であるため、一部女性からみた視点を取り入れております。

映画「バービー」は、バービー人形という単なる着せ替え人形のアドベンチャー映画ではなく、現代のジェンダー問題やフェミニズムのメッセージを散りばめられております。そんな作品の主演をバービー役はマーゴット・ロビー、ケン役はスター、ライアン・ゴズリングが演じています。主にバービーとケンがピンクに映える理想郷「バービーランド」から現実世界へと飛び出し、大騒ぎを巻き起こすというのが主なストーリーとなっています。

可愛くてコミカルな世界にワクワクが止まらない一方で、ジェンダー問題や多様性といったフェミニズムのメッセージを散りばめた、時に考えさせられる、家族みんなで楽しめるエンターテインメントです。

本作に登場するバービー人形たち(一部を抜粋)

今回の実写のキャストはこちら

ピンクに映える夢の国「バービーランド」から現実世界へ

本作の舞台であるバービーランドは、バービー達が多様な職業に就いている夢の国です。裁判官、宇宙飛行士、大統領など、さまざまなキャリアで職に就くバービーたちが暮らす社会は女性が圧倒的に優位となっています。そして毎日がパーティーで、悩みといえば「今日のドレスは何にしよう?」といった些細なものです。

そんなある日、主人公である定番型バービーは完璧であるはずの自分に違和感を覚え「死」を考えるようになります。これをきっかけに、ボーイフレンドのケンとともにバービーランドの外に広がる人間が暮らす現実世界へ足を踏み入れることになったのです。

そしてバービーとケンがたどり着いた現実世界は、バービーランドとはまったく違う異世界です。目の前に広がる現実世界は男性が優位な社会であり、さらにバービーが抱いた「死」への恐怖や不安も日常の問題として身近にあるのです。

特にバービーがショックを受けたのはジェンダーの不平等や社会的な期待による役割分担です。女性であることによる不快な体験や偏見によって、自分の存在意義に疑問を抱き始めます。

一方、バービーのアクセサリー扱いだった男性であるケンにとって、現実社会の堂々と自信に満ちた男性を目の当たりにしたことで自己肯定感を高めるきっかけとなります。現代のジェンダー問題をコミカルに浮き彫りにした展開に思わず笑ってしまいました。

AIで作成したイメージ画像

ケンが感じていた苦悩と男性らしさの再定義

ライアン・ゴズリングが演じるケンは、ステレオタイプとされる金髪で筋肉質なイケメンです。

ライアン・ゴズリングは力強さをコミカルにアピールしながらも、感情的な脆さや繊細さをうまく演じています。バービーランドにいたケンは、自身の男性らしさに不安を抱き、「このままで良いのか?」という葛藤に苦しんでいました。単なるバービーのオマケのように扱われ、自分のアイデンティティを確立することができずに悩んでいました。

しかしながら現実世界では男性が優位な社会構造です。現実世界での経験を通じてケンは自分自身の存在価値や「男性らしさ」について、新しい価値観を得ます。ケンは自分自身が重要な存在のように扱われたことが新鮮であり、今まで感じることのなかった自信と優越感を味わうことになります。彼は現実世界の力強く堂々とした男性像に憧れ、バービーランドに「現代社会の男性らしさ」を持ち帰ります。結果、ケンは本当の自分がわからないまま新しい社会が期待する男性らしさにまた苦悩するのです。

なんとも皮肉な展開が笑えますが、男性の内面に秘めた葛藤や不安が切なく表現されており複雑な気持ちになります。

また、作中に登場する「I am Kenough」(ケンで十分だ)というフレーズは、「I am enough」(私は十分だ)とケンの名前を掛け合わせた造語です。つまり、自分を無理に他者の期待に合わせるのではなく等身大の自分を受け入れること。彼がようやく「そのままの自分で十分である」ことに気づいたという演出にユーモアのセンスを感じました。

バービーが見つけた「本当の完璧」とは?

映画「バービー」は、自分探しと成長の物語でもあります。

バービーランドでの生活が完璧だと当たり前に感じていた彼女は、現実世界で出会った女性たちの生き方や悩みに触れ、自分が思い込んでいた「完璧」に疑問を感じて人間が暮らす現実社会へ飛び出すわけです。

人間社会における多様な生き方や価値観、女性が抱える現実の問題に直面したとき、彼女は変わらない完璧な自分への執着を手放し、不完全さを受け入れて生きていきたいと願うようになります。そして、ありのままの自分を肯定することが本当の完璧であるという結論に至ったのです。

グレタ・ガーウィグ監督の映画『バービー』は、単なるコメディやアドベンチャーを楽しむだけでなく、ジェンダー平等や多様性などフェミニズムのメッセージが含まれた社会派作品でした。バービーとケンの自分探しや成長の物語であり、彼らが最終的に見つけた「完璧」とは、外見や社会的な期待に縛られることなく、ありのままの自分自身を受け入れることの大切さを示しています。バービー人形のピンクの箱にも印刷された「You can be anything」(あなたは何にでもなれる)というメッセージにつながる素敵な作品です。

AIで作成したイメージ画像

各サイトのレビューサイトのスコア

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このページではNetflix Jpで配信中のバービーから執筆しました。

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Netflix Jp バービー

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