前作のブラック・パンサーから5年たち、まちにまった続編。新しいブラック・パンサーが誕生し、そのヒーローが過去を克服し進む道を見つける物語です。
- 原題
- Black Panther: Wakanda Forever
- 公式サイト
- https://marvel.disney.co.jp/movie/blackpanther-wf
- 上映日・配信日
- 2022年11月11日
- 監督
- 登場人物
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- シュリ / ブラックパンサー
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Actor: レティーシャ・ライト
ティ・チャラ / ブラックパンサーの妹で、ワカンダ王国の王女でありヴィブラニウム工学の天才科学者・発明家でもある。
- オコエ
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Actor: レティーシャ・ライト
ワカンダの国王親衛隊“ドーラ・ミラージュ”の隊長を務める戦士にして、ティ・チャラのボディガード。彼女もティ・チャラやナキアの幼馴染みでもある。
- エヴェレット・K・ロス
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Actor: レティーシャ・ライト
元アメリカ空軍パイロットにして、かつてアベンジャーズの内乱で対テロ共同対策本部の副司令官を務めていたCIA捜査官。前作のワカンダ国内で起きた内乱では、ティ・チャラ達と共闘した。
- 配給会社
- 制作会社
ここがおすすめ!
- 前作主人公を演じるチャドウィックの喪失
- 新しい主人公へブラックパンサーが誕生するまで
- 故人を思う気持ちの整理
あらすじ
偉大な王であり、守護者であるティ・チャラを失ったワカンダ王国。悲しみに打ちひしがれる中、謎の海底王国タロカンからの脅威が迫る…。ワカンダと世界を揺るがす危機に、残された者たちはどう立ち向かうのか。そして、新たな希望となるブラックパンサーを受け継ぐ者は誰なのか…。
公式サイトより抜粋
ブラックパンサーは2016年のシビル・ウォーで初登場し、単独映画だと2018年ブラック・パンサーがあります。それから5年経ち公開された今作ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー。
チャドウィックの喪失
ブラック・パンサーといえばチャドウィックの訃報は欠かすことができません。2020年にガンで死去してしまいました。今作の予告が公開されたときはブラックパンサーというヒーローはどうなるのか?この気持ちは次回作への期待からくるワクワク感というよりも、主演をどうなるのかという不安な気持ちがありました。
チャドウィックの代役を立てるのか?それとも新しいブラックパンサーが誕生するのか?
結果は後者の新しいブラックパンサーの誕生でした。
前王ティ・チャラを亡くしたワカンダ
今作はチャドウィックの死をそのまま映画に引き継ぎでいます。その死から始まります。ですので今作は鎮魂から始まり重々しいです。前作のブラックパンサーのキャラクターが登場し、それぞれ前王ティ・チャラ / ブラックパンサーの死をいたみます。
ティ・チャラの死から1年たち命日を迎えたティ・チャラの妹シュリは、母のラモンダに連れられて、夜の焚火のもとへ。ティ・チャラの死からシュリは立ち直れないでいます。そんなシュリを見かねて、母ラモンダは、シュリに対して喪服を燃やして次の一歩を踏み出すべきだと諭されます。しかしながらシュリにはそれができません。
「喪服じゃなくて世界を燃やしたい」
これがシュリの気持ちでした。
新しい世界と新しいキャラの登場
世界は国連でワカンダに対してヴィブラニウム鉱石を独占していることを他の国々から責められます。その要望に対し女王ラモンダはヴィブラニウムを他国に渡せば危険な結末が待っていることを警告し、引き渡しません。実際にヴィブラニウム鉱石施設を強襲して、奪おうとした傭兵集団をワカンダは国連で引き渡しします。
そんな世界情勢の中、とある海洋の地点にてヴィブラニウムが採掘できる可能性に賭け調査を行っていました。海底にてダイバーがヴィブラニウム探知機はそれらしきものを探りあてていたようです。
しかし謎の青い肌をした人物に襲われてしまいます。
それは海の王国タロカンの兵士でありました。タロカンの王であるククルカンはもしくはネイモアはワカンダを訪れシュリと接触します。ククルカンは海洋調査船を襲った理由としてヴィブラニウム鉱石を調査することは自国であるタロカンが脅威になるからだと説明します。そこで驚異となる科学者を探し出して連れてこいとシュリに命じます。
MCUのこれまでの敵キャラクターで海洋からは登場したことがないのでこれは新鮮でした。(DCならアクアマンがあります。)
新しい仲間
ヴィブラニウムを発見する方法を開発した科学者は、ワカンダにとっても驚異となると思いシュリは探しにいきます。護衛としてオコエも同行します。
科学者はあっさり見つかり、ここでの科学者は黒人の女子大学生で天才発明家のリリ(ドミニク・ソーン)。ブラックパンサーはやっぱり黒人の役者の方々で一貫しています。リリは次回からトニー・スタークのような立ち位置を引き継ぐのかもしれません。ただ天才発明家シュリとかぶるのであまりとんがっていない雰囲気です。
ここのリリとの出会いは、オコエがわりとユーモアたっぷりのコミカルなキャラを出しています。オコエは基本真面目な性格なので、それが空転しているところが観ていてあきません。
新生ブラックパンサーの誕生とシュリの決断
今作の主人公はシュリです。そして今作はシュリがいかに兄のティ・チャラからブラックパンサーを引き継ぐかをテーマにしています。ただシュリは存在意義を持てないでいます。シュリを演じているのはレティーシャ・ライトであり、彼女の悲しみから立ち直れず潰されそうになっている表情が本編開始からずっと突きつけられて辛いです。これは観ている観客としてもチャドウィック・ボーズマンを喪失した苦しさと一体であり、この気持ちは身近な人物を喪失した気持ちを思い起こさせます。
そんな今作の主人公であるシュリは、ククルカンにより母を失います。ここでブラックパンサーになる覚悟を決めます。そして前作のブラックパンサーのシーンと同様にハーブを飲みます(ハーブが作れないのが問題だったが、ククルカンとの接触により解決します)。
ハーブを飲むと美しいアフリカの自然を背景に祖先と出会うことになるのですが、出会ったのはなんとキルモンガー!。つまりシュリが引き継いだのはティ・チャラではなくキルモンガーの憎しみと復讐心だったのです。このままでいいのかとエムバクに諭されます(見た目は脳筋キャラなのですが良いいキャラです)。
思うと復讐に取り憑かれるのは「シビル・ウォー キャプテン・アメリカ」だと父を失ったティ・チャラがであり、「ブラックパンサー」だと父を殺害されたキルモンガーであると思いました。
しかしながらシュリは最後の最後で復讐に手を染めません。この流れはブラックパンサーという作品シリーズで一貫したテーマかもしれません。そしてシュリはブラックパンサーを引き継ぎ、冒頭で燃やせなかったティ・チャラの喪服を燃やすことができました。
今作とこれからにむけて
今作はやはりティ・チャラを演じるチャドウィックという故人を忘れず神格化しすぎず、またエンターテイメントに利用もせず、残された者たちがいかに立ち上がり未来へ進むかをあてるという新しいMCUだと思いました。
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ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバーを執筆しました。
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