音が聞こえる漫画を映像化し、「音楽を映像で表現する」をアニメーションでジャズのパワーと演奏シーンを熱い映像を視聴者に届けてくれました。
- 原題
- BLUE GIANT
- 公式サイト
- https://bluegiant-movie.jp/
- 監督
- 登場人物
- 配給会社
ここがおすすめ!
- ライブシーンがとにかくすごいの一言につきる!
- ジャズにかける3人の若者たちの熱い情熱。
- ヒューマンドラマとしてもいい作品。
あらすじ
「オレは世界一のジャズプレイヤーになる。」 ジャズに魅了され、テナーサックスを始めた仙台の高校生・宮本大(ミヤモトダイ)。 雨の日も風の日も、毎日たったひとりで何年も、河原でテナーサックスを吹き続けてきた。
公式サイト
石塚真一原作の人気漫画を映画化、音楽は世界的に活躍しているジャズピアニスト上原ひとみ氏が手がけています。
ストーリは世界一のジャズプレイヤーを目指す主人公である宮本 大が上京し、トリオを組み日本最高峰のライブハウス「So Blue」での演奏を目指す物語です。ジャズプレイヤーとしての3人の若者が目標に向かって挑戦するバンド物としての一面もあり、演奏シーンも非常に多くジャズという音楽ジャンルに真っ向から挑む熱い姿を応援したくなる作品でした。
演奏シーンの激しさと楽曲の良さには思わず魅入ってしまいます。大をはじめとした3人の若者が情熱とひたむきさに思わず胸が熱くなる。劇中のライブシーンは圧巻で、ジャズに興味が無くても楽しめる作品となってます。
「音が聞こえてくる漫画」と言われた原作
ビッグコミックで連載され、2023年4月時点でシリーズ累計部数は1100万を超えるヒット作です。人間ドラマもさることながら演奏描写が素晴らしく「音が聞こえてくる漫画」と称されています。そんな原作をアニメーション映像化するにあたり高いハードルを見事に乗り越え、原作ファンが見ても満足できる内容と言えるでしょう。
公開されているLIVEシーンを見るだけでも非常にクオリティが高く、満足できるものになっています。
また、アニメ映画ということで声優に関しても気になる人もいるかもしれません。今回JASSの声を担当した山田裕貴、間宮祥太朗、岡山天音は見事に演じており作品を盛り上げています。
ジャズという敷居が高く取っつきづらい印象があるジャンルをカッコよく描いているので、ヘッドホンやスピーカーを用意して少しでもいい環境で映画を観賞してほしい作品です。
原作のエッセンスを上手く抽出したストーリー
本作では原作の10巻までの内容を纏めたものになっており、ポイントとなるシーンを上手く繋ぎ合わせ纏めています。大がどのような人間でサックスに向き合っているのかを描いていた故郷仙台編をカットしていますが、圧倒的なサックスや練習、回想シーンなどで恐ろしい情熱と強さを持ったキャラであることを説明できています。
それぞれ目的や信念が違う3人を主軸に置いた群像劇になっており、どちらかというスポ根的な非常に熱い内容のストーリーになっています。演奏シーンが多めで説明や進行に使える時間は限られていますが、テンポよく進んでいき、クライマックスまでの展開も胸を打ちます。
非常に個人的な感想になってしまいますが、単行本の巻末についているボーナストラック風に師匠の由井が過去の大を語るシーンは原作ファンの私にとって嬉しいシーンでした。
三者三様の人間ドラマ
JASSの三人が織りなすそれぞれのドラマが作品に深みを与えてくれています。故郷から飛び出し他者が圧倒するほどの情熱で突き進んでいく大、幼少期からピアノを始め、卓越した技術を持つ雪祈、大の同級生で未経験からジャズの世界に飛び込む玉田。
この三人のストーリーはそれぞれの魅力があります。雪祈は非凡な才能を持っているが壁にぶつかり、それを超えようともがいており、華やかなルックスと雰囲気とのギャップが素晴らしいです。華やかなキャンパスライフを描きながらうまくいかず、大の情熱に魅せられ、必死に追いつこうとする玉田には頑張れ、負けるなと思わずはいられません。
そして、その二人に影響を与え、狂気にも思えるような情熱でジャズに向き合う大。この組み合わせが相乗効果を生んでおり、魅力的な群像劇を作っています。
JASSの練習場所として経営するジャズバーを貸すアキコ、日本最高峰のライブハウス支配人の平などサブキャストも物語によいアクセントを加えていて、音楽映画としてだけでなく、ヒューマンドラマとしても素晴らしい作品です。
こだわりの楽曲制作
楽曲制作は数々の音楽賞を受賞し、世界的な評価を得ているジャスピアニスト上原ひとみが行っています。作中に登場するオリジナル曲は素晴らしいものになっています。
雪祈の演奏も行っており、録音する際には玉田を気にかけている様子をイメージしながらピアノを弾いたそうです。大のサックスを担当した馬場智章も普段の演奏スタイルではなく大のように100%出し切る演奏を意識していて、上手すぎて大っぽないとダメ出しもされるなど細部にこだわっていたようです。
また、作中に流れる実在楽曲も印象的に使われていて、玉田との橋の下で行った練習で使われたパッヘルベルのカノンはジャズでこんな風にカッコよくなるんだと驚きました。
玉田の「ジャズってなんかいいな」というセリフにも非常に説得力があり、一気にジャズとの距離感が縮まりました。
演奏シーンのCGは好みわかれるかもしれません
演奏シーンはモーションキャプチャを使用して演奏者の動きをCGにしています。立川譲監督は原作者の石塚真一氏から、「PVにはならないでほしい」とリクエストされたと語っています。
そのリクエスト通り、ただ演奏している3人を描くのではなく、ピアノやサックスが歪み、崩れ、鮮やかに彩られるアニメ的な演出とダイナミックなカメラワークと素晴らしい楽曲が合わさることで圧巻の演奏シーンになっています。
ただ、通常シーンは2Dで演奏シーンのみCGに切り替わるのですが、少し角ばったCGで最初のうちは戸惑ってしまう方も多いでしょう。
しかし、映画が進むにつれ慣れていき最後にはCGに対する違和感は無くなります。検索サジェストやレビューサイトなどで指摘されているCGですが、それを理由に見ないのはもったいない作品だと感じます。
音楽映画として満足できる作品
本作は非常に本格的な音楽映画になっており、3人の群像劇と演奏シーンで満足度が高い作品です。ひたむきに音楽に向き合い、挑戦し続ける姿を見ていると自分もなにかをやらなくてはと胸を熱くさせてくれる熱いメッセージをもらえます。
映画ではないのですが、「ピアノマン: 『BLUE GIANT』雪祈の物語」という小説も発売されており、漫画、映画とは違った視点でBLUE GIANTを描いています。気になった人はサウンドトラックを聞きながら読んでみるのがおすすめです。
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このページではU-NEXTで配信中のBLUE GIANTから執筆しました。
U-NEXTで配信されている「BLUE GIANT」のあらすじ、感想、評価を紹介しました。気になる方は、ぜひ下記URLのU-NEXTからチェックしてみてください!
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