女性に勇気を与えるヒーロー – キャプテン・マーベル

3日 ago

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映画『キャプテン・マーベル』は、MCU初の女性単独主人公作品であり、キャロル・ダンヴァースのオリジンやアベンジャーズ結成の背景を描いています。公開前からの批判やジェンダー平等への問いかけがあり、MCUにおける女性描写の重要な一歩を示しています。

原題
Captain Marvel
公式サイト
https://marvel.disney.co.jp/movie/captain-marvel
監督
登場人物
キャロル・ダンヴァース / キャプテン・マーベル

Actor: ブリー・ラーソン

本作の主人公。クリー帝国の特殊部隊「タスクフォース」の見習い隊員。記憶を喪失している。地球に不時着したことをきっかけに、自身のルーツについて知ることとなる。

ニック・フューリー

Actor: サミュエル・L・ジャクソン

S.H.I.E.L.D.のエージェントで、後に長官となりアベンジャーズを集結させる人物。トレードマークのアイパッチをする前の、フューリーが描かれている。

タロス

Actor: ベン・メンデルソーン

スクラル人の将軍。クリー人とは敵対しており、戦勝状態にある。戦争を終わらせるために、地球に侵入し、暗躍している。変身能力を持っている。

マリア・ランボー

Actor: ラシャーナ・リンチ

キャロルとアメリカ空軍時代に同期だったパイロット仲間で、親友。キャロルの過去を知る人物で、彼女が記憶を取り戻す手助けをする。モニカという名前の娘がいる。

ヨン・ロッグ

Actor: ジュード・ロウ

クリー帝国において、国民から英雄と慕われている、スターフォースの太陽。キャロルの師匠的な存在で、彼女に戦闘技術を教え込んだ。実は、彼女の過去と記憶に深くかかわっていた。

配給会社

ここがおすすめ!

  • MCU初の女性単独主演作品
  • アベンジャーズ結成につながる物語
  • キャプテン・マーベルが問う真の正義とは

あらすじ

過去の“記憶”を失い、その代償として強大な力を得た戦士ヴァース。彼女の過去に隠された“秘密”が、恐るべき戦いの引き金となってしまう。自在に姿を変える正体不明の敵に狙われ、孤独や不安に打ちのめされても、彼女は不屈の精神で何度も立ち上がる。果たして彼女は記憶を取り戻し、この戦いを終わらせることができるのか?そして、最後につかむ“衝撃の真実”とは…?

公式ウェブサイト

アメリカのマーベル社が発行するコミックスを原作とした実写シリーズのマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)は、しばしば議論されるのが、女性キャラクターの扱いではないでしょうか。その最も分かりやすい例が、女性単独主人公の不在でしょう。2020年以降だと「ブラック・ウィドウ」や「ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー」などがあります。そんな女性を主人公に据えたヒーロー映画『キャプテン・マーベル』が2019年に公開された。

MCU初、待望の女性単独主演作

映画『キャプテン・マーベル』は前述に述べた通り、MCU初の女性単独主人公の映画です。主人公は、キャプテン・マーベルことキャロル・ダンヴァースです。もともとは地球人でしたが、ある出来事をきっかけに超人的な能力を得たのちに記憶を失い、クリー帝国の見習い隊員となっていました。演じるのは、アカデミー賞で主演女優賞を獲得したことのある、ブリー・ラーソンでした。

MCUにおける女性キャラクターの少なさ、そして単一的な女性の描かれ方は、しばしば議論に上がっていました。ジェンダー平等のためにしばしば声を上げるラーソンの起用は、時代の流れを考えれば自然だったといえるでしょう。しかしながら、本作は残念ながら公開前から異常なバッシングに遭い、人々が正当な評価をすることが不可能な状態にまで追い込まれるなど、大きな波乱を呼びました。特に問題となったのが、映画サイトでの荒らし投稿で、運営側も対策に頭を悩ませていました。この事態は、MCUが始まってから11年たってもなお、女性単独主人公作品を受け入れられないファン層の問題点を浮き彫りにする出来事となりました。

アベンジャーズ結成につながる物語

映画『キャプテン・マーベル』は、そのタイトルからキャプテン・マーベルのオリジンを探る物語であると考える人が多いでしょう。実際にどうしてキャロルがキャプテン・マーベルのか、の過程が描かれているため、この推測は間違っていません。しかしそれだけではなく、本作は「なぜアベンジャーズが必要なのか」を説明する映画としても機能しています。それは本作の多くの時間が、後にS.H.I.E.L.D.長官として活躍することになるニック・フューリーのオリジンに迫る作品でもあるからです。

アベンジャーズは、フューリー肝いりのプロジェクトでした。最初のアベンジャーとされていたのは、キャプテン・アメリカです。しかしながら、本作ではアベンジャーズという名前そのものを含め、キャプテン・マーベルこそがその起源であることが明かされます。彼女こそがフューリーが初めて目撃した本物のヒーローだったからです。宇宙の脅威から地球を守る、というアベンジャーズのコンセプトは少々とっぴな発想にも思えましたが、宇宙と地球の懸け橋的な存在であるキャプテン・マーベルを起源とすることで、より説得力のある計画になりました。キャプテン・マーベルという新たなヒーローの新たな物語を語ると同時に、MCUとしてこれまで語られてきたストーリーを補強するという、大きなサーガの一作としてもきちんと機能する映画に仕上がっているといえるのではないでしょうか。

キャプテン・マーベルが問いかける真の正義

映画『キャプテン・マーベル』では、正義の揺らぎが一つのテーマとして描かれています。これは、MCUのインフィニティ・サーガを通して、特にフェーズ3で色濃く問いかけられ続けているテーマでしょう。自分の信じる正義とは、いったい何なのか。自分が信じてきたものは、本当に正しいのか。自分はいったい何者なのか、自分の記憶とは本当に正しいのか。そんなキャロルの問いかけと悩みは、多くの人が共感したり、物事を考え直したりするきっかけになるのではないでしょうか。困難に直面するたびに何度も立ち上がる彼女の姿は、人々に勇気を与えたに違いありません。

それと同時に、MCU自体に問いかけられるのは、本作を製作することでMCUにおける女性描写に関する問題が解決するのか、という点です。監督や脚本、主演に女性を起用し、国際女性デーに映画を公開すれば、それですべてが解決するのでしょうか。単純に、それまで男性に割り当てられていた役割に、女性を起用した作品を1本作るだけで、良いのでしょうか。キャプテン・マーベル自体、原作ではもともと男性だったキャラクターが途中から女性キャラクターへと変更され、その内容が差別的だという考えからさらに設定が変更された、という経緯のあるキャラクターです。本作ではそれを生かしきれたのでしょうか。本作ではキャプテン・マーベルに焦点は当たっているものの、フューリーに割かれた時間も多く、本作のヴィランも男性かつキャプテン・マーベルの救済対象もほとんどが男性でした。おそらく、ジェンダー平等を目指して正しいと感じて製作したはずの本作ですが、そこにもまた疑問を突き付けた一作のようにも感じました。後に公開されたMCU映画『ブラック・ウィドウ』との性格の違いなども同時に考えると、より興味深い作品だな、と感じました。

まとめ

映画『キャプテン・マーベル』は、MCU初の女性単独主人公作品です。公開前から場外乱闘も相次ぐなど、多くの話題を呼んだ本作ですが、新たなキャラクターについて知ることができるだけでなく、MCUのメインでもあるアベンジャーズのオリジンについても、より詳しく知られる作品です。そして描かれているのは、MCU、特にフェーズ3で共通して問いかけられる、普遍的なテーマです。さまざまな議論のある本作ですが、ぜひ自分の目で見て、評価をしていただきたい一作です。

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