2008年にMCUの始まりでもある「アイアンマン」が公開され、そして「私がアイアンマンだ!(I am Iron Man)」と衝撃のちヒーローとなったトニー・スターク。
その後の彼の物語は、一体どうなっていくのか?単なる続編ではない、MCUの壮大な物語へと繋がる重要な役割を担う本作の魅力について執筆しました。
ヒーローの「光」から「影」へ、そして「成長」へ
前作「アイアンマン(2008)」がトニー・スタークという男が「アイアンマン」というヒーローになるまでの物語だったとすれば、続編である『アイアンマン2』は、その「ヒーローとしての責任と苦悩」に焦点を当てた作品と言えるでしょう。
前作ではトニーは自らの才能と富から誘拐され捕まってしまいます。そして自分が生み出した武器が富を生み出しながら殺戮に手を貸していたことに責任感を持ちヒーローとしての一歩を踏み出しました。しかし、本作ではその代償として、パラジウムの毒素に蝕まれる肉体、政府からの圧力という現実に直面します。彼の派手な生活の裏にある脆さや孤独が、より深く描かれることで、トニーというキャラクターに人間的な深みが加わったと感じます。
これは、単なるパワーアップや敵との戦いだけでなく、ヒーローの内面的な葛藤を描くという点で、MCUの今後の方向性を示唆する重要な転換点だったのではないでしょうか。

アベンジャーズへの決定的な布石:MCUの広がりを感じる重要作
『アイアンマン2』は、まさに「アベンジャーズ計画」への決定的な布石が敷かれた作品です。2012年にアベンジャーズが公開され、MUCのヒーローが集結しますが、本作がいかにMCU全体の物語に深く関わっているかがよくわかります。

それはまず、S.H.I.E.L.D.の本格的な登場と、ニック・フューリーの暗躍があります。ニック・ヒューリーはトニーを監視し、彼の才能を「アベンジャーズ計画」に組み込もうと画策します。自宅に現れるフューリーとのやり取りや、彼らがトニーの父ハワード・スタークの研究にまで言及するシーンは、世界がトニーの想像以上に広がり、彼がその中心にいることを示唆しています。

そして、トニーが父の遺品から新しい元素を発見するシーンは、彼の技術力が今後のMCUの展開に不可欠であることを強く示しています。これらの要素が積み重なることで、単独ヒーロー映画の枠を超え、複数のヒーローが共闘する「アベンジャーズ」への期待感を高めてくれました。
新しい味方との関係性:ブラック・ウィドウとウォーマシン
本作でトニーの周りに現れる新しい味方との関係性も、見逃せないポイントです。
クールでミステリアス!ブラック・ウィドウとの出会い
ナターシャ・ロマノフ、通称ブラック・ウィドウの初登場します。最初はトニーの新しい秘書「ナタリー・ラッシュマン」として登場し、その美貌と聡明さでトニーを翻弄します。初登シーンでのスパーリングは息を飲みました。そして彼女の正体がS.H.I.E.L.D.のエージェントであり、驚異的な身体能力と戦闘技術を持つ一流のスパイであることが判明します。

彼女の登場は、単にトニーを助けるだけでなく、S.H.I.E.L.D.が持つ情報力や、多様な能力を持つエージェントたちの存在をMCUに持ち込み、今後の物語の広がりを強く示唆しています。クールで、どこか影のある彼女の存在は、アベンジャーズの多様なキャラクター像を形成する上で、非常に重要なピースとなりました。
親友であり戦友へ!ウォーマシンとの絆
そして、トニーの長年の親友であるジェームズ・”ローディ”・ローズが、ついにウォーマシンとして覚醒するのも本作の大きな見どころです。前作でもトニーの良き理解者であり、時に苦言を呈する存在でしたが、本作ではトニーの無軌道な行動に業を煮やし、遂にはスーツを強奪するという一幕も。
しかし、この衝突があったからこそ、二人の友情はより強固なものへと変化します。クライマックスでウォーマシンとしてトニーと共闘するシーンは、まさにファン待望の瞬間!単なる「親友」から「戦友」へと昇華した彼らの関係性は、アベンジャーズにおけるヒーロー同士の信頼と連携の重要性を示しています。トニーが一人で抱え込みがちな重責を、ローディが分かち合う姿は、今後のアベンジャーズにおけるチームワークの礎となる描写だったと言えるでしょう。

迫力満点のアクションとSFX!
アイアンマンに限らずMCUシリーズの醍醐味といえば、やはりド派手なアクションでしょう。前作『アイアンマン』のバトルが、トニーがスーツの能力を初めて発揮し、その圧倒的なパワーで敵を制圧する「力強さ」に焦点が当てられていたのに対し、本作ではさらに進化し、「戦術的な多様性」と「共闘の醍醐味」が加わっています。
ウィップラッシュとの初戦となるモナコのカーレースでのバトルは、まさかのビジネスバックがスーツになるというガジェットとしても驚きでした。またバトルだけではなく高速で展開されるカーチェイスと、鞭を振るうウィップラッシュの攻撃は、アクション映画としても観ていて楽しいものでした。
そして、クライマックスのウォーマシンとの共闘シーンは、興奮必至です!2体のアーマーが縦横無尽に飛び回り、敵をなぎ倒していく様は、まさに爽快の一言!このツインヒーローによる連携攻撃は、前作ではアイアンマン一人のみの戦いでは見られず、この連携プレイにヒーローが集結しお互いの連携が楽しめるアベンジャーズを予感シーンでした。
まとめ:ヒーローの葛藤とアベンジャーズへの序曲
アイアンマン2は、前作でヒーローとなったトニー・スタークが光と影を描くMCU重要作です。パワードスーツの副作用や政府からの圧力に苦悩し、自身の死と向き合う彼の人間的成長が見られました。
また、ブラック・ウィドウとウォーマシンという魅力的な新味方が登場。トニーとの関係性を通じて、今後のアベンジャーズにおけるチームの絆と多様性の重要性を示唆します。
そしてS.H.I.E.L.D.の本格的な登場や「アベンジャーズ計画」への言及は、単独ヒーロー映画の枠を超え、壮大な物語への期待感を高める決定的な布石となっています。アクションとドラマが融合した、MCUファン必見の一本です。