CGをつかった映像美は圧巻です。前作の「クラウド アトラス」もそうでしたがCGは凄いんです。 ただどこかの批評家がコメントしていた「昨今のCG技術が映画をダメにしている」いろいろツッコミどころがあるコメントでしたが、これをみると納得してしまいます。
- 原題
- JUPITER ASCENDING
- 公式サイト
- https://warnerbros.co.jp/home_entertainment/detail.php?title_id=4511
- 上映日・配信日
- 2015年03月28日
- 監督
- 登場人物
-
- ジュピター・ジョーンズ
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Actor: チャニング・テイタム
シカゴで清掃員として働く女性。実は宇宙最大の王朝の王族だと知らされ王位を巡る継承権の争いに立ち向かいつつ、人類の危機に立ち向かう
- ケイン・ワイズ
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Actor: チャニング・テイタム
遠い星の遺伝子操作によって生まれた、身分は最下級だが戦いに勝つためだけに作られた究極の戦士。
- 配給会社
ここがおすすめ!
- 「マトリックス」の監督初の3D映像作品
- 迫力のあるアクション
- 宇宙空間の映像が綺麗
あらすじ
偉業を成し遂げる宿命を持つ星座に生まれたジュピターだが、現実は毎日ひたすら働いていた。ある日何者かに襲われ、突然現れた強靭な戦士に助けられたジュピターは、自分が宇宙最大の王朝の王族だと知らされる。王朝では今、3人の継承者たちが支配権を争っていた。彼らは亡き母と同じ遺伝子配列を持つジュピターが、生まれ変わりとして引き継ぐ地球を狙っていた。10万年前から支配してきた全人類を、今まさに滅ぼそうとしているのだ。ジュピターとケイン、身分違いのため決して結ばれない運命の2人が今、人類の危機に立ち向かう──!
【ワーナー公式】映画(ブルーレイ,DVD & 4K UHD/デジタル配信)|ジュピター
「マトリックス」シリーズで有名なウォシャウスキー姉弟による、2015年公開のオリジナルなSFアクション映画です。
ウォシャウスキー姉弟の監督作品史上、脚本・制作・制作総指揮までの全てを担当したのは本作が初めてであり、また同監督初の3D映像作品でもあります。
(余談ですが、ウォシャウスキー姉弟はこの映画公開後の2016年に、弟のアンディ・ウォシャウスキー(現在の名前はリリー・ウォシャウスキー)が性転換手術を行っているので、現在では「ウォシャウスキー”姉妹”」とメディアでは表記されています。この記事では、本作公開時点での性別で「ウォシャウスキー”姉弟”」と表記しています)
主演はチャニング・テイタム、ヒロインはミラ・クニスなど、豪華な俳優陣が本作を彩ります。そして本作はなんといっていも圧倒的な映像美と壮大なスケールが魅力でした。宇宙を舞台にした多彩な種族、壮麗な都市や宇宙船のデザインなど、ウォシャウスキーらしい視覚的インパクトが全編にわたって楽しめます。
どこにでもいるような普通の女性が、実は宇宙最大の王朝の末裔だった
本作の主なストーリーは、地球で平凡な日々を送っていた若い女性ジュピターが、ある日宇宙からやってきた遺伝子操作された戦士・ケインと出会うことで大きく動き出します。彼女は自分が実は宇宙最大の王族の末裔であり、広大な銀河における莫大な権力と遺産の継承者であることを知ります。そして、王位を狙う異星の兄弟たちによる陰謀と争いに巻き込まれ、命を狙われるようになります。
この物語は、「平凡だった主人公が自身の運命を知りやがて受け入れ、やがて世界(宇宙)を変える存在へと成長していく」という、王道の英雄譚の構造に則っていると思います。このような流れは、『スター・ウォーズ』におけるスカイウォーカー家の物語や、『デューン/砂の惑星』におけるポール・アトレイデスの運命と重なるものがあります。
さらに本作では、ジュピターとケインの出会いを通じた「ボーイ・ミーツ・ガール」的なロマンス要素も物語の核のひとつになっています。2人の関係は当初、任務や運命によって結びついたものでありながら、物語が進むにつれ、信頼と感情が芽生えていく様子が描かれます。この恋愛要素は、ジュピターが自分の運命と向き合うきっかけともなっており、単なるSFアクションだけでなく、感情的な厚みを加えています。
こうした要素から本作は、古典的な英雄神話とスペース・ロマンス、ビジュアル先行型のSFを融合させた“スペース・ファンタジーとして位置づけることができるでしょう。

SFアクションとしては迫力満点!
本作はなんと言ってもアクションシーンの圧巻の迫力と、映画全体を通しての映像美には目を見張るものがあります。この映像美のシーンはCG技術の粋を集めた超文明の星々、異星種族、巨大宇宙船といった、スペースオペラ的スケールで構築されたシーンで感じることができ、それらのシーンで登場する世界は圧巻であり、またアクション面でも空中戦は、ウォシャウスキー姉妹ならではの独創性を感じることができました。
これらの技術を凝縮した数々のシーンは『マトリックス』を監督したウォシャウスキー姉弟ならではのスタイリッシュなSF作品を再び生み出そうとした挑戦作のようにも思えました。
詰め込みすぎた設定と消化不良な展開
本作「ジュピター」はSFアクション映画としては大作だと思えます。しかしながら全体的にストーリー展開が雑という印象を受けました。主要な登場人物一人ひとりがそれぞれバックグラウンドを抱えているのに、それがあまり掘り下げられずに展開が次から次へと進んでいく。ストーリが進んでも話がせわしなく感情移入もしづらい。
ストーリーの中には「遺伝子による皇位継承」「宇宙規模の資本主義」「生命を商品として収穫する」などといった哲学的・社会的テーマがあります。しかしながらこれらのテーマが詰め込まれすぎており、とにかく説明不足であり展開の唐突さが多いため鑑賞していると混乱してしまいました。
色々な展開が詰め込まれすぎて消化しきれないうちに話が進んでいき、もう途中から「なぜ主人公は戦っているのか?」がわからなくなりました。

まとめ
映画「ジュピター」は視覚的な美しさや独創的な世界観が楽しめる作品であり、劇場公開の3Dで鑑賞したら、きっとド迫力のアクションシーンと、クオリティの高い宇宙空間の映像美が楽しめるんだろうとは感じましたし、それだけでも満足できそうなくらいに映像美はすごいです。
しかしながら物語の整合性やキャラクターの深みは少なかったです。ストーリーの深さやキャラクターの成長を重視する観客には物足りなさを感じさせるかもしれません。
このことによりSFの映像美を楽しいたいか重厚なストーリーを楽しみたいかの好みによって評価が大きく異なる作品といえそうです。視覚的なスペクタクルを楽しみたい方にはおすすめですが、ストーリーの深さやキャラクターの成長を重視する方には物足りなさを感じさせる作品となっていました。
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