大胆のアレンジをすると賛否が分かれるところだが、この作品はとてもよくできた作品だと思います。 大人の自分がみてもマレフィセントの生い立ちに共感めいたものを感じます。
- 原題
- Maleficent
- 公式サイト
- https://www.disney.co.jp/movie/maleficent
- 監督
- 登場人物
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- マレフィセント
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Actor: アンジェリーナ・ジョリー
『眠れる森の美女』のヴィランで本作の主人公。強い魔力を持った妖精だったが、ステファンの裏切りで冷たい心を持つ。オーロラ姫に呪いをかけたものの、その成長を見守る。
- オーロラ
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Actor: エル・ファニング
『眠れる森の美女』のヒロイン。王国のプリンセスでステファン王の娘。マレフィセントの呪いから守るべく、森の中にかくまわれて三人の妖精たちによって育てられている。
- ステファン王
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Actor: シャールト・コプリー
国王。平民出身だったものの、マレフィセントを裏切ったことで前王から後継者として指名された。マレフィセントの復讐に怯えながら暮らしている。
- ディアヴァル
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Actor: サム・ライリー
マレフィセントの忠実な手下で、もともとはカラスだったが彼女の魔法で様々な姿に変身できる。
- 配給会社
ここがおすすめ!
- アンジェリーナ・ジョリーの圧巻の演技
- 妖精の国・ムーアの映像美
- 『眠れる森の美女』ファンも納得の設定
あらすじ
邪悪な妖精マレフィセント なぜ彼女は“呪い”をかけたのか?誰も知らない「眠れる森の美女」が、いま目覚める。ある王国で、念願のロイヤル・ベビー、オーロラ姫の誕生を祝うパーティーが開かれ、招待客たちが見守る中、3人の妖精たちが次々に幸運の魔法をオーロラ姫にかけていく。「美しさを贈ります」「いつも幸せに包まれますように」…だが、3人目の妖精の番になった時、“招かれざる客”である邪悪な妖精マレフィセントが突如現れ、オーロラ姫に恐ろしい呪いをかけてしまう──「16歳の誕生日の日没までに、姫は永遠の眠りにつくだろう。
公式ウェブサイト
2014年に公開された映画『マレフィセント』は、ディズニーの人気アニメーション映画『眠れる森の美女』のリメイク作品であり実写映画作品となります。そしてなんと本作の主人公はプリンセスではなく「悪役の視点」から物語を描いています。ディズニー・ヴィランズの中でも人気なキャラクターであるマレフィセントを、ハリウッドの人気女優アンジェリーナ・ジョリーが演じました。題材とキャストという大きな話題性を持った本作は、製作発表時点や撮影中にも大きな注目を集めました。映画館で公開されると、予想通りの大ヒット作となり、後の続編も作られました。
マレフィセントの悲痛な叫び
マレフィセントのような悪魔や魔女を生み出すのは人間、そして人間そのものが悪なのだと説いています。人間によって裏切られた彼女の生い立ち初恋、初恋の人からの裏切り…。
裏切られ傷つけられ、悲しみと憎しみから、赤子に16歳になるとき復讐の呪いを掛ける。ただ呪いを成就させるためにも、赤子を無事成長してもらわなければならない。育てる妖精がダメなので、しかたなく赤子の成長を自分が見張ることになる。しかし見張っているうちにそれが「見守り」に変わり、純粋無垢な子が、閉ざされたマレフィセントの心に愛を吹き込んで行く。
そして心変わりし自分がかけた呪いを解こうとする。しかし呪いをとくことはできず己の過ちに苦悩する。そんな一人の女性が母になる物語として魅力的でした。
また本作で最も印象的だったのが、マレフィセントが羽根を失うシーンです。寝ている間に羽根を切り取られてしまったマレフィセントが、目を覚ましてそのことに気づいたシーンでのアンジェリーナ・ジョリーの演技はまさに圧巻としか言いようがありません。彼女の悲痛な叫び声は、今でも鮮明に思い出せるほどです。
私たち人には羽根がないため、羽根を失うことがその人にとってどのような意味を持つのか、想像するのは難しいと思います。けれども彼女の叫びからは、脚や腕など体の一部を切断しなければならない人、失った人々と同じ悲痛さを感じ、羽根が彼女の身体の一部であったことが観た人に強く印象付けられたと思います。この彼女の演技には、ユニセフの親善大使としてさまざまな医療機関を訪れている彼女の経験が生かされているのではないか、と感じさせられました。
映像美で魅せる妖精の国
『眠れる森の美女』を見ていると、杖を持っているし魔法も使えることから、マレフィセントは魔女なのではないか、と思った人も少なくないでしょう。私もその一人で、長らくマレフィセントは魔女だと勘違いしていました。けれどもマレフィセントは魔女ではなく、本当は「妖精」なんですよね。そのことにあまりピンと来ていなかったのですが、本作を観てマレフィセントは「妖精だ」と痛感させられました。映画の冒頭でその妖精の国をしっかりと描写したことは、マレフィセントを要請として印象付けるのに、最も適した方法だったと思います。
マレフィセントが暮らす妖精の国「ムーア」はその名前からは想像できないほどにカラフルで生命力にあふれる土地として描かれています。ムーアというと、ブロンテ姉妹の作品に登場するような、暗くて陰気な湿地帯、というイメージがあります。しかし、本作のムーアは湿地帯でありながらも明るくファンタジックな雰囲気にあふれていました。それを可能にしたのが、素晴らしいVFXの技術です。本作でメガホンを取ったロバート・ストロンバーグ監督は、数々のファンタジー映画で美術監督を務めており、ファンタジーの世界観を映像化することに非常に長けています。その技術が惜しみなく本作にも投入されていることが分かります。ムーアの自然と物語の絶妙な調和は、見ごたえ抜群でした。
『眠れる森の美女』を見ているとより楽しめる
手作業にこだわって作られた、本作の原作映画『眠れる森の美女』は、ウォルト・ディズニーの生前に製作されたにもかかわらず、満足なヒット作ではなかったことでも有名です。けれども、チャイコフスキーのバレエ音楽との絶妙な調和や芸術性の高さが評価され、後からじわじわと人気が高まってきた作品でもあります。そんなアニメ映画版に親しんできた人であればすぐにピンときたりクスリ、できたりする場面が、『マレフィセント』には詰め込まれています。
私が最も楽しめたのが、本作におけるマレフィセントの手下・ディアヴァルです。アニメ映画では、ディアブロという名前で登場していたカラスのキャラクターですが、『マレフィセント』では魔法によって人間をはじめとしたさまざまな生き物に変化して登場します。アニメでも非常に賢い存在として描かれてはいましたが、本作ではより忠実な手下として活躍しています。クールなマレフィセントと比較すると、ディアヴァルの方が人間味にあふれているため、二人の掛け合いの場面は非常に面白かったです。
また、アニメ版の主人公であるオーロラ姫も本作では大活躍を見せています。アニメ版では残念ながら眠りについていつ場面が多いため、あまりオーロラ姫の物語を知ることはできませんが、本作ではマレフィセントの交流の場面があったり、クライマックスでも活躍したりと、オーロラ姫のシーンを存分に楽しむことができます。ビジュアルやフィリップ王子との出会いなど、原作からそのまま飛び出したかのような描写もあれば、オリジナルなストーリーラインも多く、『眠れる森の美女』との違いも大いに楽しむことができます。 多くのディズニーファンの間でも大人気のヴィラン・マレフィセントを主人公に実写化した本作。『眠れる森の美女』とはストーリーや設定などが異なりますが、その分オリジナルストーリーとしても楽しめる要素が満点です。アンジェリーナ・ジョリーの演技も素晴らしく、妖精の国・ムーアの映像美にも目と心が奪われ、キャラクターも可愛らしく子供と一緒にファンタジックな世界に浸りたい方におすすめです。
ただ近頃のディズニーは女性向け(アナ雪もそうですが)につくられた作品に対して、男性の居心地が悪いですね。
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