[マーベル女スパイの物語] ブラック・ウィドウ

7か月 ago

3.5

「シビル・ウォー キャプテン・アメリカ」「アベンジャーズ インフィニティ・ウォー」の間の物語であり、シビル・ウォー キャプテン・アメリカは観ておく必要がありそうです。なぜナターシャが追われている理由は知っておくと作品の世界観に入りやすいと思います。 この作品はナターシャの家族のお話であり、アクションが見ごたえがありました。

原題
Black Widow
公式サイト
https://www.disneyplus.com/ja-jp/movies/black-widow/3VfTap90rwZC
監督
登場人物
ナターシャ・ロマノフ / ブラック・ウィドウ

Actor: スカーレット・ヨハンソン

レッドルーム出身の元暗殺者で、元“S.H.I.E.L.D.”のエージェント。アベンジャーズの創立メンバーでもある敏腕スパイ。

エレーナ・ベロワ

Actor: フローレンス・ピュー

レッドルームで訓練を受けた暗殺者。過去にはナターシャを姉として慕い、アレクセイやメリーナも含め本当の家族のように想っていた。

アレクセイ・ショスタコフ / レッド・ガーディアン

Actor: デヴィッド・ハーバー

アメリカの“キャプテン・アメリカ”に対抗する目的でソ連が生み出したスーパーソルジャー。オハイオ州ではナターシャとエレーナの父親役であった。

メリーナ・ヴォストコフ

Actor: レイチェル・ワイズ

ナターシャのひとつ上の世代のウィドウ。そして科学者でありオハイオの任務ではナターシャとエレーナの母親を演じていた。

配給会社

ここがおすすめ!

  • エンドゲームから新しいフェーズへ「マルチバース・サーガ」そして「フェーズ4」開幕
  • 人気キャラクター、ブラック・ウィドウの人生と継承の物語
  • 女性の力が大結集した一作

あらすじ

“ブラック・ウィドウ”ことナターシャ・ロマノフが自分の過去と結びつく危険な陰謀の存在に気づき、自らの人生の“闇”と対峙することになる。

公式サイトより引用

2008年公開の「アイアンマン」から始まったマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)。時系列のまとまりごとに作品群を区切った「フェーズ」、さらにそのフェーズをまとめて「サーガ」と呼び、フェーズ1~3は「インフィニティ・サーガ」と呼ばれています。「アイアンマン」から始まり、世界的に大ヒットを記録した『アベンジャーズ/エンドゲーム』を実質的に終章としつつ、エピローグ的立ち位置の「スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム」にてこのサーガは終了しました。
MCU時系列(Disney Plus)

本作「ブラック・ウィドウ」は、「インフィニティ・サーガ」後の新たなサーガである「マルチバース・サーガ」および「フェーズ4」として映画館で公開された最初の作品です。新型コロナウイルスによるパンデミックで公開時期が後ろ倒しとなったため、結果的にはDisney+配信されるドラマシリーズの方が先に世に公開されてしまいましたが、物語の流れを考えると実質的には「ブラック・ウィドウ」が「マルチバース・サーガ」および「フェーズ4」、つまりMCUの新章としての最初の作品と言えるでしょう。

私たちの知らなかったブラック・ウィドウの物語

本作は、「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」と「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」の間に起きた出来事が描かれています。本作の主人公であるウィドウことナターシャ・ロマノフは、「アイアンマン2」で初登場であり人気キャラクターではあるものの、それまで単独作品が制作されなかったこともあり、「謎めいた女スパイ」としての描写が多く、文字通り謎に包まれたキャラクターでした。そんな彼女の過去や「家族」との物語が本作で初めて描かれます。特に、ナターシャと妹・エレーナの心の絆がカギとなっており、二人が引き離されるシーンには胸がとても痛みましたし、長らく離れ離れだった二人の心の距離が縮まっていく様は非常に微笑ましかったです。

目を背けてきた「過去」と「現実」

過去作を振り返ってみるとインフィニティ・サーガにおけるナターシャは、孤高なエージェントという立ち位置を保ちながらも、常に正しくあろうとすることにこだわっていたように思います。「キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー」ではS.H.I.E.L.D.のエージェントでありながらも、組織の腐敗に気づけばそれを正す側に回りました。「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」においては、力を持つ者の危険性を理解しているからか、最初はソコヴィア協定に賛同し、アイアンマンに味方しました。しかし、後にそれが間違いであり真の正義を悟ると、敵対していたはずのキャプテン・アメリカ側へと寝返りました。

本作を見るまで彼女のこの行動原理は、もともとは暗殺者だったところをS.H.I.E.L.D.へのスカウトを機に正義の側に回ったのだ、と証明したい気持ちが強かったためかと思っていました。しかし「ブラック・ウィドウ」を見たことで、それだけが理由だったわけではないのでは?と思うようになりました。レッドルームを壊滅させたときに罪のない女の子を巻き込んだことへの負い目、レッドルーム壊滅によるエレーナたちへのマイナスな影響の心配、もしかしたらレッドルームが暗躍し続けているのではないかという微かな疑念、そういった過去や現実から目を逸らすためにも、正しくあろうとすることにこだわっていたのではないかと感じました。

呪縛から解放される女性たち

本作はハリウッドの大作映画としては挑戦的な側面を有しています。まずは女性が監督を務めていること。ナターシャ役のスカーレット・ヨハンソンは主演だけでなく製作総指揮まで勤め上げています。メリーナ役のレイチェル・ワイズは、出演の決め手として「女性が多く活躍する現場であったから」と語っており、レッド・ガーディアンを演じたデヴィッド・ハーパーも、「このように主要キャストが女性で固められ、監督も女性である現場は珍しく良い意味で戸惑った」と語っていました。未だに女性の権利が不当に扱われていると言われるハリウッドにおいて、本作は大いなる挑戦だったことがうかがえます。

女性たちの力が結束した本作で描かれるのは、女性による女性の呪縛からの解放です。本作でナターシャが対峙したのは、自身のルーツでもあるレッドルームでした。まだ若い女性たちを家族から引き離して集めて訓練し、洗脳し、女性器まで手術で取り上げて暗殺者に仕立て上げるレッドルームから女性たちを解放しようとナターシャたちが連帯するプロットは、女性の解放を直接的に描いているといえるでしょう。

正義の継承

「ブラック・ウィドウ」はこれまで親しんできたナターシャをより深く知る作品であると同時に、継承の物語でもあります。『アベンジャーズ/エンドゲーム』におけるナターシャの様々な決断の理由が深く理解できるだけでなく、彼女が遺したかったものも描かれています。本作でそれを体現する存在が、妹のエレーナです。フローレンス・ピューの見事な演技とキュートさは確実に多くの観客の心をわしづかみにしました。彼女が姉に与えた影響、そして姉から受け取った思いは、多くの観客の琴線に触れたことでしょう。

「ブラック・ウィドウ」は、MCUにとってもハリウッドにとっても、新たなステージの幕開けとなった一作です。まだ視聴していない方は是非ご覧ください。そして、本作のその後が気になる方は、Disney+オリジナルシリーズ「ホークアイ」を視聴することをお勧めいたします。

マーベルドラマ『ホークアイ』公式サイト|ディズニープラス

各サイトのレビューサイトのスコア

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このページではDisneyPlus Jpで配信中のブラック・ウィドウから執筆しました。

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DisneyPlus Jp ブラック・ウィドウ

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