1作目のメンバーが再集結 – パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト

2週間 ago

3.2

相変わらずのジョニー・デップ演じるジャック・スパロウの個性的なキャラクターは「ジャック・スパロウは替えがきかない!」ということがわかります。これは今後のシリーズを通して言えることを再確認できました。 ただ2時間以上の長さや中だるみもあるかな。

原題
Pirates of the Caribbean: Dead Man's Chest
公式サイト
https://www.disney.co.jp/studio/liveaction/0840
監督
登場人物
ジャック・スパロウ

Actor: ジョニー・デップ

主人公で、伝説の海賊の一人。本作では何かを恐れる素振りを見せている。

ウィル・ターナー

Actor: オーランド・ブルーム

エリザベスと結ばれ、彼女と結婚しようとしていたところを逮捕される。再びジャックを探す旅に出る。

エリザベス・スワン

Actor: キーラ・ナイトレイ

身分を捨て、ウィルと結婚しようとしているところを、共に逮捕されてしまう。

デイヴィ・ジョーンズ

Actor: ビル・ナイ

幽霊船「フライング・ダッチマン号」の船長。顔が髭のようにタコの足に覆われている。契約に基づき、ジャックを探している。

ビル・ターナー

Actor: ステラン・スカルスガルド

ウィルの父親で、海賊。現在は「フライング・ダッチマン号」の乗組員をしている。かつてはジャックの仲間だった。

配給会社

ここがおすすめ!

  • パワーアップして帰ってきた個性的なキャラクターたち
  • 父子の物語としての「パイレーツ・オブ・カリビアン」
  • ヒロインに惚れた3人の三つ巴の戦い

あらすじ

ジャックが13年前に自らの魂と引き換えに、深海の悪霊デイヴィ・ジョーンズと交わした〈血の契約〉の期間が終わりに近づいていた。デイヴィ・ジョーンズの幽霊船で永遠の労役に服すという地獄から逃れるため、ジャックは〈死者の宝箱(デッドマンズ・チェスト)〉を追いはじめる。また結婚式の直前に、ジャックの逃亡を助けた罪で捕えられたウィルとエリザベスも、抗うことのできない運命に操られこの冒険に巻き込まれていく。その時、カリブの海に封印された恐るべき秘密が甦ろうとしていた―。

公式ウェブサイト

2003年の公開で瞬く間に人気を博した映画『パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち』。その待望の続編となる映画『パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト』が2006年に満を持して公開されました。1作目も世界的に大ヒット作品となりましたが、2作目はそれを上回るスマッシュヒットを記録しました。公開初日の興行収入は、当時の新記録を塗り替えたほどです。

  1. 呪われた海賊たち(2003年): 6億5,400万ドル
  2. デッドマンズ・チェスト(2006年): 10億6,600万ドル
  3. ワールド・エンド(2007年): 9億6,300万ドル
  4. 生命の泉(2011年): 10億4,600万ドル
  5. 最後の海賊(2017年): 7億9,500万ドル

個性的なキャラクターたちが再登場

映画『パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト』の最大の魅力は、個性が光りまくるキャラクターたちでしょう。主人公のジャック・スパロウはもちろんのこと、前作からのキャラクターであるウィル・ターナーやエリザベス・スワンなどがパワーアップしてスクリーンに戻ってきました。

ジャックは相変わらずのおどけているのか真剣なのか、どこかよく分からないフラフラとした印象があります。そして本作では内に秘めた恐怖やひた隠しにしている本心など内向きの感情に左右されて、より方向性の定まらない不安定なキャラクター像を本作で強めています。それは象徴となるのが、行き先の定まらないコンパスでしょう。コメディでありつつもヒーローでもあるジャック像を、ジョニー・デップが絶妙な塩梅で演じています。

そして前作から成長したウィルは、本作でもよりたくましくある意味では図太くなっていて、前作からの成長を感じます。そしてもともと芯の強さを見せていたエリザベスは、本作でより強く賢く成長しています。貴族としての身分を手放した彼女がドレスを脱ぎ捨て、男装までして目的を果たそうとする姿からは、彼女を取り巻く環境と彼女自身の心境の大きな変化を見て取れます。

AIで作成したイメージ画像

前作からおなじみの三人に加え、本作では伝説的な海賊デイヴィ・ジョーンズやウィルの父であるビル・ターナー、東インド貿易会社のべケット卿などといった新たな個性的なキャラクターが加わり、作品をより盛り立てています。

©2006 Disney

父と子の絆を描いた物語

映画『パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト』は、父と息子の物語として楽しめるのも魅力でした。シリーズの主役はもちろんジャック・スパロウではありますが、実質的な主人公の役割を果たすウィルの存在も大きかったです。最も親しみや共感を抱きやすいのは、ウィルかもしれません。前作では、ウィルが父親の正体を知ることが物語の重要なピースを担っていました。本作ではその父親・ビルがついに初登場します。

もともとジャックとビルは仲間だった時期もあるため、ジャックとのつながりが良くも悪くも父子を再び結びつける役割を果たしています。自分のことよりも息子のことを優先しようとする彼の心遣いから、離れ離れだったはずの父子の絆を感じられます。この二人の物語は自作にも続く伏線となっており、シリーズを通して父子の絆を描いた作品でもあることが分かります。既に一作目でウィルというキャラクターを知っているからこそ、このような物語の深め方が観客の心に刺さりやすくなっていると感じました。

エリザベスに想いを寄せる男性の三つ巴戦

映画『パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト』では、ロマンスについても忘れられない要素となっています。本作のヒロインであるエリザベスの相手を巡っては、一作目から様々な議論が交わされてきました。本作の序盤にエリザベスはウィルと結婚式を挙げようとしていました。これは前作でもこの二人が惹かれ合っていることは明言されていたため、違和感はありません。しかしながら本作ではコンパスを使うことでジャックとエリザベスの微妙な心境が巧みにあらわされています。彼らの本心はいったいどこにあるのか、と見ている人たち全員をやきもきさせる展開は、本作の魅力の1つでしょう。

そして映画のクライマックスの1つはデッドマンズ・チェストをめぐったソードアクションです。本作の中でもハイライトとなるアクションシーンで、非常に人気が高いです。この場面ではジャックとウィル、そしてエリザベスの元婚約者だったノリントンの三人が件で戦います。決してエリザベスを巡って戦う場面ではないのですが、三人とも彼女に想いを寄せていた男性であり、彼らの複雑な関係と結びつきを読み取ることのできるシーンでもあったと思います。エリザベスは決して浮気性な人物としては描かれていないにもかかわらず、男性を惹きつけてしまうキャラクターとして描かれている点は、一貫しています。しかしながら、この場面で彼らがかけて戦っていたのは彼女の心ではなく、失恋で痛手を負ったジョーンズの心臓だというのがなんだか皮肉で、本作がコメディ作品だと改めて思い出させてくれます。

©2006 Disney

映画『パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト』は、前作を上回る大ヒット作品です。前作から引き続いてのキャラクターが、前作を上回る個性を発揮しているだけでなく、新しいキャラクターも登場しています。主人公たちの友情だけでなく、父子の物語であったり、前作以上に複雑に絡み合ったロマンスが展開されていたりする一作です。2時間半と本編は長いですが、長さを感じさせない物語なので、前作でジャック・スパロウなどのキャラクターとカリブの海賊という世界に興味をもったこの機会にぜひ鑑賞してみてはいかがでしょうか。

各サイトのレビューサイトのスコア

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このページではDisneyPlus Jpで配信中のパイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェストから執筆しました。

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