新しい猿の惑星の始まり – 猿の惑星:創世記(ジェネシス)

4か月 ago

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前作のリメイク「PLANET OF THE APES/猿の惑星」とはまったく違い、現在の地球で虐待にあう猿(エイプ)がいかに仲間と絆を築き、解放に向けてのストーリーがとてもおもしろいです。

原題
Rise of the Planet of the Apes
公式サイト
https://www.20thcenturystudios.jp/movies/saruwaku
監督
登場人物
ウィル・ロッドマン

Actor: ジェームズ・フランコ

遺伝子工学科学者。アルツハイマー治療薬の研究をしている。母を失ったシーザーを育てる。

シーザー

Actor: アンディ・サーキス

メスのチンパンジー・ブライトアイズの子供。オスのチンパンジーで、生まれつき母親の瞳と同じ虹彩を受け継ぐ。実験で驚異的に知能が向上する。

キャロライン・アランハ

Actor: フリーダ・ピント―

獣医。シーザーの診察をきっかけにウィルと知り合い、やがて相思相愛になる。

チャールズ・ロッドマン

Actor: ジョン・リスゴー

ウィルに父親。昔は音楽教師をしていた。アルツハイマー病を患っている。シーザーの名付け親。

ジョン・ランドン

Actor: ブライアン・コックス

霊長類保護施設を経営している。横暴で、施設内の猿たちに暴力をふるう。

ドッジ・ランドン

Actor: トム・フェルトン

ジョンの息子で、霊長類保護施設で働いている。父親同様に横暴で、施設内で猿たちを虐待している。

配給会社
制作会社

ここがおすすめ!

  • 「猿の惑星」シリーズの新章
  • モーションキャプチャーによる驚きの映像
  • つい気になる今後の展開

あらすじ

映画史上の神話の“起源”に迫るSFアクション超大作が遂に登場!!進化は、彼らを選んだ。 現代のサンフランシスコ。製薬会社ジェネシス社の研究所に勤める若き神経科学者、ウィルが実験のためアルツハイマー病の新薬を投与した一匹のチンパンジーが驚くべき知能を示した。ところが、そのチンパンジーは突如暴れ出した挙句、射殺されプロジェクトは中止されてしまう。ウィルは生まれたばかりの赤ん坊を自宅に連れ帰り、“シーザー”と名付けて育てることに。3年後、すくすくと育ったシーザーとウィルとの間には本物の人間の親子のような強い絆が生

公式ウェブサイト

1968年に劇場公開されるや、その衝撃的な結末で人類をアッと驚かせた映画『猿の惑星』。その人気の高さから、オリジナルシリーズは全5部作となる長編シリーズとなり、その後テレビドラマ版やアニメシリーズ、リメイク版など形を変えて新作が制作され続けてきました。そんな『猿の惑星』の新たなリブートシリーズとなったのが、2011年に公開された『猿の惑星:創世記』です。


新たな「猿の惑星」サーガ

本作の映画『猿の惑星:創世記』は前述いたしましたオリジナル版の続編ではなく、前日譚となっております。どうやって地球が人類の惑星から「猿の惑星」が出来上がっていったのかを描いていくシリーズ作品となります。新シリーズは3部作構成となり、サブタイトルが「創世記」であることからも分かる通り、本作が新シリーズの1作目となっています。

もとの『猿の惑星』は、主人公である宇宙飛行士のジョージ・テイラーを中心とした物語であり、彼が宇宙飛行の結果、非常に知能が発達したサル(Apes)たちが、原始人程度の知恵しか持たない人間を支配する「猿の惑星」で話が展開していきます。そして最初の1作目の最後には荒廃しきったニューヨークの象徴である自由の女神像が登場し、この「猿の惑星」こそが未来の地球であるという衝撃的な結末で幕を閉じました。この結末に多くの人々が驚き、『猿の惑星』は今でも伝説的な映画として語り継がれています。


この「猿の惑星」の大ヒット以降、さまざまな続編が制作されてきましたが、なかなかオリジナル版ほどの評判を得られることができませんでした。1980年代以降、リメイク版の制作も積極的に企画されてきましたが、なかなか実現には至りませんでした。2001年にようやく完成したリ・イマジネーション版となる『PLANET OF THE APES/猿の惑星』も残念ながら評判は芳しくありませんでした。

そんな状況の中で作られた新たな「猿の惑星」シリーズがスタートし、それが本作『猿の惑星:創世記』です。リメイクではなく、あえて前日譚となるオリジンストーリーになりこれは成功し、本作を含めて3部作まで制作されました。


オリジナル版の舞台が未来だったことを考えると、現代からそこに向かっていく時系列の物語は、非常に見やすく思いました。また、近未来を描いているにもかかわらずテクノロジー自体は遅れている印象を受けるオリジナル版では、これは人類が自ら文化を破壊してしまったからであることが示唆されています。この設定のおかげで、『猿の惑星:創世記』における進歩した化学疑似術が登場しても物語として矛盾しない展開となっているのも、非常に巧みな設定だと感じさせられました。

圧倒的なサルの表現力

映画『猿の惑星:創世記』で最も目を見張るのは、猿であるシーザーの表現です。人間に特殊メイクを施すことで猿を表現していたオリジナル版とは異なり、本作ではモーションキャプチャーによるCGで猿が表現されています。そのCG技術の素晴らしさにまずは驚かされました。劇中、シーザーは本当のサルにしか見えず、その表現に目を見張りました。シーザーは誕生してから親元を巣立ち成長していくのですが、その成長も見事なディテールで表現されます。

映画『猿の惑星:創世記(ジェネシス)』メイキング映像 シネマトゥデイ

シーザーの表現で驚かされるのは、デジタル技術だけではありません。シーザー役を演じた、モーションアクターとしても大活躍の俳優であるアンディー・サーキスの演技に舌を巻きました。モーションキャプチャーの技術を使用しているため、シーザーの表情が非常にリアルで、細かな感情の揺れ具合が表情や動作から手に取るように伝わってきました。サーキスは「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズのゴラム役や、リメイク版『キング・コング』でのコング薬など、モーションアクターとしてはトップの役者です。本作はシーザーを育てた科学者を演じるジェームズ・フランコが主演となっていますが、サーキスの圧倒的な演技力と存在感は凄まじく、彼の方が主演に感じるほどです。恐ろしいと感じるほどに圧倒されてしまうシーザーのキャラクター像は、ぜひ本編で体感していただきたいポイントです。

とくに「NO(嫌だ)」の台詞と映像に鳥肌が立ちます。

©2011 20th Century Studios. All Rights Reserved.

どうしても気になってしまう「その後」の物語

本作は、『猿の惑星』の前日譚であるため、今後の行き着く先については分かっています。けれども、どうしても気になってしまうのは本作から『猿の惑星』に至るまでの過程です。本作のラストではシーザー率いる猿たちが人間から距離を置き、自分たちの帝国を築いていこうとする、ある種決意のような場面で終わっています。『猿の惑星』で描かれている今後は、人類にとっては「バッド・エンド」とも思える筋書きですが、それが分かっていてもやはり過程が気になってしまいます。

『猿の惑星』自体は同名タイトルの小説を原作としていますが、映画自体もジョナサン・スウィフトの風刺小説『ガリヴァー旅行記』からの影響を色濃く受けた作品です。一般的には小人の国と呼ばれる「リリパット国渡航記」ばかりが知られる『ガリヴァー旅行記』ですが、高貴で知的なフウイヌムという馬の姿をした種族が支配する国を訪れた「フウイヌム国渡航記」がインスピレーションとなっているのは明白です。また、同時期に出版された風刺小説『ロビンソン・クルーソー』からの影響も見て取れるでしょう。これらのインスピレーションを壊さずに表現できたことが『猿の惑星』を名作たらしめていると考えられます。

対して、『猿の惑星:創世記』はタイトルの通り旧約聖書の創世記をベースとしているだけでなく、メアリー・シェリーの小説『フランケンシュタイン』的であるともいえます。方法は異なりますが、どの小説も未来の人類に対して警鐘を鳴らすような役割を担っているとも考えられ、そのテーマを「猿の惑星」シリーズは大切にしてきているように思います。この壮大なテーマを壊すことなく、『猿の惑星:創世記』を発端とするリブートシリーズの物語を展開させていくことができるのか。できたとすればどのように展開されていくのか。それこそが本シリーズの肝であると同時に気になるポイントだな、と感じます。

AIで作成したイメージ画像です。

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人間と知的な猿が支配権をめぐって衝突する世界を描く。原作はフランスの作家ピエール・ブールが1963年に発表した小説『猿の惑星(La Planète des singes)