見応えある剣戟アクション – るろうに剣心

3日 ago

3.5

CGに頼らず体を張った殺陣には、緊迫感やスリル感が生ます。カメラワークもうまい感じに仕上がっています。 「るろうに剣心」はアクションもさることながら、主人公の剣心がどのような人間で、どういった過去を持ち、どんなキャラなのかを模索する映画ではないでしょうか。

原題
Rurouni Kenshin
公式サイト
https://www.warnerbros.co.jp/home_entertainment/f4__mnzh9b/
監督
登場人物
緋村 剣心(ひむら けんしん)

Actor: 佐藤 健

幕末に“人斬り抜刀斎”として恐れられた伝説の剣客。明治維新後は不殺(ころさず)の誓いを立て、逆刃刀を持って流浪の旅をしている。神谷薫との出会いを機に東京に留まり、人々を守るため再び剣を振るうことになる。

神谷 薫(かみや かおる)

Actor: 武井 咲

神谷活心流の師範代。かつての名声を失った道場を守るべく奮闘していたが、剣心と出会い次第に惹かれていく。

武田 観柳(たけだ かんりゅう)

Actor: 香川 照之

表向きは実業家だが、裏では阿片の密売を行い巨利を得ている黒幕的存在。国家転覆すら視野に入れた陰謀を巡らせている。

鵜堂 刃衛(うどう じんえ)

Actor: 吉川 晃司

元・新撰組の隊士で、維新後は快楽殺人者として暗躍。独特の呼吸法による「心の一寸」で相手を金縛りにし、殺害する戦法を用いる。

高荷 恵(たかに めぐみ)

Actor: 蒼井 優

会津出身の医師。実は阿片精製に長けており、その才能を悪用しようとした観柳に囚われていた。剣心たちに救われてからは、神谷道場に身を寄せ、医師として多くの人を助けるようになる。

斎藤一(さいとう はじめ)

Actor: 江口洋介

元・新撰組三番隊組長で、“悪・即・斬”を信条とする剣戟官吏。維新後は明治政府に仕え、警察官として法の下で悪を断つ役割を担う。

配給会社
制作会社

ここがおすすめ!

  • 殺陣のクオリティが非常に高く、スピード感とリアリティを両立している。
  • CGに頼りすぎず、実際の剣技を重視した撮影手法が素晴らしい。
  • 明治という時代の転換期の雰囲気が丁寧に再現されている。
  • 原作の持つ「不殺」というテーマが映像でもしっかりと伝わってくる。

あらすじ

斬れない刀=逆刃刀で人を助ける、流浪人・緋村剣心。 もう決して人は殺さない<不殺(ころさず)の誓い>を立てた抜刀斎だった。 大切な人たちが平和に暮らせる時代を作るため、いま剣心の真の戦いが始まる――!

るろうに剣心 | ワーナー・ブラザース公式サイト

映画「るろうに剣心」は和月伸宏氏が手掛け、『週刊少年ジャンプ』(集英社)にて1994年19号から1999年43号まで連載され、総話数は全255話に及びます。そして続編となる「北海道編」がジャンプ+にて掲載中です。

本作の主人公は「人斬り抜刀斎」として幕末に恐れられた緋村剣心が、明治維新後は「不殺(ころさず)」の誓いを立て、流浪人として人助けをする物語であり、この映画の実写化のみならず多岐にわたるメディアミックスが展開されています。

そして漫画を原作映画は多々ありますが、安っぽいCGで原作をイメージを壊す映画が多いものだが、この作品は原作を感じさせつつアクション時代劇となっておます。

漫画原作を実写へ落とし込む難しさと成功

漫画の実写化というものは、失敗作に終わることが珍しくありません。筆者は「るろうに剣心」を漫画もアニメもリアルタイムで拝見していた私にとっては子供時代を彩った大切な作品の一つです。原作の世界観を壊すような描写をされてしまったら…と心配していたのが本音でした。

映画「るろうに剣心」はそうした懸念を良い意味で裏切ってくれました!

キャラクターの再現度

まず、佐藤健さんが演じる剣心の完成度が非常に高く、その飄々とした雰囲気、時折見せる鋭い眼光、戦闘時の身のこなしまで、まさに剣心そのものでした。特に、普段の穏やかな「〜でござる」という口調から、いざ戦いとなると人斬り抜刀斎としての凄みは、佐藤健さんの目つきの変化と表情の演技によって見事に表現されており、俳優としての幅広さを見せつけました。

加えて、他のキャラクターたちの再現度も特筆すべきものでした。江口洋介さん演じる斎藤一は、あの冷徹な眼差しと圧倒的な存在感を見事に表現していました。これは原作からそのまま出てきたような完成度であり、国家に従事しつつ彼の「悪・即・斬」の信念が伝わる演技は、作品にさらなる深みを与えています。

また、香川照之さん演じる武田観柳も、その怪演ぶりが際立っていました(北海道編の6巻あたりにも再登場)。これは原作だと小物な悪役ですが、映画だと狂気や傲慢さが際立っており、滑稽さも感じさせるキャラクターとなっています。他も神谷薫(武井咲さん)や相楽左之助(青木崇高さん)、明神弥彦(田中偉登くん)、そして高荷 恵(蒼井優さん)といったキャラクターの描写も、俳優陣がそれぞれの役どころを高いレベルで体現していました。

©和月伸宏/集英社 ©2012「るろうに剣心」製作委員会

舞台設計と世界観の構築

原作の世界観を実写で表現する上で重要な舞台設計も、この映画の成功に大きく貢献しています。明治という時代背景の再現性は見事でした。それは舞台セットや衣装、小道具に至るまで細部へのこだわりが感じられ、神谷道場などの美術面も原作の世界観を忠実に再現しています。

作品の舞台である明治という時代の雰囲気作りも本当に見事です。建物などのセットや衣装、小道具に至るまで、細部へのこだわりが感じられます。特に神谷道場のシーンは、まさに原作の世界そのものです。木造の建物の質感、畳の趣、本当にリアルであり、こういった美術面でのクオリティの高さも、この映画の魅力の一つだと思います。美術監督の種田陽平さんの手腕が光っていると感じました。

剣心の着物の色合いや質感、薫の袴姿、そして左之助の独特な服装、どれも原作のイメージを大切にしながらも実写に適した形でアレンジされています。特に剣心の逆刃刀は本当に美しい刀でした。あの刀身の輝きや、柄の装飾まで、細かいところまでこだわって作られているのがわかります。

圧巻の殺陣アクションが魅せる迫力

演出面では、大友啓史監督の手腕も素晴らしかったです。テレビドラマの世界で活躍されている方ですが、映画という大きなスクリーンでも十分に力を発揮されていたと思います。特にカメラワークが秀逸で、キャラクターの心情を表現するカットの使い方などはさすがでした。それは本作の撮影監督である石坂拓郎氏はインタビューの中で本当に、(アクションに)近づいて撮ることですよね。それで殺陣が当たって、殴られてもしょうがない。と語っています。

また最大の見どころと言えば、やはり殺陣のシーンです。昨今のアクション映画ではCGに頼った派手な演出が多くなりがちですが、観客の期待に応えるように、実際の剣技をもとにしたリアルで躍動感に満ちた殺陣が展開されています。剣と剣がぶつかり合う音、刀の軌跡、そして演者の息遣いまで、すべてが生々しく伝わってきます。観ていて思わず身を乗り出してしまうほどの迫力でした。

アクション監督を務めた谷垣健治さんの手腕も光るものがありました。谷垣さんは「マトリックス」シリーズなどでも活躍されていますが、この映画で魅せた殺陣は特に素晴らしかったです。スピード感がありながらも、一つ一つの動きがしっかり見えるように撮影されていました。

主演を務めた佐藤健氏はインタビューの中で谷垣さんもカメラを回したまま飛び降りて撮ったんです。面白い画になっていますが、あれは谷垣さんにしかできない撮影だと思います と語っています。

原作の魅力を活かした映画化の評価

「るろうに剣心」は全28巻(完全版は全22巻)と長編漫画となっています。そして本作は漫画の5巻(完全版だと4巻あたり)の物語を映画という約2時間弱の中で、原作の核となる部分である剣心の過去と現在への向き合い方、そして「不殺」という信念については、しっかりと描かれていたと感じました。特に剣心が自分の過去と向き合うシーンは、原作を読んでいた時の臨場感が蘇ってきました。


ただ、少し欲を言えば、剣心と薫の関係性をもう少し掘り下げてほしかったところです。原作では徐々に育まれていく二人の絆が、映画では時間の制約もあってやや駆け足気味に感じられました。

また左之助役の青木崇高さんに関しても、あの豪快さと、密かに持ち合わせている繊細な部分をうまく表現していたと思います。特に剣心との友情が芽生えていく過程は、観ていて微笑ましく感じられました。とはいえ、個人的には左之助の過去のエピソードも映像で見てみたかったのが正直なところです。赤報隊の話などはきっと映像映えすることでしょう。ただそこまで実写にしてしまうと映画の尺が足りなくなってしまうでしょうから、仕方がないのかもしれません。

隠密御庭番衆は出てきませんでした。

実写化作品として高い完成度を実現

漫画の実写化作品としては非常に成功した部類に入ると思います。原作ファンにとっても満足できる出来栄えでしたし、予備知識がない人であっても十分に楽しめる作品になっていると思います。

もちろん、完璧な作品というわけではありません。先ほど触れたキャラクター描写の物足りなさや、一部のCGの粗さなど、気になる点もいくつかありました。特に背景のCGは、一部もう少し自然に仕上げてほしかったという印象もあります。それでも、そうした点を差し引いてもこの映画が持つ魅力は十分に伝わってきます。

2012年に上映されたこの映画の大成功を受けて、2014年には待望の続編「京都大火編」「伝説の最期編」が2部作として公開されました。原作でも最も人気の高い京都編を映像化したこの続編では、剣心と薫の関係がより深く描かれています。さらに、藤原竜也さん演じる志々雄真実が登場するなど、1作目で描ききれなかった部分がしっかり補完されています。

まとめ:現代にも通じる「るろうに剣心」の魅力

過去の罪を背負いながらも、新しい生き方を模索する剣心の姿は、現代を生きる私たちにも深く響くものがあります。人は変われるという希望を与えてくれる、そんなメッセージがこの作品には込められています。

2023年に再アニメ化され、現在京都動乱編まで進んでいる「るろうに剣心」シリーズ。実写映画も三部作構成で「京都動乱編」までが描かれています。この機会に、アニメと実写、それぞれの「るろうに剣心」の世界に触れてみてはいかがでしょうか。

各サイトのレビューサイトのスコア

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このページではNetflix Jpで配信中のるろうに剣心から執筆しました。

Netflix Jpで配信されている「るろうに剣心」のあらすじ、感想、評価を紹介しました。気になる方は、ぜひ下記URLのNetflix Jpからチェックしてみてください!

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