スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け: レイの物語が一つの区切りを迎えます。

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40年以上にわたり、多くのファンを魅了し続けてきた「スター・ウォーズ」スカイウォーカー・サーガが、『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』でついに完結を迎えました。長年のファンにとっては、期待と同時に様々な思いが交錯する一本となったのではないでしょうか。

原題
Star Wars: The Rise Of Skywalker
公式サイト
https://starwars.disney.co.jp/movie/skywalker
監督
登場人物
レイ

Actor: デイジー・リドリー

主人公。辺境の惑星ジャクーで育った孤児。BB-8を助けたことやフィンとの出会いを通じて、レジスタンスに加入。フォースの力に目覚め、ジェダイとしての修行に励む。

カイロ・レン

Actor: アダム・ドライバー

レイアとハン・ソロの息子。本名はベン・ソロ。ジェダイの騎士になると思われていたものの、誘惑に抗えずにダークサイドへと堕ちてしまった。ファースト・オーダーの最高指導者。

フィン

Actor: ジョン・ボイエガ

元ファースト・オーダーのストームトルーパーだったが脱走兵となり、現在はレジスタンスに参加している。レイとは固い絆で結ばれている。

ポー・ダメロン

Actor: オスカー・アイザック

レジスタンスで最も優秀な、エース・パイロット。熱い情熱を抱える一方、やや感情が先走ってしまうところがある。苦難の中で決断を迫られることになる。

配給会社

ここがおすすめ!

  • 「スター・ウォーズ」シリーズ全9作の完結作
  • 原点回帰路線の「スター・ウォーズ」シリーズ
  • シリーズのと歴史を感じる一作

あらすじ

スカイウォーカー家の“愛と喪失”を描いた「スター・ウォーズ」完結編。かつて銀河に君臨していた祖父ダース・ベイダーに傾倒し、その遺志を受け継ぐべく、銀河の圧倒的支配者へと上り詰めた、スカイウォーカー家の一人でもあるカイロ・レン。そして、伝説のジェダイ、ルーク・スカイウォーカーの想いを引き継ぎ、類まれなフォースを覚醒させたレイ。新たなるサーガを担う若者二人の運命が、この物語の行く末を担っている。

公式ウェブサイト

初作である「スター・ウォーズ(のちにエピソード4 新たなる希望となる)」が1977年に公開され、それ以降は世界中の多くのファンを魅了してきた「スター・ウォーズ」シリーズ。旧三部作であるエピソード4 ~ 6、新三部作であるエピソード 1 ~ 3と2つの三部作を経て、2015年から続三部作と呼ばれる新たな三部作が公開されました。そしてその続三部作の最終作であり、これまで長きに渡って紡がれてきた「スター・ウォーズ」シリーズの9作の集大成となる作品『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』が、2019年に公開されました。

本作はいったいどのような結末が用意されていたのかを執筆しました。

「スカイウォーカー・サーガ」の完結

映画『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』は、続三部作の最終作であり、1977年に初作が公開された「スター・ウォーズ」シリーズの完結作として公開されました。旧三部作の公開当初、シリーズの創造主であるジョージ・ルーカスが本シリーズは9部作である、と言及したことがきっかけとなり、多くの人々が待ち望んでいた9作目となりました。40年以上越しの完結作というのは、多くのプレッシャーがかかったのではないかと、想像ができます。そのため、本作は非常に丁寧に作られていたことがよく分かります。

原案をもとにしたコミックも販売されています。

続三部作には、複数の波乱がありました。監督探しにかなり手こずっていましたし、ファンを満足させ、批評家も満足させるというとても大きなミッションを背負っていました。さらに、本作で重要な役割を担う予定だったレイア姫役を演じる女優のキャリー・フィッシャーの急逝という不幸にも直面しました。そのため、かなり難しい状況での製作だったことが予想され、そのなかでできる限りのことを実施した結果だったというのが本作を見た率直な印象でした。観客の評価はそこそこなものの、批評家からの評価があまり高くない、という結果は非常に納得です。人によって受け入れ方が大きく分かれる作品だと感じました。

またpolygonでジョージ・ルーカスがディズニーに売却する前に構想したスター・ウォーズ続三部作は、現行版と全く異なるものでした。戦争後の銀河再建がテーマで、ルークやレイアを含む三世代の物語。ダース・モールがヴィランとして復活し、レイアは銀河のリーダーに。ルークはジェダイを再興するもエピソードVIIIで命を終え、フォースの根源「ウィルズ」に迫る哲学的な展開でした。この壮大な幻の構想は、一部要素が後の作品に影響を与えつつも、実現には至りませんでした。

リスペクトと懐古主義の狭間(はざま)

映画『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』は、旧三部作に大きなリスペクトを払った一作だといえるでしょう。その一方で、懐古主義すぎるという意見が出るのも頷ける作品です。前作『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』が賛否両論を呼び、特に批評家からは高評価だったもののファンからは低評価だった、という事態だったことを受けての、路線変更が大きかったのではないかと予想されます。本作でメガホンを取ったのは、7作目の『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』でもメガホンを取ったJ・J・エイブラムス氏で、『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』で定められた行き先から大きく旋回して『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』の世界線に路線を戻したと感じられる作品でした。

エイブラムス氏自身がシリーズの大ファンであるということから、彼が監督した「スター・ウォーズ」作品は、旧三部作へのリスペクトが非常に強く、ファンがどのような映像や展開に歓喜するかを知り尽くしたかのような作品作りが目立ちます。旧三部作頃からの往年のファンたちには、とても嬉しい方向性でしょう。その一方で、このリスペクトを懐古主義すぎる、と感じる意見があるのも理解できます。というのも、古い作品をなぞるだけであれば、新しい作品を作る必要はない、という考え方にも納得できるからです。この塩梅(あんばい)の調整が、非常に難しいところですが、多くのファンの心をつかんだという点で、成功したと考えられるのではないでしょうか。

AIで作成したイメージ画像

エピソード7 ~ 9での消化不良な部分

壮大なスカイウォーカー・サーガの完結編として公開された『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』ですが、筆者の中ではいくつか「モヤモヤ」が残ってしまいました。

① レイの出自

まさかここで「大物の子孫」という展開になるとは、正直なところ驚きを隠せませんでした。序盤からの謎めいた描写を経て、もっと別の、彼女自身の背景に根ざした答えを期待していただけに、この結末には少々肩透かしを食らったような感覚です。

② フィンとの関係性

フィンとの関係性が最後まで中途半端に感じられた点も気になりました。前作からの伏線がどう回収されるのかと思っていたのですが、結局明確な進展はなく、ファンとしては消化不良な部分が残りました。

③ C-3POの「退場」騒動

プロモーション段階でC-3POの「退場」が示唆されていたにもかかわらず、本編ではあっさり復活。あの感動的な(はずだった)シーンは何だったのかと、拍子抜けしてしまいました。

④ ポーとローズの関係

そして、ポーとローズの関係も結局どうなったのか、描かれることなく終わってしまったのも残念な点です。キャラクターたちの物語が十分に語られなかった印象があります。

正史の9作だけではない、ジェダイの歴史の重み

映画『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』は「スター・ウォーズ」シリーズの重みを一身に受けた一作です。それはまさに、主人公レイの肩の上に乗った、これまで戦ってきた、そしてシリーズで描かれてきたジェダイたちの歴史の重みと直結するものでしょう。「スター・ウォーズ」シリーズではジェダイとシスという二つの勢力の争いが主に描かれてきました。正義と闇の勢力なわけですが、この対立が非常に大きなスケールで描かれてきました。映画作品が「正典」として主に扱われていますが、実はアニメーションシリーズやマンガ、小説にゲームなど、さまざまな作品が発表されています。本作のクライマックスでは、過去のジェダイたちがレイに語りかけますが、ここでは映画以外にしか登場していないキャラクターも含まれています。それだけの壮大な世界、そして描かれてきた数多くのキャラクター、この重みを表現するシーンとして、クライマックスのワンシーンは、大きな役割を果たしたといえるのではないでしょうか。歴史とファンの熱量を強く感じられるクライマックスだったと思いますし、その分、さまざまな感情を感じられました。

まとめ:サーガ終結、そしてその先に

映画『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』は、40年以上続いた「スター・ウォーズ」シリーズの完結作です。これは「スカイウォーカー・サーガ」と呼ばれ、これ以外にも新たな銀河が本シリーズでは広がっていますが、最も本流となるシリーズは、これで完結を迎えました。賛否両論を産む要素もありましたが、それはファンが多く、注目されていることの証でもあります。長年続き、多くのファンに支持されるこのシリーズの重みを、ぜひレイとともに感じていただきたい一作でした。

各サイトのレビューサイトのスコア

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このページではDisneyPlus Jpで配信中のスター・ウォーズ/ スカイウォーカーの夜明けから執筆しました。

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「正史(カノン)」とは、ウォルト・ディズニー社によるルーカスフィルム買収以降、公式に設定が統一された作品群を指します。スカイウォーカー・サーガを構成するエピソード1〜9の映画シリーズとなっています。

「スター・ウォーズ」は、ジョージ・ルーカスが創造した壮大なスペースオペラです。遠い昔、はるか彼方の銀河系を舞台に、ジェダイとシス、帝国軍と反乱軍の対立、そしてフォースを巡る戦いを描いています。