ターミネーター1、2が好きな人には楽しめるかも。
ターミネーター1、2、3、4とTVドラマ(観てませんが)があります。中身としては1のパラレルワールドでした。
2が好きな人には、思い出しながら楽しめます。はじめにT-1000が出てきた時にはビビりました。
パラレルワールドなので話が混乱するのですが、作品の中には違和感なく入っていけます。おそらくそれは、今作の主人公であるカイル・リース(ジェイ・コートニー)が混乱していたので共感できたのと思います。ただターミネーターの醍醐味である敵が出てきた時の絶望感と逃亡感は感じませんでした。
特にあんなに恐ろしかった、2のT-1000が醸しだす不気味感、絶望感がなくあっさり終わって非常に残念。
アクションは今作が一番派手です。ただ同じ様な作品は他にもあります。ターミネーターファンには残念な作品でした。
シリーズ未視聴でも楽しめる

本作品はターミネーターシリーズの第五作目となります。前作「ターミネーター4」の続編はハルシオン・カンパニーが破産申請をしたため、制作中止となりました。
今作は前シリーズと別の方向へ、全く違う展開で制作されました。このため、前シリーズを見ていないと理解できないシーンは全くありませんでした。ターミネーターといえば「I’ll be back」というセリフ。サムズアップしながら溶鉱炉へ沈むアーノルド・シュワルツェネッガー、という程度の知識しかない私でも楽しむことができました。
ですが、世界観の説明の部分だけは視聴者が完全に理解をする前に駆け抜けてしまったように感じました。本作の大筋は「スカイネット」と呼ばれる自律型機械軍により滅ぼされかけた人類が過去改変により世界を取り戻す、というストーリーになっています。冒頭、この部分が「スカイネット」などの固有名詞の解説がない状態で語られていくため、分かりにくくなっています。おそらく前作と世界観の根幹に変化はないため、この部分の理解は前作を見ている方がすんなりと入ってくる印象です。
初めは?となることが多いかもしれません。しかし、1時間ほど見ていると固有名詞を含む世界観を完璧につかむことができます。冒頭であきらめずに根気よく見ていると楽しめてきます。
こんな敵どうやって倒すんだ

登場する敵は全て「ターミネーター」と呼ばれるロボットたちです。液体金属で構成された体を持ち、どんな姿や硬度にも変形・修復可能な「T-1000」、全身がナノマシンで構成されT-1000の能力に人間の思考を兼ね備えた「T-3000」が主要な敵として登場します。
どの相手も銃で撃とうがハンマーを叩きつけようがすぐに修復され、故障することもありません。また姿かたちを自在に変え、人間に擬態して接近することができます。いつ誰に襲われるのか気が抜けない緊迫感が作中を通して漂っています。無敵にも思える敵をどうやって倒すか、展開や戦略を予想する楽しさにあふれていました。
タイムトラベル要素が若干ご都合主義

本作で重要な要素として、タイムトラベルがあげられます。2029年に人類抵抗軍のリーダーであるジョン・コナーの母を守ること、スカイネットが起動されるのを防ぎ、未来の人類を守る目的で使用されます。このことから、過去改変の影響で未来が変わることが示されます。ですが、自身や母親が「時間軸から取り残された存在」であるから大丈夫という理論で、途中敵として登場するジョン・コナーは自身の母親を殺そうとします。主人公たちも突然出てきたこの理論を受け入れてしまいます。
ストーリーを通して、この理論により時間軸の整合性が無理やり合わせられている印象です。これを受け入れることができれば手放しで楽しむことができます。