ハンガー・ゲーム2:再び燃え盛る炎と揺れ動く心、そして革命の序章

2.8

本作はあくまで中継ぎ作品です。 正直なところアクションもストーリーも1に比べればイマイチ。そしてくどい恋愛要素。なんだろう主人公のカットニスが二股をひたすら正当化しているようにしか見えない。 褒めるところがない普通に面白くない映画です。まさかエピソードが単独で成立しないとは。

原題
The Hunger Games: Catching Fire
公式サイト
https://www.lionsgate.com/movies/the-hunger-games-catching-fire
監督
登場人物
カットニス・エヴァディーン

Actor: ジェニファー・ローレンス

第74回ハンガーゲームの勝者。象徴的な反乱の火種となる少女。強い正義感と仲間思いの性格で再び戦いに挑む。

ピータ・メラーク

Actor: ジョシュ・ハッチャーソン

カットニスと共にゲームを生き延びた青年。誠実で自己犠牲の精神を持ち、彼女を支え続ける。

ヘイミッチ・アバナシー

Actor: ウディ・ハレルソン

元勝者であり、二人のメンター。皮肉屋だが経験豊富で信頼できる存在。

スノー大統領

Actor: ドナルド・サザーランド

全体主義体制を支配する冷酷な指導者。カットニスの影響力を恐れ、彼女を抹殺しようと画策する。

ゲイル・ホーソーン

Actor: リアム・ヘムズワース

第12地区出身。カットニスとは狩猟仲間で、カットニスが信頼を寄せる数少ない人物の一人。

フィニック・オデイル

Actor: サム・クラフリン

第4地区出身の男。かつてのハンガー・ゲームでわずか14歳で勝利を収めた頭脳派。

プルターク・ヘヴンズビー

Actor: フィリップ・シーモア・ホフマン

第75回ハンガー・ゲームで新しくゲームメイカーのチーフを務める男。

配給会社

ここがおすすめ!

  • スリリングなサバイバルアクションと、革命へと続く壮大な物語
  • 監督が交代したことによるより高い映画への昇華
  • ゲームプレイヤー同士の同盟関係

あらすじ

カットニスとピータは第74回ハンガーゲームの勝者として凱旋するが、民衆の反乱の兆しに怯えたスノー大統領は、歴代勝者を再び戦わせる第75回大会〈クォーター・クエル〉を発表する。再び命を懸けた戦いに巻き込まれたカットニスは、仲間と共に体制への抵抗を決意する。

The Hunger Games: Catching Fire | Lionsgate より翻訳

映画「ハンガー・ゲーム2」(原題:The Hunger Games: Catching Fire)は、スーザン・コリンズによる同名小説三部作の第二部を原作としており、その壮大な世界観と社会批判のテーマが魅力です。前作「ハンガー・ゲーム」の衝撃から続く物語は、観る者を深く引き込みつつも、賛否が分かれるであろう要素も持ち合わせていました。

原作と前作「ハンガー・ゲーム」を振り返る

まずは本作をより深く理解するために、「ハンガーゲーム」というシリーズの原作と前作の内容を簡単に振り返りたいと思います。

原作情報

「ハンガー・ゲーム」は、アメリカの作家スーザン・コリンズが手がけたヤングアダルト向けディストピアSF小説三部作です。

  1. ハンガー・ゲーム (The Hunger Games)
  2. ハンガー・ゲーム2 (The Hunger Games: Catching Fire)
  3. ハンガー・ゲーム3:マネシカケスの少女 (The Hunger Games: Mockingjay)

舞台はパネムという名の独裁国家と化した近未来アメリカでは、キャピトルが政治の中心であり、キャピトル市民は貴族的特権を得ています。そして反乱の抑止を目的にキャピトルを囲む12の各地区から、12歳から18歳までの男女1名ずつが選出され、男女24人が殺し合う殺人サバイバルが強制されていた。

それが「ハンガー・ゲーム」です。


前作「ハンガー・ゲーム」の簡単なあらすじ

第12地区に暮らす主人公の少女、カットニス・エバディーン(ジェニファー・ローレンス)は、妹のプリムがゲームの参加者として選ばれた際、愛する妹を守るため、自ら志願してゲームに参加します。第12地区からは、カットニスともう一人、パン屋の息子であるピータ・メラーク(ジョシュ・ハッチャーソン)が選ばれ、死を覚悟した戦いに挑むことになります。彼女は弓矢の腕前と知恵を駆使し、ピータとの偽りの恋人関係を演じながら、見事ゲームを生き残りました。

再びゲームの世界へ

前作の「ハンガーゲーム」で第74回ハンガー・ゲームを制し、故郷である第12地区へと凱旋したカットニス・エバディーン(ジェニファー・ローレンス)とピータ・メラーク(ジョシュ・ハッチャーソン)。彼らは英雄として迎えられますが、この二人のハンガーゲームでの戦いとゲームでの勝利により人々の心に静かなる反抗の炎を灯すことになります。

スノー大統領は、民衆の希望となりつつあるカットニスを潰すため、極めて残酷な手段に出ます。それは、歴代のゲーム勝者たちを再び集め、より過酷な内容で開催される「第75回ハンガー・ゲーム(記念大会:クォーター・クエル)」の開催決定でした。カットニスとピータは、再び死の戦場へと送り込まれる運命に直面します。

この第75回のゲームでは、これまで以上に狡猾で、そして危険な勝利者たちが集められます。彼らは皆が一度は死の淵をさまよい、生き残った者たちであり、それぞれの思惑が交錯し、裏切りと策略が渦巻く中で、カットニスは生き残るための新たな戦略を模索することになります。そして、ゲームの裏では、パネム各地で燻っていた反乱の炎が、いよいよ本格的な革命へと向かって燃え上がろうとしていました。

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そして「ハンガー・ゲーム2」は、前作と同じサバイバルゲームを行うという単なる繰り返しではありません。物語の舞台は第12地区だけでなく、各地区を巡る「勝利のツアー」を通して、パネム全体の状況がより具体的に描かれます。貧困にあえぐ地区の住民たちの姿や、彼らの心に宿る抵抗の萌芽が描かれることで、独裁体制下の社会のリアリティが増しています。

またゲームの描写も進化しています。前作はカットニスのサバイバル色が強かったのに対し、本作ではゲーム開始前の過去の勝利者たちによる「同盟」や「策略」が重要な要素となり、より心理戦の様相を呈します。新たなゲームメーカーであるプルターク・ヘヴンズビー(フィリップ・シーモア・ホフマン)の存在も、物語に不穏な空気と伏線を加えます。

監督の変更による荒々しいドキュメンタリーからダークな映像へ

本作「ハンガー・ゲーム2」の監督は前作とは監督が異なります。1作目ゲイリー・ロス監督メガホンをとり、そして2作目「ハンガー・ゲーム2」はフランシス・ローレンス監督がメガホンを取っています。以降の「FINAL: レジスタンス」と「FINAL: レボリューション」そして「ハンガー・ゲーム0」はフランシス・ローレンスが監督しています。

フランシス・ローレンス監督へ交代により、作品の雰囲気や表現にどのような影響を与えたのかを主な変化をまとめてみました。

より壮大でダークなトーンへ映像とスタイルの変化

まずは映像の雰囲気が異なります。この変化は、荒々しいリアリティ映画としての完成度でハンガーゲームという作品の雰囲気が違う印象を受けました。

  • ゲイリー・ロス監督(前作「ハンガーゲーム」):
    • 手持ちカメラによるドキュメンタリータッチで、臨場感や緊迫感を重視した演出でした。カット割りが多く、キャラクターの主観的な視点を強調することで、観ていてもハンガーゲームというサバイバルゲームに参加しているような没入感を味わえました。
  • フランシス・ローレンス監督(「ハンガーゲーム2」以降):
    • 洗練された、映画的な映像美が感じられました。それは画面構成がより緻密になり、全体のスケール感が向上したように感じます。この雰囲気はより「映画」としての向上をかんじるt とrころがありました。またキャピトルの描写は引き続き華美ながらも、全体的にダークで重厚なトーンが強まっています。
    • アクションシーンは、より広角で全体の動きを見せるようになり、前作のような手持ちカメラの揺れは減少しました。これにより、ゲームの規模感や競技場全体の構造がより分かりやすくなったと思います。しかしながら前作から見ているとサバイバルゲームの臨場感が薄くなってしまった印象を受けました。

サバイバルゲームから革命への移行

また物語の焦点も前作から大きく路線を変更しているように感じました。

  • ゲイリー・ロス監督(1作目):
    • あくまで「ハンガー・ゲーム」というデスゲームのサバイバルに焦点が当てられていました。それはカットニスという一人の少女が、理不尽なシステムに抗い、生き残る過程を丁寧に描くことに集中していました。
  • フランシス・ローレンス監督(2作目以降):
    • 政治的な陰謀や反乱の兆しがより明確に描かれます。カットニスがいかに民衆の希望となり、革命の象徴となっていくかという革命の象徴を重視しているように感じます。それは前作のようなサバイバル単体の魅力よりも、人間関係の複雑さや政治的駆け引きに重点が置かれたと言えるでしょう。

深まる内面と広がる人間関係

主人公のカットニスの内面描写や、登場人物間の関係性にも変化が見られました。

  • ゲイリー・ロス監督(1作目):
    • カットニスの「狩人」としての本能や、妹への強い愛情といった、比較的シンプルな動機が中心でした。またピータとの関係も、ゲームを生き残るための「演技」が色濃く、シンプルな絆が描かれていました。
  • フランシス・ローレンス監督(2作目以降):
    • カットニスのゲームを通してのPTSD(心的外傷後ストレス障害)や精神的な葛藤がより深く掘り下げられます。ピータやゲイルとの三角関係は、より複雑で感情的なものとして描かれ、カットニス自身のアイデンティティや選択の苦悩が強調されました。

監督交代は、「ハンガー・ゲーム」シリーズが単なるサバイバルゲームから、より壮大で政治的なディストピア叙事詩へと進化していく上での必然的な変化だったと言えるとも言えます。ゲイリー・ロス監督は、1作目で原作の持つ衝撃的な設定を効果的に映像化し、観客をその世界に引き込むことに成功しました。一方、フランシス・ローレンス監督は、2作目以降で「ハンガーゲーム」というサバイバルゲームから、独裁国家パネムへと世界観を広げ、カットニスたちの革命へと続く物語の土台を築き上げたと言えます。

カットニスの恋愛模様

カットニスの恋愛は、本作においても重要な要素です。前作で演じたピータとの「悲劇の恋人たち」という役割は、勝利を得るためのパフォーマンスとして始まったものでした。しかし、本作ではその偽りの関係が、それぞれの本心と複雑に絡み合っていく様が描かれます。

カットニスは、ゲイルへの確かな愛情とピータとの過酷な共同生活の中で芽生える新たな感情が自身の感情の狭間で苦悩し、戸惑います。特に、ピータがカットニスを守ろうとする献身的な姿は、彼女の心を大きく揺さぶります。ただゲームを通してピータとの関わる時間が多いので、三角関係はどちらかというとピータよりになっている気がしました。

革命への序章

「ハンガー・ゲーム2」は、シリーズ全体において非常に重要な転換点となる作品です。前作が「ハンガー・ゲーム」という狂気に満ちたシステムと、それに抗う一人の少女の物語であったとすれば、本作は「革命」の序章として位置づけられます。

ゲームの裏で密かに進行する反乱の計画、そしてゲームの最終局面で起こる衝撃的な出来事は、物語の方向性を大きく変えます。カットニスは、意図せずして革命の「Mockingjay(マネシカケス)」として、人々の希望の象徴となっていきます。彼女はまだその役割を完全に自覚しているわけではありませんが、その存在自体がパネムの未来を左右する鍵となることを示唆しています。

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これは本作で描かれるのは、単なるサバイバルゲームではなく、抑圧された人々が自由を求める戦いの始まりです。パネムの支配構造が少しずつ露わになり、各地区の抵抗運動が具体的に描かれることで、物語はスケールアップし、より壮大な叙事詩へと発展していく予感に満ちています。

まとめ:フランシス・ローレンス監督による新3部作の始まり

「ハンガー・ゲーム2」は、あくまで「中継ぎ作品」という印象が強いものでした。アクションもストーリーも、正直なところ前作に比べると物足りなさを感じました。特に、正直カットニス、ピーターとゲイルによる恋愛模様は正直くどいと感じるほどでした。

そして「ハンガー・ゲーム」シリーズを観る予定のある方には、本作のみを単独で観るのは絶対にやめてほしいと強くお伝えしたいです。この作品は、前後の文脈があって初めて理解できるものであり、シリーズの二番目という中途半端な立ち位置となっているからです。

しかしながら、「ハンガー・ゲーム2」は、前作の魅力を引き継ぎつつ、さらに深化したテーマがあります。カットニスの苦悩と成長、そして革命への胎動が丁寧に描かれているとも言える作品でした。シリーズの中間にあたるのと、監督が変更されたことによる前作ファンにとっては、少々退屈とも言える内容でしたが、これは来るべき革命への土台を築く重要な役割を担っている作品でした。

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