壮大な3部作の始まり – メイズ・ランナー

6時間 ago

3.5

現実にはありえない迷宮があり、そこにもありえない機械モンスターがいて襲っていく。(ネタバレするとこれらの超SF物は最後まで見ても何なのかわかりませんでした。) 作品を追いかけてもランナーはなぜいるのかはわかりませんでした。

原題
The Maze Runner
公式サイト
https://www.20thcenturystudios.jp/movies/mazerunner
監督
登場人物
トーマス

Actor: ディラン・オブライエン

「グレイド」に贈られた最後の男性であり本作の主人公。持ち前の脚力でメイズランナーの一員となる。勇敢で機転が利くが、「グレイド」に波乱をもたらす。

テレサ

Actor: カヤ・スコデラリオ

「グレイド」に送られた人間の中で、唯一の女性。彼女を最後に、「グレイド」に人が送られなくなった。

ニュート

Actor: トーマス・ブロディ=サングスター

「グレイド」の副リーダー。親切で、トーマスに対して友好的。

ギャリー

Actor: ウィル・ポールター

「グレイド」の大工たちのリーダー。トーマスのことを信用しておらず、敵対的な言動をとる。

配給会社

ここがおすすめ!

  • 手に汗握る、疾走感あふれる展開
  • 低予算を感じさせない演出
  • 若手注目キャストの活躍

あらすじ

全世界59ヵ国NO.1ヒットのSFサバイバルアクション。生き残りたければ、迷路(メイズ)から脱出しろ! 気がつくと「彼」は上昇するリフトの中にいた。待っていたのは彼と同世代の若者たち。周囲を高い壁に囲まれ森や草地が広がる場所“グレード”には、月に一 度、生活物資とともに自分の名前以外のすべての記憶を失った一人の少年が送り込まれるという。「彼」もまた、自分の記憶が全くないことを自覚する。「彼」 はリーダーのアルビーに壁の向こうへ行かないよう言い渡される。そして、2番目のリーダーのニュートから、壁の向こうは巨大

公式ウェブサイト

2012年に公開された映画『ハンガー・ゲーム』を皮切りに、アメリカのヤング・アダルト(YA)小説と呼ばれる若者向け小説の中から、ディストピアな世界を描いた小説が次々と映画化になりました。その動きの中で2014年にアメリカで公開された映画『メイズ・ランナー』は、同様にYAディストピア小説を原作とした作品です。


そしてあまり予算がかけられなかったにもかかわらず、世界中で大ヒットし予算の約10倍の興行収入を稼ぎ出しました。その人気と原作が3部作だったことも相まって、すぐに続編の製作も正式に決定しました。最終的には3部作構成のシリーズとなる大作にいたりました。

主人公たちが駆け抜ける映画

映画『メイズ・ランナー』の特徴を一言で表現するなら、「疾走感」に尽きるでしょう。主人公トーマスたち「メイズランナー」たちがタイトルの通り、とにかく走り続ける作品でした。記憶のない状態でグレイドに連れてこられた少年たちの戸惑いと、だんだんと謎を解き明かし真実に近づいていくミステリーサスペンスの要素が本作では大きな役割を果たしています。これによる緊迫感が、トーマスたちが走る際の心拍数の上昇と駆け合わさった相乗効果が素晴らしく、見ていると一緒に心拍数が上がり、手に汗握る体験が可能になっています。

AIで作成したイメージ画像

映画全体もここにさらなる緊迫感を与えています。昼間のグレイドは日に照らされた野原といった感じで明るい色調ですが、迷路の中のうす寒く暗い映像が対比的で、より緊張感を誘いました。暗い中で何が起こっているか分からないドキドキと、駆け抜ける際の心拍数の上昇がここでもうまい組み合わせになっていたと思います。「走る」というとてもシンプルな行為が、見ている側としても想像しやすい者だけにより作品に没入できる要素になっていたのではないかと思います。

低予算だからこそ作り上げられた空間

映画『メイズ・ランナー』が日本で劇場公開された際、宣伝時に低予算であることをよく宣伝していたのを記憶しています。低予算だからこその工夫がよく話されていて、例えば迷路をすべて作る予算がなかったため、一部だけ作られたセットとCGを巧みに組み合わせて製作していたようです。このいい意味での「手作り感」が本作には良い効果をもたらしていたと思います。これはゴジラ-1.0にもいえることだと思います。ゴジラが渋谷の街を闊歩するシーンは、一部だけ作られたセットとCGを組み合わせたシーンだったり、最後の船のシーンは実際には海の上で撮影されたシーンではありません。しかしながら緊迫シーンとなっていました。

迷路の壁は頭上よりもはるか高く、まさに要塞(ようさい)のようなビジュアルをしています。時間ごとで表情を変える迷路ではありますが、その姿はいつ見ても人々に絶望を与えます。この絶望こそがディストピアという設定を作るのに重要な部分です。実際のセットとCGを組み合わせることでしか、この表現はできなかったのではないかと思います。特に迷路の仲は暗いシーンも多く、基本的に走っていて背景をじっくりと見ることができないシーンも少なくないので、この工夫がよりよかったのだと思います。個人的には、どこまでがセットでどこからがCGなのか、判別できないほどによく出来ていたと感じました。

またグレイドのキャンプ地のような雰囲気も、グレイドに連れてこられた少年たちが自ら作ったという設定なので、予算をかけた大掛かりなセットよりもこの規模で製作したのが正解だったのではないかと感じます。

注目の若手キャストが大活躍

本作の魅力の一つは、出演しているキャスト陣にもあるといえると思います。ハリウッドの大作に出演していたり、主演映画を持ちその名前だけで観客を呼び込めたりするような役者は出演しています。しかしながら、確かな演技力とカリスマ性を持った若手の俳優たちがたくさん出演しています。事実、映画の公開から10年たった今振り返ってみると、活躍の場を広げたキャストが多いなと感じます。

主人公トーマスを演じたディラン・オブライエンは『ティー・ウルフ』というテレビドラマシリーズに出演しており、アメリカではティーンにとても人気のある俳優でしたが、日本での知名度はあまり高くありませんでした。日本の劇場公開作品としては初主演で、この映画で日本でも彼を認識する人が増えたと思います。ヒロインのテレサ役を務めたカヤ・スコデラリオは、本作がハリウッドデビュー作でしたが、この後に映画「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズの新たなヒロイン役を務めるようになるなど、大きな話題を呼びました。

また子役として活躍していたウィル・ポールターやトーマス・ブロディ=サングスターといったイギリス俳優勢の出演もとても印象的で、より成長した演技ができることを本作で見事に証明していたと思います。彼らも本作以降、さまざまな作品で活躍していて、現在ではすっかり大人の実力派俳優として定着してきているイメージがあります。

まだ演技経験や知名度が浅かったキャストたちをメインに据えての映画製作には勇気がいる部分もあるのでしょうが、本作ではそれが良い方向に機能しているのではないでしょうか。

映画『メイズ・ランナー』は、人気の原作小説を持ちながらも、低予算かつ出演者の経験値や知名度も高くないなど、とても期待された一作とは言えなかったのかもしれません。しかしながら、それらが組み合わさった相乗効果がうまく機能している映画だと感じます。閉ざされた世界で仲間と過ごすのかと、そんな世界を脱出するを試みるもの。そんな対立軸を描いていました。日本のラノベのノリを約2時間退屈せず楽しめました。

さらに、ディストピアという空間で主人公たちが駆け抜ける疾走感とスリリングさが手に汗握る絶妙な作品に仕上がっています。

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このページではDisneyPlus Jpで配信中のメイズ・ランナーから執筆しました。

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