映画『マイティ・ソー/ダーク・ワールド』は、スーパーヒーローソーの冒険を描いた作品ですが、MCUファンからの評価は低いです。ソーとロキのキャラクター描写が不十分で、全体のトーンが暗くなっています。それでも、重要なインフィニティ・ストーンが初登場し、MCU全体において大きな役割を果たす作品です。観る価値はあります。
- 原題
- Thor: The Dark World
- 公式サイト
- https://marvel.disney.co.jp/movie/thor-the-dark-world
- 監督
- 登場人物
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- ソー
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Actor: クリス・ヘムズワース
本作の主人公。アスガルドの王子にして雷神。次期アスガルド王の候補で、北欧神話トールのモデル。惑星直列の影響で混乱する9つの世界を守るために奮闘する。
- ジェーン・フォスター
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Actor: ナタリー・ポートマン
本作のヒロイン。天文物理学者。前作でソーの恋人となった。現在はロンドンを中心に活動している。エーテルに寄生されてしまい、生命の危機となったところ、ソーと再会した。
- ロキ
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Actor: トム・ヒドルストン
ソーの義弟。トリックスターで、アスガルドの王の座を狙っている。北欧神話のロキのモデル。『アベンジャーズ』では、地球に大きな被害を足掻得た。
- エリック・セルヴィグ
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Actor: ステラン・スカルスガルド
天文物理学者。ジェーンの父親代わりでソーの友人。本編開始前から惑星直列への対策を講じていたが、ロキに洗脳された後遺症によって異常行動をとったために、精神病院に収容されてしまった。
- ヘイムダル
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Actor: イドリス・エルバ
アスガルドの戦士であり、ビフレストの天文台の番人。ソーの友人。北欧神話のヘイムダルのモデル。ソーに対しての忠誠心が誰よりも強い。
- 配給会社
ここがおすすめ!
- マイティ・ソーの新たなる活躍
- ヨーロッパを舞台とした壮大な物語
- インフィニティ・サーガのクライマックスへの布石
あらすじ
『アベンジャーズ』の戦いから1年 ― 全宇宙をも征服する“闇の力”から地球を救うため、アベンジャーズ最強の男ソーは、宿敵ロキとともに立ち上がる。はたしてロキは敵か味方か?
公式ウェブサイト
2011年に実写として初めて登場したスーパーヒーローのマイティ・ソー。2008年公開の『アイアンマン』から始まるマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)の中でも、ビック3の一角を占め人気のあるキャラクターの一人です。そんな彼の新たな冒険を描いた作品である『マイティ・ソー/ダーク・ワールド』は、興行的にも批評家評的にも失敗しているわけではありません。しかしながら、MCUファンが選ぶ最もつまらなかった作品として、しばしば挙げられてしまっています。
With Tom Hiddleston overshadowed by an apocalyptically dull new villain, Thor’s return is punctuated by thunderous boredom.
by The Guardian writer: Peter Bradshaw
(トム・ヒドルストンの魅力が、とんでもなくつまらない新しい悪役のせいで影を潜め、ひどく退屈な展開となっている。)
The Dark World as technically polished but formulaic. It lacks emotional depth and character development, making it feel more like a Marvel blueprint than a compelling superhero story.
Summary of Entertainment Weekly (EW) article
(マイティ・ソー ダーク・ワールドは、見た目はちゃんとしてるけど、話がマニュアル通りである。お話の感動とかキャラの成長がないから、ワクワクするヒーロー物語じゃなくて、マーベルの作り方の見本みたい。)
ソーの新たなる活躍
映画『マイティ・ソー/ダーク・ワールド』では、『アベンジャーズ』でロキを拘束した後のソーの物語となっています。映画『アベンジャーズ』ではもはや「地球の敵」となってしまった弟のロキを連れてアズガルドに帰京したソーは、9つの世界の戦争を終わらせようと戦っている姿が描かれました。本作でのソーは、戦士としてそして未来の王として悩む姿や、愛するジェーンへの抑えきれない気持ち、ロキとの複雑な兄弟関係、そして母親との死別など、数多くの試練や葛藤を抱えています。
マーベルファンの中でソーは人気キャラクターへと成長していますし、ロキもヴィラン出身でありながら多くのファンが応援する人気キャラクターとなりました。
そんな人気の二人を描いた作品であれば、好意的に見る人が多いのかと思いきや、本作はあまり人気がありません。その一つは、ソーとロキの描き方の問題だと思います。MCUにおいて、ソーは「コミカルなキャラ」としての人気を獲得しています。異星人なわけですから、地球人とは異なる感覚を持っていて、そのギャップが魅力を持っています。さらに自己肯定感が高めで抜けているところがあり、そのあたりも面白いキャラとして受け入れられています。しかし本作ではそのソーのユーモアが描き切れておらず、作品全体の暗い雰囲気も相まって、足並みがそろっていない印象を受けました。ロキにも同じことが言えます。もはやドラマシリーズが作られるほど人気のロキですが、本作ではその魅力が引き出し切れていません。そのあたりの中途半端さが、本作の不人気な理由かなと感じました。

大きなスケールで描かれる物語
映画『マイティ・ソー/ダーク・ワールド』で地球上の舞台はロンドンであり、また本作では地球以外にもアスガルドやそれ以外の星が舞台となるのですが、アスガルドもどこか中世や神話風のビジュアルとなっているため、それぞれの描写が引き立たなくなっていたように思います。また、ダークエルフたちとの対決シーンも、何となく全体のトーンが明るくないので、全体的に暗い印象を与えます。タイトルが「ダーク・ワールド」なための演出なのでしょうが、これがソーや物語のテンションと不一致なように思いました。
インフィニティ・サーガへとつながる物語
映画『マイティ・ソー/ダーク・ワールド』では、インフィニティ・サーガのクライマックスにつながる重要アイテムであるリアリティ・ストーンがエーテルという名で初めて登場しました。インフィニティ・ストーンの中でも唯一、石としての形状を有していないのがこのインフィニティ・ストーンです。インフィニティ・ストーンとソーの物語はMCUにおいて非常に結びつきが強く、インフィニティ・ストーンがMCU作品で最も早く登場したのも、前作の『マイティ・ソー』でした。『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』でもソーはエーテル関連のビジョンを見ており、『アベンジャーズ/エンドゲーム』ではソーが本作の時間軸に戻ってくるシーンもあるなど、サーガの格となる部分を担っています。

そしてソーは北欧神話をベースとしているものの、宇宙と地球をつなぐキーパーソンとしての役割も担っています。宇宙にまで広がるMCUの世界をうまくつなぎとめる役割も果たすなど、MCU全体で見るとソーは要のキャラクターです。他のヒーローたちと並んだ時にも、ソーは非常に魅力的なキャラクターに見えます。その一方で、単体の映画だとその魅力を引き出すのが難しいのか、成功作になかなか巡り合えていません。これはソー単体のシリーズ作品として考えた時の、大きな課題といえるでしょう。
北欧神話をベースとしたスーパーヒーローを描く映画『マイティ・ソー/ダーク・ワールド』。人気キャラクターであるソーのその後を描いた本作ですが、全体的なトーンがいまいちなところや、キャラクターの魅力を存分に引き出せていないことから、ファンからの支持は高くありません。その一方で、MCUのインフィニティ・サーガにおいて重要なキーアイテムが登場してフェーズ3へ繋ぐ作品となっていました。
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このページではDisneyPlus Jpで配信中のマイティ・ソー/ダーク・ワールドから執筆しました。
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