劇場版 アニメ
機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ:30年越しのアニメ化が実現した映像革命

Score 3.3

富野由悠季監督が1989年から1990年にかけて発表した小説『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』。30年以上の時を経て、ついにアニメ化が実現した本作は、ガンダムシリーズに新たな映像表現の地平を切り開いた記念すべき作品です。『虐殺器官』の村瀬修功監督が手がけた本作は、超人的なニュータイプの活躍ではなく、地に足のついたリアルな戦闘描写と人間ドラマを軸に、宇宙世紀105年の腐敗した地球連邦政府と、それに反旗を翻すテロリスト「マフティー」の闘いを描きます。 暗闇に浮かび上がる巨大モビルスーツの威圧感、市民目線で描かれる戦闘の恐怖、複雑に絡み合う人間関係──これまでのガンダム作品とは一線を画す映像美と演出が、観る者を圧倒します。3部作の第1部として、物語はまだ序章に過ぎませんが、映像作品としての完成度の高さは、続編への期待を大いに高めるものとなっています。

原題
Mobile Suit Gundam Hathaway
公式サイト
https://gundam-official.com/series/hathaway-i

© 創通・サンライズ

公式サイトSNS
監督
登場人物
ハサウェイ・ノア

Actor: 小野賢章

他の作品:

本作の主人公。反地球連邦政府組織マフティーのリーダー。表向きは植物監察官候補生として活動している。

ギギ・アンダルシア

Actor: 上田麗奈(うえだ れいな)

他の作品:

ハサウェイがシャトルで出会った謎の美少女。鋭い洞察力を持ち、ハサウェイの正体を見抜くような言動を見せる。

ケネス・スレッグ

Actor: 諏訪部順一

他の作品:

地球連邦軍大佐。マフティー討伐部隊「キルケー部隊」の司令官として着任し、ハサウェイと奇妙な友情を築く。

レーン・エイム

Actor: 斉藤壮馬(さいとう そうま)

地球連邦軍の若きパイロット。最新鋭機ペーネロペーを駆り、マフティーのΞガンダムと対峙する。

配給会社
制作会社

ここがおすすめ!

  • 30年越しのアニメ化が実現 宇宙世紀ガンダム最後の大物小説が映像化
  • 圧倒的な映像美 暗闇に浮かび上がるモビルスーツの威圧感が圧巻
  • リアルな戦闘描写 ニュータイプの超能力ではなく、地に足ついた戦い

あらすじ

「シャアの反乱」と呼ばれた第2次ネオ・ジオン戦争から12年。宇宙世紀105年、地球連邦政府の腐敗は深刻さを増し、地球環境の悪化を理由に、強制的に民間人を宇宙へ連行する非人道的な政策「人狩り」が行われていました。 そんな地球圏の現状に、「マフティー・ナビーユ・エリン」と名乗る人物が率いる反連邦組織「マフティー」が立ち上がります。連邦政府高官の暗殺という過激な手段で、腐敗した体制に挑む彼らの正体とは──。 マフティーのリーダーは、かつて一年戦争にも参加した地球連邦軍士官ブライト・ノアの息子、ハサウェイ・ノアでした。地球へ降下する高級シャトル「ハウンゼン」で、ハサウェイは謎の少女ギギ・アンダルシアと、連邦軍大佐ケネス・スレッグと偶然出会います。 この運命的な出会いが、ハサウェイの、そしてマフティーの運命を大きく変えていくことになります。

『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』公式サイト

『閃光のハサウェイ』は、その『逆襲のシャア』から12年後の宇宙世紀105年を舞台にしています。そして本作が特別なのは、宇宙世紀ガンダムにおける「最後の大物」と呼ばれる存在なのです。

機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイとは?

宇宙世紀ガンダムの系譜における特別な位置づけ

劇場アニメ『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』を理解するには、まず宇宙世紀ガンダムの歴史を知る必要があります。

1979年に放送された『機動戦士ガンダム』から始まる宇宙世紀シリーズは、一貫した時間軸で繋がる壮大なサーガです。ファーストガンダム(宇宙世紀79年)から始まり、Ζガンダム(87年)、ΖΖガンダム(88年)、そして劇場版『逆襲のシャア』(93年)へと続きます。

この後、宇宙世紀は約20年の沈黙の時代を迎えます。その後の『ガンダムF91』(宇宙世紀123年)や『Vガンダム』(153年)では、アムロ・レイやシャア・アズナブルといった初期ガンダムの登場人物たちはもはや関係しない、別の時代の物語へと移行していきます。

つまり『閃光のハサウェイ』は、初代ガンダムから連なる英雄たちの物語における最後の章なのです。30年以上にわたって映像化が待たれていた理由も、ここにあります。

原作小説とアニメ版の重要な違い

原作小説『閃光のハサウェイ』が発表されたのは1989年から1990年。富野由悠季監督自身が執筆した小説です。しかし今回のアニメ化には、重要な設定変更があります。

原作小説版の設定:


  • 劇場アニメ『逆襲のシャア』ではなく、小説版『ベルトーチカ・チルドレン』の続編
  • アムロの恋人は「チェーン」ではなく「ベルトーチカ」
  • ハサウェイがチェーンを殺すエピソードが存在しない

興味深いのは、ゲーム作品における扱いです。『SDガンダム Gジェネレーション』シリーズや『スーパーロボット大戦』シリーズでは、長年にわたって小説版『閃光のハサウェイ』の設定が採用されてきました。これらのゲームでは、ハサウェイは声優の佐々木望さんが一貫して演じており、ファンの間では「ハサウェイ=佐々木望」という印象が定着していました。

劇場アニメ版の設定:

  • 劇場アニメ『逆襲のシャア』の正式な続編
  • アムロの恋人は「チェーン・アギ」
  • ハサウェイが感情に任せてチェーンを殺してしまった罪を背負っている。この「罪」がハサウェイの行動原理に大きく影響している(特に第2弾のキルケーの魔女で如実でてきます。)

この違いは極めて重要です。本作のハサウェイは、尊敬するアムロの恋人を自分の手で殺してしまったという、取り返しのつかない過去を抱えているのです。この罪の意識が、彼をテロリストへと駆り立てる大きな要因になっているのです。

ガンダムシリーズにおける主人公の系譜

『閃光のハサウェイ』の主人公ハサウェイ・ノアは、歴代のガンダム主人公とは大きく異なる立ち位置にいます。これまでの主人公たちと比較してみましょう。

ハサウェイ・ノア(閃光のハサウェイ): テロリストであり、連邦高官を暗殺する犯罪者。しかし彼は単なる悪ではなく、真剣に地球の未来を考えた末の選択として、過激な行動に出ている。

このように、ハサウェイは歴代の主人公たちとは明らかに異なります。彼はシャアの革命思想と、アムロの人への優しさ──この両方を受け継いだ人物として描かれています。

そして何より、彼は伝説的な艦長ブライト・ノアの息子です。ガンダムファンにとって「お父さん」のような存在であるブライトの息子が、連邦政府に反旗を翻すテロリストになってしまう──この設定自体が、非常にショッキングなものなのです。

Ζガンダムで描かれる幼少期のハサウェイは、素直で真面目な少年でした。父が宇宙で戦っている間、地球で母や妹と暮らし、父への手紙を書き続けていました。「お父さん、僕も頑張ってるからお父さんも頑張ってね」というビデオレターを見たブライトが涙を流すシーンは、ガンダムファンの心を打つ名場面です。

しかし『逆襲のシャア』において、ハサウェイは人生を変える出来事に遭遇します。初恋の相手クェス・パラヤとの出会い、彼女がシャアの元へ行ってしまったこと、そして感情に任せてアムロの恋人チェーンを殺してしまったこと──これらの出来事が、ハサウェイの心に深い傷を残しました。

アムロとシャアという二人の英雄の闘いを目の当たりにし、人の心が起こした奇跡の光「サイコフィールド」を目撃したハサウェイ。彼は、人類の可能性と同時に、その限界も知ってしまったのです。

超人ではなく、人間としての闘うハサウェイ・ノア

2016年から公開された『機動戦士ガンダムUC(ユニコーン)』では、ニュータイプの超人的な力が物語の中心にありました。主人公バナージ・リンクスが乗るユニコーンガンダムは、サイコフレームの力で奇跡を起こし、時には時間を巻き戻すような超常現象すら引き起こします。

しかし『閃光のハサウェイ』は、そうした超能力的な演出とは一線を画しています。

ハサウェイも確かにニュータイプとしての素養を持っています。しかし彼が頼るのは、超常的な力ではありません。冷静な判断力、戦術眼、そして仲間との信頼関係といった地に足のついた人間としての能力で、戦場を生き抜いていくのです。

本作で特に印象的なのは、宇宙世紀105年の地球、特にハサウェイが降り立つダバオという都市の描写です。かつて豊かだったこの街は、連邦政府の腐敗と環境悪化により、深刻な格差社会となっています。

高級ホテルに滞在する連邦政府の高官や特権階級の人々と、スラム街で暮らす貧しい市民たち。同じ都市の中に、まるで別世界が共存しているのです。本作はこの格差を丁寧に描き出し、なぜハサウェイがテロリストとならざるを得なかったのかを、映像を通じて説得力を持って提示しています。

強制的に民間人を宇宙へ連行する「人狩り」の非人道性、特権階級だけが地球に残り続ける矛盾──こうした社会背景が具体的に描かれることで、物語にリアリティが生まれています。

「特権階級がいる限り、地球に人が残り続ける。例外をなくさなければいけない」──このハサウェイの信念は、シャアの「地球を住めない環境にすれば、全員が宇宙に出ざるを得ない」という極端な思想と、アムロの「人は変われる、時間をかけて改革していくべき」という理想主義の、ちょうど中間に位置しているように思いました。

捨てきれないトラウマ

しかし冷徹なテロリストであるべきハサウェイには、致命的な弱点があります。それは、過去のトラウマを捨てきれないことです。

高級シャトル「ハウンゼン」で出会った謎の少女ギギ・アンダルシア。彼女の奔放な言動、鋭い洞察力、そして何より──かつて自分が失った初恋の相手クェス・パラヤに似た雰囲気。

本来ならば、マフティーのリーダーとして、余計な人間関係は断ち切るべきです。しかしハサウェイは、ギギを放っておくことができません。

さらに悪いことに、ギギは敵であるケネス大佐に気に入られ、彼の側に留まることになってしまいます。ケネスはギギを通じて、ハサウェイの正体に迫ろうとしています。

ハサウェイは、自分の正体がばれないように演技をしながら、ギギが危険な目に遭わないよう気を配り、同時にマフティーの作戦も進めなければなりません。この三重苦が、彼を徐々に追い詰めていくのです。

「親父にもぶたれたことないのに!」と叫んだアムロを殴ったブライト。そのブライトの息子は今、父が仕える連邦政府に反旗を翻し、尊敬していたアムロの恋人を殺してしまった罪を背負い、捨てきれないトラウマに苦しみながら、テロリストとして戦場を駆け抜けています。

この複雑な人間性こそが、ハサウェイ・ノアという主人公の最大の魅力なのです。

圧倒的な映像美と市民目線の恐怖

暗闇に浮かび上がる巨大兵器

本作の最大の魅力は、何といってもその圧倒的な映像美でしょう。村瀬修功監督の前作『虐殺器官』でも暗闇の表現が印象的でしたが、『閃光のハサウェイ』ではさらに表現が深まり、「ギリギリ見えて際立つ」という絶妙な暗さを堪能することができます。ただ鑑賞するディスプレイによっては暗すぎて何が何だかわからないシーンも多々あるのも事実です。

そして特に印象的なのは、メッサーの夜間の市街地でのモビルスーツ戦です。暗闇の中、一つ目のモノアイが不気味に光り、巨大な影が街を蹂躙していく──その威圧感は、これまでのガンダム作品では味わえなかったものです。

従来のガンダムシリーズでは、モビルスーツ戦はモビルスーツのパイロット目線で描かれることがほとんどでした。しかし本作では、地上の人間目線を重視しています。

人から見上げた時のモビルスーツの巨大さ、暗闇に光る一つ目の恐ろしさ。モビルスーツが市街で暴れる中を逃げ惑う人々と同じ目線で、主人公たちが行動します。

写実的なライティング、背景美術の精密さ、キャラクターの自然な演技──すべてが高い次元で融合し、「リアルロボットアニメ」としてのガンダムが、文字通り「リアル」な映像として結実しています。

市街戦に巻き込まれる市民たちの恐怖

本作が革新的なのは、市街戦での被害を市民目線でリアルに描いている点です。

モビルスーツが市街地で戦闘を繰り広げる中、ビルは崩れ、道路は陥没し、人々は逃げ場を失って右往左往します。その恐怖が、画面を通じて生々しく伝わってくるのです。

この描写は、『ガンダムF91』における市街戦を思い起こさせます。『F91』では、モビルスーツが射出する薬莢が民間人に直撃し、あっという間に命が失われていく様子が描かれました。巨大兵器の戦闘に巻き込まれた時、人間がいかに無力であるか──その恐怖を、本作はさらに洗練された映像表現で描き出しています。

巨大なモビルスーツの足元で、民間人が逃げ惑う描写は、ロボットアニメの表現が大きく更新されたように思います。これまでのガンダム作品でも市街戦での被害は描かれてきましたが、本作では映像面でのリアリズム描写が大きく進化しており、その説得力が桁違いです。

さらに興味深いのは、主人公ハサウェイがテロリスト側の人間であることです。彼がマフティーとして行う暗殺作戦を巡って、市民の意見が様々に分かれます。

「マフティーは正義だ」「いや、ただのテロリストだ」「でも連邦政府も腐敗している」──こうした市民の声が、自然とハサウェイの耳に入ってきてしまう展開が、実に巧妙です。

割り切れない正義を巡る戦いは、ガンダムシリーズの十八番です。そうした複雑なリアリティもまた、リアルロボットアニメとしてのツボを押さえています。

複雑に絡み合う三角関係

物語の軸となるのは、ハサウェイ、ギギ、ケネスという三人の関係性です。

ハサウェイ・ノアは、表向きは植物観察官の研修生ですが、裏では反連邦組織マフティーのリーダー「マフティー・ナビーユ・エリン」として活動しています。彼は過去に、『逆襲のシャア』で悲劇的な初恋を経験しており、その傷を抱えたまま、危険な道を歩んでいます。

ギギ・アンダルシアは、謎に包まれた少女です。大手保険会社幹部の愛人という設定ですが、その奔放な言動と鋭い洞察力は、ニュータイプの素養を思わせます。上田麗奈さんの演技が素晴らしく、人間臭いピーキーな魅力が存分に表現されています。

ケネス・スレッグは、地球連邦軍の大佐で、マフティー討伐のために派遣された新司令官です。プレイボーイでもある彼は、ギギに好意を抱き、積極的にアプローチしていきます。諏訪部順一さんの演技が、このキャラクターの複雑な魅力を引き出しています。

この三人が、偶然同じシャトルに乗り合わせ、ハイジャック事件を通じて知り合いになってしまう──この運命的な出会いが、物語の起点となります。

ハサウェイは、自分が討伐対象であるマフティーのリーダーであることを隠しながら、ケネスと親しくなっていきます。まるで『デスノート』のライトとLのような、探り合いの騙し合いが繰り広げられるのです。

さらに、ギギという不確定要素が加わることで、状況は一層複雑になっていきます。彼女がハサウェイの何かを知っていると気づいたケネスは、彼女を自分の側に留め、情報を引き出そうとします。

本来ならば、マフティーのリーダーとして冷徹に任務を遂行すべきハサウェイですが、ギギを見捨てることができません。それは彼女が、かつて自分が失った初恋の相手クェス・パラヤに似ているからです。

この捨てきれないトラウマが、ハサウェイの判断を鈍らせ、徐々に包囲網を狭められていく──この心理的な緊張感が、物語に深みを与えています。

モビルスーツデザインの到達点

本作に登場するモビルスーツは、「第5世代」と呼ばれる進化の到達点です。

主人公ハサウェイが搭乗するΞ(クスィー)ガンダム、そしてライバルのレーン・エイムが操るペーネロペー──この二機は、ミノフスキークラフトという反重力機構を備えており、単独で飛行しながら戦闘できます。

従来のモビルスーツは、ジェット噴射でホバリングして「飛んでいるように見える」だけでした。しかしクスィーとペーネロペーは、文字通り重力を無視して宙を舞うことができるのです。

この技術革新により、高速での空中戦が可能となり、戦闘シーンの迫力が格段に増しています。暗闇の中、巨大な機体が音もなく滑空し、一瞬で敵を仕留める──その映像は、まさに圧巻の一言です。

興味深いのは、この後の宇宙世紀においては、モビルスーツの進化が一旦停滞する点です。約20年後の『ガンダムF91』では、逆に小型化・軽量化の方向へと進んでいきます。

つまり『閃光のハサウェイ』に登場するモビルスーツは、大型化・高機能化という進化の最高到達点なのです。この点も、本作が「宇宙世紀ガンダムの区切り」と言われる理由のひとつです。

まとめ:理想と絶望が交錯する、新時代のガンダム

劇場アニメ『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』は、30年越しのアニメ化が実現した記念すべき作品です。そして3部作の第1部として制作されています。つまり、物語はまだ序章に過ぎません。

圧倒的な映像美、リアルな戦闘描写、複雑な人間ドラマ──すべてが高い次元で融合し、ガンダムシリーズに新たな地平を切り開きました。

またハサウェイとケネスの探り合い、ギギとの関係性、マフティーの組織内部の事情、連邦政府の陰謀──すべてが動き始めたばかりです。多くの謎は未解決のままであり、クライマックスは第2部、第3部へと持ち越されます。

冒頭のハイジャックシーン、中盤の探り合いと人間ドラマ、そして終盤の市街地モビルスーツ戦──各パートが緊密に構成され、95分という上映時間を飽きさせることなく駆け抜けていきます。

第2部『閃光のハサウェイ キルケーの魔女』は、2026年1月に公開されました。約4年半の時を経て、ついに物語が再び動き出します。原作にはないオリジナル要素が多く追加されるとのことで、原作ファンも初見の観客も、等しく楽しみに待つことができます。

ガンダムファンはもちろん、これまでガンダムに触れてこなかった人にも、ぜひ観ていただきたい作品です。暗闇に浮かび上がる巨大モビルスーツの威圧感、市民目線で描かれる戦争の恐怖、そして理想と絶望が交錯する人間ドラマ──その映像体験は、きっとあなたの心に深く刻まれることでしょう。

各サイトのレビュースコア

1989年に富野由悠季が発表した小説が、30年以上の時を経てついに銀幕へと解き放たれた。村瀬修功監督が描き出したのは、従来の「ロボットアニメ」の枠組みを鮮やかに飛び越え、湿度の高い空気感と政治的リアリズムが交差する、極上のノアール・サスペンスだ。

プラットフォーム別傾向とレビューコメント

IMDb (6.6 / 10)

国際的な評価としては、ガンダムという長大なサーガの文脈をどこまで理解しているかでスコアが分かれる傾向にある。

  • 「アニメーションの技術的到達点は驚異的」

  • 「政治劇が重厚で、大人向けのSFとして楽しめる」

  • 「新規視聴者には背景設定の説明が不親切に感じるかもしれない」

Rotten Tomatoes

  • Critics 86 / 100:映像美と演出のトーンが高く評価され、「ジャンルを再定義する野心作」との声。

  • Audience 79 / 100:既存ファンからの支持は厚いが、物語が完結せず「三部作の序章」である点に戸惑う層も。

映画.com 3.8 / 5 | Filmarks 3.8 / 5

日本の観客はキャラクターへの感情移入や「ガンダムらしさ」を重視するが、本作の大人びた演出には概ね好意的だ。

  • 「夜間戦闘の光の表現が、これまでにないほどリアルで恐ろしい」

  • 「ハサウェイ、ギギ、ケネスの三人の緊張感が素晴らしい」

  • 「三部作の1作目なので、スッキリ終わらないのは承知の上だが、続きが待ち遠しすぎる」

あにこれ (77 / 100)

アニメ特化サイトでは、モビルスーツの重厚感や音響設計へのこだわりが評価の軸となっている。

  • 「コックピット内の描写や、MSが”巨大な質量”として描かれている点に感動」

  • 「BGM(澤野弘之)が映像のスケール感と完璧にマッチしている」

総評:アニメの皮を被った「冷徹な映画」

本作は、かつてのアムロとシャアの理想と絶望を一身に背負わされた青年、ハサウェイ・ノアの苦悩を、これ以上ないほど「映画的」なアプローチで描き出している。

特筆すべきは、モビルスーツを単なるヒーローメカではなく、街を焼き、人々を恐怖に陥れる「兵器」として徹底的に描写している点だ。夜のダバオで繰り広げられる市街戦は、地上の人間からの視点を貫くことで、観客に凄惨な臨場感を突きつける。

「富野由悠季の文学性を、村瀬修功の映像センスが補完した」

この一言に尽きる。難解になりがちな政治的対立を、キャラクターの視線やため息、そして洗練された美術設定で語らせる手腕は見事だ。これは単なるファン向けのアイテムではなく、現代社会の閉塞感に一石を投じる、国際的な評価に耐えうる一級のアートピースといえるだろう。

本ページの情報は 時点のものです。
各サイトの最新スコアは各々のサイトにてご確認ください。

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