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映画 アメリカザ・ロストシティ:笑いと冒険が詰まった、大人のための極上トレジャーハンティング
80年代の冒険映画『ロマンシング・ストーン』や『キング・ソロモンの秘宝』を彷彿とさせる、王道のトレジャーハンティング・アドベンチャーが帰ってきました。サンドラ・ブロックとチャニング・テイタムという最強コンビの化学反応、そしてブラッド・ピットの豪華カメオ出演が話題を呼んだ本作は、笑いとロマンス、そしてスリリングな冒険が絶妙にブレンドされた、大人のための痛快エンターテインメントです。 -
映画 アメリカブレット・トレイン:新幹線が舞台の殺し屋大乱闘!ハリウッド流”日本”が炸裂する娯楽大作
ブラッド・ピット主演の痛快アクション『ブレット・トレイン』は、伊坂幸太郎の小説「マリアビートル」を原作とした、新幹線を舞台にした殺し屋たちの狂騒劇です。デヴィッド・リーチ監督(『ジョン・ウィック』『アトミック・ブロンド』『デッドプール2』)が手がけた本作は、ガイ・リッチー風のスタイリッシュな演出と、タランティーノ的なオタク感が融合した、見応えたっぷりの娯楽作品に仕上がっています。ハリウッド流の"トンチキ日本描写"にツッコミを入れたくなる場面は多々ありますが、それも含めて楽しめる懐の深さが魅力です。限られた空間で展開される緻密な伏線回収、豪華キャストの競演、そして「運命」と「因果応報」という普遍的なテーマが、高速で疾走する物語に深みを与えています。 -
映画 アメリカX エックス:老いと欲望が交錯する、新時代のスラッシャーホラー
A24が初めて手がけるシリーズ作品として注目を集めた本作は、70年代ホラー映画への深い愛情と現代的な視点が見事に融合した意欲作です。『悪魔のいけにえ』を彷彿とさせるざらついた映像美と、老いと性欲という普遍的なテーマを掛け合わせた本作は、単なるスラッシャー映画を超えた深みを持つホラー体験を提供してくれます。 -
映画 アメリカアンビュランス:ノンストップ136分の狂騒曲
『トランスフォーマー』『バッドボーイズ』シリーズで知られる爆発演出の巨匠、マイケル・ベイ監督。その最新作『アンビュランス』は、2005年のデンマーク映画をリメイクした中予算アクション大作です。予算4000万ドルという、ベイ作品としては比較的抑えられた規模ながら、画面に映る破壊の規模は予算を遥かに超えた迫力を誇ります。本作が注目を集めた理由は、ベイ監督が『ザ・ロック』や『アルマゲドン』といった90年代の名作で魅せた、骨太なアクション映画への原点回帰を予感させたからでした。FPV(一人称視点)ドローンを駆使した革新的な撮影手法、ノンストップの追跡劇、そして何より「救急車という密室」を舞台にした緊張感――予告編を観た誰もが、久々にベイ節が炸裂する娯楽作を期待したのです。しかし実際に視聴してみると、そこには期待通りの爆発的興奮と、同時に予想以上の苛立ちが待ち構えていました。 -
映画 日本さがす:父娘の絆が試される衝撃のサスペンス
大阪の下町を舞台に、失踪した父を探す娘の物語が、予想を裏切る展開で観る者を圧倒する衝撃作です。一見すると父娘の絆を描くヒューマンドラマのように見えますが、その実態はポン・ジュノ監督『母なる証明』を彷彿とさせるダークサスペンス。佐藤二朗の怪演、蒔田彩珠の成長譚、そして清水尋也の不気味な存在感が絶妙に絡み合い、「善悪の境界線」というテーマを鮮烈に描き出しています。 -
映画 アメリカアンチャーテッド:人気ゲームの実写化に挑む!痛快アクション・アドベンチャー
PlayStationの看板タイトルを実写化した映画「アンチャーテッド」は、派手なアクションと軽快なバディムービーの要素を組み合わせた娯楽性全開の冒険映画です。原作ファンからは賛否両論あるものの、トム・ホランドの身体能力を存分に活かした圧巻のアクションシーンと、マーク・ウォールバーグとの息の合った掛け合いが魅力的。物語の厚みや謎解き要素には既視感があるものの、頭を空っぽにして楽しめる痛快な一本に仕上がっています。 -
映画 アメリカコンパニオン:プログラムされた愛が暴走する時、ロボットは人間を超える
新進気鋭の女優ソフィー・サッチャーが、また一つ忘れられない役柄を手にしました。『ヘレディタリー』や『イエロージャケッツ』で注目を集めた彼女が、今度は恋人型ロボットという難役に挑んだSFスリラー『コンパニオン』。一見すると『ノートブック』のような甘いラブストーリーを予感させる導入から、予想外の方向へと舵を切るこの作品は、2025年1月公開としては異例の高評価を獲得しています。 ドライでオシャレな映像美、ブラックユーモアと緊張感の絶妙なバランス、そして何より、可笑しさも哀しみも痛快さもひとりで背負って見せたソフィー・サッチャーの圧倒的な存在感。初監督作品とは思えない完成度で、AI時代の恋愛と支配を鋭く描き出した本作は、彼女のキャリアを象徴する代表作となるに違いありません。 -
映画 アメリカアバター:革命的な3D映像が切り開いた新時代
2009年12月、ジェームズ・キャメロン監督が映画「タイタニック」以来の12年ぶりに世に放った『アバター』は、映画史における技術的な分水嶺となりました。3D映像技術とモーションキャプチャーシステムの革新により、観客を未知の惑星パンドラへと誘う圧倒的な視覚体験を実現。当時、3Dメガネを装着して映画を観るという体験は多くの人々にとって新鮮な驚きであり、本作は世界中で約28億ドルという空前の興行収入を記録しました。しかし、その革新的な映像表現の陰で、『ダンス・ウィズ・ウルブズ』や『ポカホンタス』といった先行作品の影を色濃く残す物語構造は賛否を呼びました。技術革新と陳腐なストーリーテリングが同居する、2000年代を象徴する問題作です。 -
映画 アメリカナイブズ・アウト:グラス・オニオン “豪華絢爛なる愚者たちの饗宴”
ライアン・ジョンソン監督が贈る『ナイブズ・アウト』シリーズ第2弾は、前作を凌駕する豪華さと野心を携えて登場しました。億万長者の私有島を舞台に展開される殺人ミステリーは、表面的な煌びやかさの下に現代社会への鋭い批評を潜ませた、知的エンターテインメントの傑作です。ダニエル・クレイグ演じる名探偵ブノワ・ブランは、さらなる深みを獲得し、もはや現代ミステリー界の新たなアイコンと呼ぶにふさわしい存在となっています。 一方で、過度に様式化されたキャラクター造形や、プロットの都合主義的な展開には賛否が分かれるでしょう。しかし、Netflixという巨大プラットフォームの資金力を存分に活用した映像美、スター俳優陣の豪華な競演、そして2度目の鑑賞で新たな発見がある緻密な脚本は、本作をホームシアターで何度も楽しむ価値のある作品へと昇華させています。 -
映画 アメリカナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密:古典ミステリーの殻を破る痛快な知的遊戯
一見すると古典的な館ものミステリーの装いを纏いながら、その実、ジャンルそのものを解体し再構築する知的であり実験的なミステリー映画でした。『最後のジェダイ』で賛否両論を巻き起こしたライアン・ジョンソン監督が、今度はミステリー映画というジャンルに挑戦状を叩きつけました。豪華キャストによる演技合戦、メタ的な視点から繰り出されるユーモア、そして観客の予想を次々と裏切る脚本の妙技。アガサ・クリスティーへのリスペクトを示しながらも、決してそこに留まらない野心的な作品となっています。





