もしドラえもんが現実にいたら…3DCGアニメーションに釘付け!
本作品は3DCGアニメーションによって描かれており、私たちが親しみのあるドラえもんとはひと味違います。
言うなら「私たちの住む世界にもしドラえもんがいたら、きっとこんな感じなのだろう」と思わされるくらいあの世界観がリアルに描かれています。
のび太たちが住む町もアニメと現実の中間みたいですし、なにより髪や洋服が風によってサラサラと揺れるんですよね、とってもリアルに!肌の質感も、ちょっとしたシミやそばかすが見えるような気さえしました。
のび太やしずかちゃんも私たちが知っているフォルムとは少し違って、生身の人間のように描かれているので、それがまた「現実にこの子達がいたらこんな感じかぁ」とクワクするんです。ドラえもんの世界観をより肌で感じることができました。
懐かしのエピソードが集約!
本作は、原作エピソード複数が1本に集約されており、ドラえもん世代や原作ファンであればどれも知っているようなエピソードが元になっています。
ドラえもんとのび太の出会いから始まり、しずかちゃんがのび太を結婚相手に選ぶ決定打となった回『雪山のロマンス』、2人の結婚前夜を描いた『のび太の結婚前夜』、そしてのび太の幸せな未来が約束され、ドラえもんが未来に帰る回『帰ってきたドラえもん』が描かれています。
そして、ドラえもんといえば”ひみつ道具”。これは是非観たい!という道具は登場してくれるので、胸が高なって仕方ありませんでした。
よく登場する””タイムマシン”ですが、昔は簡易的に描かれていた記憶ですが、本作では細部までリアルにそして近未来的に描かれています!かっこよくて、こんなに運転が難しそうなマシンだったのか!と、難なく運転するドラえもんとセワシ君に初めて未来人感を感じました。
ドラえもんの道具って便利でワクワクしますが、実際そんなのいる?っていうものとか、よくよく考えると結構残酷なものがあったりしますよね(笑)それがまた、いい味を出しているんですけどね!
涙腺崩壊シーンしかない!
大人になってからドラえもんをみて、こんなにも号泣するとは思いませんでした。
私たちがずっと見守ってきた彼らの友情物語が、ここに凝縮されています。
何をやっても上手く行かず、ジャイアンやスネ夫にいじめられている「ダメダメ少年」というのがのび太の代名詞だと勝手にに思っているのですが、原作をみても分かるように彼らの間には強固な絆があります。
ダメダメ少年でも、いじめられても、なおジャイアンたちとは親友であり、しずかちゃんとは結婚するのです。
なぜのび太は、そんなにもみんなに愛されているのか?
その理由が、非常によく分かるように描かれている作品だなと思いました。
作中に登場する台詞ですが「のび太は人の幸せを喜び、不幸を共に悲しむことができる人間だ」とあります。
ああ、だからか。ととても腑に落ちた気がしました。そして号泣です。
彼らがのび太を思う気持ち、そしてのび太がドラえもんや彼らを思う気持ち。優しく愛情に溢れた行動や台詞に涙腺が崩壊しました。
過去の色んな「ドラえもん」の記憶が蘇ってきて、これまでのあの出来事や、この出来事、色んな経験を経てここまでの強い絆が生まれたんだな…と、一緒に子供時代にタイムスリップしながら、嬉しくて愛おしくて幸せな気持ちになりました。
大人になると仲間とか絆とかって言葉、沁みませんか
結婚前夜に独身パーティとして、のび太、ジャイアン、スネ夫、出木杉君が集まるシーンがあります。
ああ、あの子たちがこんなに大きくなって(絶対年上だと思いますが)まだ親友でいてくれたんだ…。そんなことを思う、胸が熱くなるシーンです。
大人なると子供の頃のように好奇心やワクワクすることも減り、友人と共に時を過ごす時間なんて本当に限られてきますよね。それを寂しいと思いながら、過去に戻ることは叶いません。
そんな時に、友情っていいな!絆っていいな!とかちょっとくさい言葉に浸りながら、気持ちよくわんわん泣ける作品だと思いました。