ジャック・スパロウが、元恋人のアンジェリカとその父である大海賊・黒ひげと共に、**伝説の「生命の泉」**を探す冒険に巻き込まれます。前作からの続編ですが、まるでインディ・ジョーンズのような新たな展開が楽しめます。 お馴染みのバルボッサも登場し、片足を失いつつも存在感を発揮。アンジェリカ役のペネロペ・クルスと、黒ひげ(エドワード・ティーチ)の登場もファンには嬉しいポイントです。美しくも恐ろしい人魚や、常に謎めいたバルボッサの動向も見どころ。ブラック・パール号の衝撃的な状況が、次作への期待を高めます。
- 原題
- Pirates of the Caribbean: On Stranger Tides
- 公式サイト
- https://www.disney.co.jp/studio/liveaction/1100
- 監督
- 登場人物
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- ジャック・スパロウ
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Actor: ジョニー・デップ
本作の主人公。伝説の海賊の一人で、常に予測不能な振る舞いで敵も味方も翻弄し続ける。アンジェリカとは過去に因縁がある。
- アンジェリカ
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Actor: ペネロペ・クルス
謎めいた魅力を放つ、女性海賊。ジャック・スパロウとは過去に因縁がある。実は黒ひげの娘で、父親に対して大きな愛情を抱いている。
- 黒ひげ
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Actor: イアン・マクシェーン
伝説の海賊。最も恐ろしい海賊の一人で、アンジェリカの父親。永遠の命を狙い、「生命の泉」を目指している。
- ヘクター・バルボッサ
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Actor: ジェフリー・ラッシュ
かつてはジャック・スパロウの宿敵だった、伝説の海賊。策士として数々の戦いに挑んできた。本作ではある復讐に心を燃やしている。
- フィリップ・スウィフト
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Actor: サム・クラフリン
黒ひげの船に同行していた、聖職者。聖職者として神に忠誠を誓う一方で、海賊たちと日々を共に過ごし、葛藤を抱えている。人魚のシレーナと恋に落ちる。
- 配給会社
ここがおすすめ!
- 帰ってきたジャック・スパロウ
- 時代色の強まった一作
- 人魚との切ない恋物語
あらすじ
孤高の海賊ジャックの前に、過去にジャックが愛した女海賊アンジェリカが突然現れる。彼女が敵なのか、味方なのかも分からないまま、ジャックはアンジェリカと共に、永遠の命をもたらすという伝説の<生命(いのち)の泉>を探す旅に出る。その頃、史上最恐の海賊“黒ひげ”や、海軍に寝返った元海賊バルボッサも、この禁断の宝を求めて動き出していた。彼らの行く手を阻むのは、<生命の泉>の鍵を握る美しくも恐ろしい人魚たち。それぞれの野望と裏切りが渦巻く中で、<生命の泉>に辿り着くのは一体誰なのか―。
公式ウェブサイト
2003年に一作目『パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち』が公開され、人気シリーズとなったこのシリーズは、三部作として構想され、2007年に公開された「パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド」で幕を下ろしました。
そんな「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズが、なんと2011年に予想外の復活を果たします。それが本作、『パイレーツ・オブ・カリビアン/生命の泉』です。人気シリーズはいったいどのような復活を遂げたのでしょうか。
ジャック・スパロウと仲間たちの帰還
映画『パイレーツ・オブ・カリビアン/生命の泉』で主人公として登場するのは、過去3作と同様、ジョニー・デップ演じるジャック・スパロウです。彼がいないとこのシリーズは語れません。しかし残念ながら、もう一人の主人公で立ち位置であったウィルやヒロインのエリザベスの続投はかないませんでした。ただ密かな人気キャラクターの一人、バルボッサが本作でも活躍を見せています。
ジャックは相変わらずのつかみどころがないようであるようなキャラクターのままで、大きな変化は見られません。その一方で、本作で新たにヒロインとなったアンジェリカがジャックの元恋人という設定で、前作までのエリザベスとのあいまいな関係とは全く異なった、大人の恋愛の駆け引きを楽しむことができます。
この二人の新たなダイナミックさは、本作のとても良い要素だったと思います。特にエリザベスの曖昧さはファンの中で物議を醸していたため、本作でのアンジェリカとの一筋縄ではいかないもののストレートな駆け引きは、見ていてとても心地よかったです。
そして、もはやシリーズ一番の人気キャラクターと呼べそうなのが、素晴らしい音楽の数々です。数年間のブランクがあったからか、映像の質感も何となく前作までと異なっているように感じられたのですが、あの一度聴いたら頭から離れないアイコニックな音楽が流れた瞬間、一気にシリーズの世界観に引き込まれました。戦いのシーンを中心にテーマソングは使用されていますが、それだけでシーンの出来が格段に上がったように感じさせられました。
ジャックとアンジェリカ、予測不能な愛憎劇!
『パイレーツ・オブ・カリビアン/生命の泉』での新ヒロインであるアンジェリカは元恋人でありながら、ジャックを欺き、時には協力し合う姿はまさに予測不能な愛憎劇でした。
アンジェリカの魅力は彼女がジャックと互角に渡り合える唯一の女性だと思います。彼女はエリザベスとは異なり、ジャックの策略を見破り、あるいは自らも彼を欺くなど、一歩も引かない姿勢を見せます。この対等な関係が、独特の緊張感と化学反応を生み出しました。
「本当に憎み合っているのか、それともまだ愛が残っているのか?」という、二人の本心が読めない点が本作の大きな魅力です。命の危険に瀕した際には助け合う場面もあり、その複雑な感情の揺れ動きに視聴者は引き込まれました。ペネロペ・クルスが演じたアンジェリカは、強気でありながらも脆さを持ち合わせ、ジャックに負けない存在感を放っていました。
『パイレーツ・オブ・カリビアン/生命の泉』におけるジャックとアンジェリカの関係は、単なる恋愛に留まらない、深みとスリルを与えた愛憎劇だったと言えるでしょう。
唯一原作のある「パイレーツ・オブ・カリビアン」作品
映画『パイレーツ・オブ・カリビアン/生命の泉』は、実はシリーズの中で唯一、原作を持っている作品でもあります。シリーズ自体はディズニーリゾートにあるアトラクション「カリブの海賊」を題材としていますが、特に原作の小説などはなく、ストーリーはオリジナルのものでした。しかし、本作ではティム・パワーズの『幻影の航海』という小説を原作としています。この小説は、本作の公開に合わせて一部では『生命の泉』に改題して出版もされています。とはいえ、小説に忠実な映画化とは言えず、「生命の泉を目指す海賊たち」というプロットや、その冒険にまつわるサブプロットが利用されているだけ、となっています。
今回は原作があるからか、シリーズの中でも時代をより反映する作りになっているともいえます。本作で主要人物の一人として登場する伝説の海賊「黒ひげ」は、本作の舞台となっている時代に実在していた著名な海賊エドワード・ティーチです。彼については不明な点も多いですが、さまざまな作品に手題材とされるなど、非常に人気の人物です。また作品ではイギリスとスペインの衝突も大きな要素となっており、王族の権力や宗教などといった題材がより史実に近い感覚で、前作まで以上に色濃く盛り込まれていたように感じました。

『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズのプロデューサーであるジェリー・ブラッカイマーは、「生命の泉」伝説を中心に据えるにあたって、小説『幻影の航海』の魔術的な要素と歴史のミックスが作品に合うと判断し、インスパイアの元として採用したとされています。
ディズニーは正式にティム・パワーズから映画化権を購入しており、著者にもクレジットが与えられています(ただし「based on」ではなく、「suggested by」的な扱い)。
切ない人魚姫の物語
映画『パイレーツ・オブ・カリビアン/生命の泉』で目を引く要素として、人魚と人間の切ない恋物語が挙げられます。純真な美男と美女の禁断の恋物語は、「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズにつきものの一つです。シリーズの「呪われた海賊」から「ワールドエンド」までの3部作ではこのパートをウィルとエリザベスが担っていました。
本作では、聖職者フィリップと人魚のシレーナという二人の切ない恋物語が描かれています。二人の関係は名前からも示唆されていました。フィリップは、聖書における12使徒のフィリポから取られた名前と推測されますが、さまざまな場所で伝道を行ったことで知られており、海賊と共に旅をしながら神の御心を伝えるというキャラクターにぴったりです。その反面、「馬を愛する者」という意味も持つ名前で、馬で周囲を圧倒し制圧する国王もよく使用する名前でもあります。

そんな彼が人魚につけたシレーナという名前は、ギリシャ神話のセイレーンから取ったであろうことが、容易に想像できました。フィリップがシレーナと名付ける行為は、植民地主義的に王道な展開でよく議論されるテーマです。一見、純朴で人魚に惑わされたかのように見えるフィリップですが、キリスト教の伝播や他の種族の生き物に勝手に自分たちの世界で通用する名前を付けるなど、「侵略者」の王道的な動きを見せたのが興味深かったです。その反面、二人の物語の結末はありきたりではなくとても興味深く、その対比が魅力的だと思いました。
まとめ:アトラクションのような映画
映画『パイレーツ・オブ・カリビアン/生命の泉』は、三部作で完結したはずの「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズの、続編です。三部作からは独立した作品なので、単体として楽しむことも可能です。ジャック・スパロウを中心としたなじみのキャラクターや音楽に加えて、初の原作がありより時代感が味わえる本作では、聖職者と人間の恋物語も楽しむことができます。2時間半とやや長い作品ではありますが、アトラクションを楽しむような気持で楽しめる作品となっています。
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