「機動戦士ガンダム00 」シリーズで有名な水島監督と「魔法少女まどか☆マギカ」などで知られる虚淵玄氏が脚本を担当したオリジナルな3DCGアニメとなります。虚淵玄氏が脚本したSFアニメだと「PSYCHO-PASS サイコパス」シリーズがありますが、本作はカジュアルで世界感は明るめでした。
2極化した世界観
本作の世界は、地球の上で軌道に浮遊する電脳世界ディーヴァで電脳人格となって過ごす者と、地球で少ない資源を頼りに生きる者とで2極化しています。この地球ではなく宇宙で不自由なく生きるもと地上でその日を懸命に生きるものとの対比はニール・ブロンカンプ監督の「エリジウム」に通じるものがあります。

そんな世界において本作の主人公であるアンジェラは、ディーヴァ保安局の凄腕エージェントとして活躍しています。そんなアンジェラのもとに、ディーヴァへ度重なるハッキングし、自らを「フロンティアセッター」と名乗るものを阻止すべく地上へ降り立ちます。
壮大なストーリーが完結にまとまっていて見応えがある
本作は荒廃したポストアポカリプス未来を舞台に出自の異なる美少女と頼れる兄貴のバディ物です。これを虚淵玄脚本らしい、必要なツボをきちんと押さえたエンタメで作品となっていました。
そしてSFの中でも、サイバーパンクと呼ばれるジャンルにあたる『楽園追放 -Expelled From Parardise』。サイバーパンクとは、技術進歩によって発展した近未来で起こりうる現在と異なる思想や社会性などを描くものになります。
電脳世界という特殊な世界設定で、仮想と現実、多様なメカ、人間の生き様などが映されていました。現実的に電脳世界はありえないと思われますが、VR、AR、MRなどで仮想空間を体感できる技術は私たちの身近に迫ってきています。そう考えると、電脳世界もあながち非現実的な話ではないのかもしれないと、ワクワクさせてくれます。
作画が綺麗
本作は、映像制作会社グラフィニカによって製作されました。3DCG技術が高く、手書きと3DCGの技術をいい塩梅で融合しています。
ビジュアルだと「セクシーでかわいい女の子」と「お調子者だけど頼りになる相棒」と「SFのパワードスーツ」という雰囲気があります。これは深夜アニメ(いまだと配信が主流になりつつあるので深夜アニメという括りではなくなってきたかも)にありがちな組み合わせですが、これをハイレベルに構築した傑作アクションエンタメ作品です。

もっとも評価したいのが、テンポが良いシーンの数々でしょう。最初のアンジェラが地上に降り立つしーんから最後までトントン拍子に話が進んでいきました。また本作の特徴でもある全編が3DCGアニメとなり、この技術を活用したアクションシーンは、立体感を上手く活かしており、スピード感も抜群です!これこそまさに縦横無尽でありつつ、動きが早すぎて何が起こっているのか良くわからないということもなく、ちょうど良い塩梅にまとめられています。
キャラクターの美しさはもちろん、特に見応えがあったのは、終盤のヒロインのアンジェラがフロンティアセッターに解放され最終的に打ち上げられる場面。戦闘機の動きや爆発の迫力などに圧倒されてしまいます。フルCGで演出する部分と手描きと融合する部分、そして必要に応じてエフェクトを追加するなど、数多くのアニメーションを観てきた人でも大絶賛したくなる完成度の高さを楽しむことができます。
声優キャストが豪華
『銀魂』で神楽役、『トラどら!』で逢坂大河役を演じた釘宮理恵がヒロイン・アンジェラを演じています。その他、『ポケットモンスター』『3月のライオン』に出演した三木眞一郎、『ONE PIECE』『おそ松さん』に出演した神谷浩史、『名探偵コナン』シリーズで知られる林原めぐみ、高山みなみなど、数多くの実力派声優たちがキャスティングされています。
アニメファン、声優ファンにはたまらない豪華さで製作されています。
みんなのコメント
- 技術進歩と地球人の対立構造が確立されていく、いわば絶対管理社会のようなディストピアについて描かれているが、SF知識がない人が見てもわかるほどシンプルで誰が見ても楽しめる作品。
- 周りがみんなお尻がいいと言うから、観たらお尻も胸も顔の表情も動きが豊かですごく良かった。アンジェラだけのために見ても素晴らしい3DCGアニメーション。
- 今まで3DCGは敬遠していたけれど、ゾクゾクするような戦闘シーンが良かった。
- 緊張感のあるストーリー、爽快感のあるアクションで面白く、誰かにお勧めしたいと思った。
- アニメに詳しくなくても知っているレベルの声優さんがたくさん出ていた。