2025/07 ~ 2025/09 | 2025夏に鑑賞したアニメ、ドラマのまとめ

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アニメ

タコピーの原罪

タコピーの原罪
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タコピーの原罪
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「タコピーの原罪」は、タイザン5先生による「少年ジャンプ+」に短期連載された漫画です。

物語は、いじめられっ子の少女・しずかと、地球にハッピーを広めるためにやってきた、タコのような姿をした宇宙人・タコピーがハッピー道具で彼女を救おうとするタコピーの出会いから始まります。

しかし、タコピーの純粋な行動は、かえって事態を悪化させてしまい、やがて悲劇が起こります。この悲劇がとにかく重くて重くて心を揺さぶられます。ドラえもんの夢の道具が悪い方向に進んでいるお話でした。

タイムリープ能力を持つ「ハッピーカメラ」を使い、タコピーは過去をやり直そうと奔走しますが、そこにはいじめの加害者であるまりなちゃんや、もう一人のクラスメイト・東君など、それぞれが複雑な家庭環境や問題を抱えた子どもたちの現実が横たわっていました。

タコピーのかわいらしい絵柄とは裏腹に、いじめ、ネグレクト、虐待といった重いテーマを真正面から描き、その原作を忠実にアニメ化していました。コミックが上下2巻と少ないため、アニメも全6話と短いです。

ただ6話と短いながら1話1話が、それぞれのお話で心が揺さぶられるため一気見はおすすめできないですね。

クレバテス-魔獣の王と赤子と屍の勇者-

本作は岩原裕二による「LINEマンガ」オリジナル作品です。縦スクロール・フルカラーのウェブトゥーン形式で連載中、初の本格ハイ・ファンタジーとして挑んでいる作品です。

ハイ・ファンタジーと銘打っていますが、魔法ではなく剣のメインとしたアクションアニメでしたね。冒頭で勇者一頭が全滅するというお約束の展開があまり無く、そんなお約束を裏切ってくるのが楽しみでした。魔獣✖️子育てという、従来のファンタジー作品とは異なる展開でした。

作品の世界観的に結構ベルセルクが近いかな。そしてなんといっても真面目な勇者アリシア人外の思考を持つクレバテスとのズレから生じるコミカルな描写が微笑ましい作品でした。

第1期の終幕とともに発表された第2期「クレバテスII-魔獣の王と偽りの勇者伝承-」への期待は、もはや抑えがたいものとなっている。

強くてニューサーガ

阿部正行による日本のライトノベルで、「小説家になろう」にて2012年5月より連載されており、書籍版はアルファポリスより2013年4月から2018年7月にかけて刊行されていました。また三浦純によるコミカライズがアルファポリスのサイトにて連載中です。

魔族が仕掛けた大規模な戦争「大侵攻」によって人族が滅亡寸前にまで追い込まれた世界で、青年・カイルがかけがえのない存在と故郷を失いながらも魔王討伐を果たし、その後に待ち受ける運命を描いた、二度目の人生を歩む魔法剣士の物語です。

二度目の人生ということで、過去を知っている強みを活かすという、正直単なるやり直し系かなと思いました。正直そこかで見たことのあるストーリーであり、キャラクター同士の関係性もテンプレートみたいでしたね。

なろう系作品の定型を踏襲している部分は否めませんでした。

まったく最近の探偵ときたら

五十嵐正邦による人気漫画『まったく最近の探偵ときたら』(電撃マオウ連載、既刊15巻)を原作とすのアニメ化作品です。

ギャグアニメらしく固くならずみれました。そして本作はキャストが絶妙です!だいたい1話が前後と分かれた兄姉になるショートショート形式の構成において本当に「テンポ」がよかったですね。

そして諏訪部さんの落ち着いた語り口と花澤さんのハイテンションな演技が作り出すコントラストは、まさに漫才の「ボケ」と「ツッコミ」の関係でした。あと本当のヒロインである風巻ハナがいじられキャラも見ていて微笑ましいです。

ただOPを聴くたびに自分のこととして感じられるのが、つらくて寂しい😭。

桃源暗鬼 第1クール

「週刊少年チャンピオン」(秋田書店)で人気連載中の漆原侑来(うるしはら ゆうき)による漫画作品を原作です。普通の少年だった一ノ瀬四季が、突如として自らの血に眠る「鬼」の宿命と桃太郎機関と対峙します。

誰もが知る昔話「桃太郎」を現代版ですが、「」や「血蝕解放 (けっしょくかいほう)」などどこか「鬼滅の刃」を彷彿とさせる演出なので、特に目新しさは感じませんでした。

第1クールは主に四季が鬼として目覚めたことと古都京都を舞台とした物語が展開されていました。鬼機関京都支部が清水寺の地下に設置されているという設定で、歴史ある京都の風景と現代的な異能力バトルが融合したものでしたね。

結構少年ジャンプみたいな展開で少年チャンピオンでは珍しいのではないかな。そして最近では珍しい連続2クールの24話構成で秋から、第2クール「練馬編」が2025年10月より放送されます。

SAKAMOTO DAYS 第2クール

鈴木祐斗による『週刊少年ジャンプ』連載中の漫画作品で、第1クールが2025年1月~3月に配信され、第2クールが7月〜9月に配信されました。2クールで演出が1クールとだいぶ異なりこんな作品だったけと戸惑ってしまいました。

1クールは、日常のコメディが強くてアクションシーンの物足りなさがありました。正直期待されていたスタイリッシュなアクションは十分に表現されていない印象でした。

ただ2クールは、アクション描写の強化などが多々ありました、これは前クール以上の盛り上がりが期待されてスタイリッシュかつ躍動感あふれるサウンドで、アクションアニメとなっていました!

印象に残っているのは、篁さんのシーンでそらおそろしかったですね。

ニャイト・オブ・ザ・リビングキャット

ホークマン(原作:大崎崇人)とメカルーツ(作画:つるかめ)による漫画作品を原作とし、マッグガーデン「月刊コミックガーデン」「マグコミ」にて連載中のアニメ化です。

冒頭からの展開はウォーキングデッド、バイオハザードさながらのゾンビパンデミック(作中ではニャンデミック)で、猫の大群に襲われて人間が逃げ惑う。というパンデミックかと思いきやまさかの愛らしい猫になるというB級パンデミック✖️コメディさながらの作品でした。

そして、総監督に三池崇史であり、実写映画界の巨匠による独特な演出という稀有な作品でした。大勢の猫が登場する場面では3DCG、それ以外では手描きと使い分けられており、特に手描き猫の作画は明らかに人間キャラクターより力が入っていると評されるほど、猫への愛情が画面から溢れ出ていましたね。

その着せ替え人形は恋をする Season 2

福田晋一による漫画作品で、「ヤングガンガン」(スクウェア・エニックス)にて連載され、累計発行部数1400万部を突破した人気作品が原作となります。原作の詳細はスクウェア・エニックス公式サイトにてご確認できます。ちょうど2025年にちょうど完結しました。

CloverWorksが手掛ける本作は、コスプレ衣装の細部に至るまでのディテール描写されていました。それは布の質感や装飾品の光沢、そして衣装に込められた愛情までもが画面から溢れ出すような美しさでした。キャラクターの表情や仕草も豊かで、感情の機微を丁寧に表現した作画は、見る者の心を確実に捉えて離しません。

本作はやはり「好きなもの」への純粋な気持ちを大切にしてくれるところでしょう。海夢の「好きなものを好きでいることの素晴らしさ」と、新菜の「職人としての真摯な姿勢」が重なる瞬間は、本当に心に響きました。

出禁のモグラ

『鬼灯の冷徹』で地獄の日常を描いた江口夏実が、今度は”この世”に降り立った。原作は講談社「モーニング」にて2021年から連載中の同名漫画です。

あの世から出禁をくらった自称仙人・モグラ(百暗桃弓木)が、幽霊の持つ「灯」を集めてあの世への帰還を目指すという、どこか哀しくも滑稽な物語となっています。

『鬼灯の冷徹』もそうでしたが原作の独特な雰囲気が見事に映像化されていました。たなべようこ氏によるキャラクターデザインは、江口夏実の持つ温かみのある線を活かしながら、アニメーションとしての動きやすさも両立させた秀逸な仕上がりでした。ブレインズ・ベース制作による映像は、下町の路地裏から立ち上る夕餉の煙まで丁寧に描き込まれ、どこか懐かしい東京の風景が心に沁みました。

現代社会の鋭い風刺をブラックユーモアにしながら独特の世界観に引き込まれましたね。ただ結構好き嫌いがはっきりする作品だと思います。

光が死んだ夏

モクモクれん氏がKADOKAWA『ヤングエースUP』にて2021年より連載する同名漫画を原作とし、2025年7月から日本テレビ系で放送を開始した本作は、「このマンガがすごい!2023」オトコ編第1位に輝いた話題作のアニメ化である。

街に潜む「何か」が親友になり代わり、日常に侵食する。不気味で良質なホラーアニメでした。不穏な感じなのに切ないところもあって不思議な感じ。じわじわとくる感じが癖になりました。

派手な演出に頼るのではなく、じわじわと迫る不穏さや静寂の中に漂う違和感が、恐怖として視聴者の心をじわりと締めつける。それは「ホラーというより、精神の侵蝕劇」 も評される、唯一無二の世界観でした。

そしてなんと言ってもCygamesPicturesが手がけるアニメーション制作は、夏の青空や蝉の声、じめじめとした空気感を見事に映像化されていました。

怖い怪談を見ているようでした。そして第2期制作が発表されていました。

ダンダダン 第2期

2024年秋の第1期に続き、監督を山代風我とAbel Gongoraが務め、制作はサイエンスSARUが担当。第2期のオープニングでは色彩の演出によってオカルンの想いを描き、エンディングでは文化祭を舞台にしたポップな世界観を展開 アニメ『ダンダダン』第2期、OP&ED映像公開!色彩で描く想いと文化祭ダンスに注目!するなど、映像と音楽の融合が作品の魅力を一層引き立てています。オープニングやエンディンだけでなく、劇中のHAYASHIも印象てきでした。

第1期で魅せた圧倒的な映像美とスピード感溢れる戦闘シーンは第2期でも健在です。しかしこの作品の真骨頂は、狂騒の中に垣間見える青春の切なさ、運命に翻弄されながらも懸命に生きる少年少女たちの姿にあります。怪異との戦いという非日常が、かえって彼らの日常や感情をより鮮明に浮かび上がらせるのです。

第2期放送終了後には第3期の制作決定が発表され、物語はまだ終わりません。奇想天外な展開と繊細な心情描写が織り成すこの作品は、まだまだ楽しみなシリーズです。

ドラマ

ホイール・オブ・タイム シーズン3

壮大なファンタジー大作ドラマ「ホイール・オブ・タイム」のシーズン3がAmazon Prime Videoより配信されていました。

シーズン1、2を経ての闇セダーイが解き放たれ、光の英雄たちが己の闇と向き合いながら、それぞれ進むべき道を進み始めました。ホイール・オブ・タイムは、やはり映像の迫力変わらず、特に冒頭から繰り広げられる「白の塔」での壮絶な魔法バトルは、ファンタジードラマの常識を覆すほどの圧倒的なスケールとクオリティでした。

そして竜王の再来として運命を背負ったランド・アル=ソア(ジョシュア・ストラドフスキー)をはじめ、彼を取り巻く仲間たちが、光と闇の間で揺れ動き、それぞれの役割と向き合う姿が深く掘り下げられている。特にランドは映画「DUNE」で自ら出生に向き合い放浪の民を導いていく様に似ていましたね。

ただコスト面から打ち切りが報じられている点は、残念でした。評価は高いので新しい出資先が見つかり再始動をして欲しいです。

デビルズ・アワー シーズン1・2

正直シーズン1の中盤までは話がわからず途中でやめようかと思っていましたが、シーズン2から内容に入りやすくなりました。これもエピソードが5と少ないので最後まで見て見よういう気持ちになりました。これがエピソードが24あったら途中でやめていましたね。

物語は主人公・ルーシーが、不可解な連続殺人事件の捜査に巻き込まれていくうちに、彼女の「時間」と「記憶」が何重にも絡み合う、壮大で予測不能なミステリーとなっていました。なおこれがわかるのがシーズン2からになります。

本当にシーズン1は「謎だらけで戸惑うだけのドラマ」という印象でした。これがシーズン2になると緻密に張り巡らされた伏線が、怒涛の勢いで回収され、ピーター・カパルディ演じる謎の男ギデオンの不気味な存在感も、このドラマの魅力を一層引き立てている。

シーズン1で提示された「デジャヴ」や「タイムループ」といった超常的な現象は、より壮大な世界観へと発展しており、シーズン2の終盤になるとルーシーの息子アイザックの存在が物語の鍵を握り、シーズン3への期待が持てるドラマでした。

ウェンズデー シーズン2

チャールズ・アダムスによって生み出されたキャラクターたちが活躍する『アダムス・ファミリー』。それを「シザーハンズ」や「チャーリーとチョコレート工場」で有名なティム・バートンがそれぞれのエピソードを監督したNetflixオリジナルドラマの続編。

シリーズが8話完結という絶妙な尺の配分である。冗長になりがちなシーズン制の弊害を避けながらも、キャラクターの心理的変遷を丁寧に描き込む余裕を確保していましたね。

シーズン1では見事ジョゼフ・クラックストーンの陰謀を阻止し、ハイドの姿となったタイラーとの戦いを制したウェンズデー。シーズン2では、新たな脅威と向き合いながら、ネヴァーモア学院で繰り広げられる更なる超常現象の謎に立ち向かう物語が描かれています。

シーズン2となり大きな特徴として、ロマンス要素の大幅な削減されている印象でした。前作でウェンズデーを取り巻いていた三角関係的な恋愛要素を排除し、より彼女のキャラクターの核心部分に焦点を当てた構成となっている印象でした。

演出面でティム・バートン監督が手がける本作は、彼の特異な美学が隅々まで行き渡った視覚的饗宴でしょう。ゴシック調の学院建築と現代的なティーンエイジャーの世界が絶妙に融合し、独特のダークファンタジックな世界観を構築しています。

音楽面では、BGMがゴシック・ロックとクラシカルなオーケストレーションが織りなすサウンドトラックが、作品の雰囲気を一層引き立てています。あと今回印象的だったのはゴシックだけではなくDTM(でいいのかな)のようなポップな音楽でのダンスも特徴的でした。

そして主演のジェナ・オルテガの演技は圧巻である。彼女はデッドパンな表現力に秀でており、ウェンズデー・アダムスという複雑なキャラクターに血肉を与えている。彼女の無表情の奥に潜む知性と反骨精神は、原作のエッセンスを保ちながらも新しい解釈を加えた見事な演技と言えよう。

あと体の入れ替わりは日本のアニメでは時々見られますが、本作でも展開されていました。

ブレイキング・ザ・バッド シーズン3

『ブレイキング・バッド』シーズン3は、AMCが誇る犯罪ドラマシリーズの第3シーズンで、そういえば未視聴だったで、視聴。本作はAMCが誇る犯罪ドラマシリーズでありヴィンス・ギリガンによって創作されたオリジナル作品です。

余命宣告を受けた高校化学教師ウォルター・ホワイトが、家族の将来を案じてメタンフェタミン製造に手を染め、次第に犯罪の深淵へと堕ちていく物語の第3章。

シーズン3では物語の構造そのものが大胆に変化しました。ニューメキシコの荒涼とした大地を舞台に、ウォルター・ホワイトとガス・フリングという二人が織りなす心理戦が展開されました。

そしてウォルター・ホワイトの堕落の物語が提示する道徳的な複雑さは、エンターテインメントの枠を超えた哲学的な深みを感じさせました。ひたすら家族のために行動していたのが、家族と離れもう人を害することに躊躇がなり、第10話「フライ」では、密室劇の中で小さな蝿という些細なことでもウォルターの精神的な破綻を音と映像で表現し、実験的でありながら深く心に残る印象でしたね。