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映画 アメリカNOPE/ノープ:ジョーダン・ピールの新しい境地
『ゲット・アウト』『アス』で鮮烈な社会派ホラーを送り出してきたジョーダン・ピール監督が、ついに真のスペクタクル大作に挑んだ意欲作です。一見するとUFO映画の体裁を取りながら、実は映画そのもの、そして「見る/見られる」という行為について深く問いかける、極めてメタ的な作品となっています。IMAX撮影による圧倒的な映像美と、これまでで最もエモーショナルな物語が見事に融合した、ピール監督の新たな代表作です。 - 
映画 アメリカバビロン(2021):デイミアン・チャゼル監督が描く極彩色のハリウッド地獄絵図
『ラ・ラ・ランド』でアカデミー監督賞を史上最年少で獲得したデイミアン・チャゼル監督の新作は、観客を二度見させる問題作となりました。サイレント映画から発声映画への移行期を、あまりにも下品で悪趣味に描いた「低俗ブラックコメディ版『雨に唄えば』」とでも呼ぶべき作品です。しかし、この「下品」「汚い」という表現が、本作にとっては褒め言葉になってしまうほどの確信犯的な悪意とパワフルさを持っています。 - 
映画 アメリカビースト Beast (2022):野生が牙を剥く時、父の愛が試される
映画『ビースト』は、アフリカのサバンナを舞台にした骨太のサバイバル・スリラーです。イドリス・エルバ演じる医師の父親が、二人の娘と共に巨大な人食いライオンと死闘を繰り広げる93分間は、予測可能な展開ながらも確実にエンターテインメントとしての役割を果たしています。本作最大の魅力は、短い上映時間を無駄なく活用した緊張感の維持と、イドリス・エルバの存在感です。CGIライオンの出来栄えや一部キャラクターの判断力に疑問符がつく場面もありますが、ドルビーシネマでの体験を前提とした音響設計と、長回しのカメラワークによる臨場感は見事というほかありません。批評家と観客の評価が分かれる作品ですが(Rotten Tomatoes 69% vs IMDb 5.9)、B級アクション映画としての割り切った楽しさを求める観客には十分に応える仕上がりとなっています。 - 
映画 アメリカノック 終末の訪問者:究極の選択が問いかける信仰と愛の境界線
『シックス・センス』から四半世紀、シャマラン監督が新たに挑んだのは「家族か世界か」という究極の選択を描く密室サイコスリラーでした。タイトな100分に凝縮された心理戦は確かに見事ですが、宗教的メッセージの扱いと原作からの改変が物議を醸し、評価を二分する問題作となっています。シャマランらしい映像美と演出の巧みさは健在ながら、社会的配慮に欠ける部分が作品の完成度に影を落としていた印象です。 - 
映画 アメリカM3GAN/ミーガン:AI人形が問いかける「愛」の恐怖
2020年以降ChatGPTが世間を騒がせる時に、時代の最先端を捉えたAIホラーが登場しました。それが「M3GAN/ミーガン」です。本作はホラーにありがちなグロテスクな恐怖演出に頼らず、「愛情の暴走」という新しい恐怖の形を提示する意欲作です。ホラー初心者にも優しい作りながら、現代社会への鋭い問題提起を内包した、エンターテインメントと社会批評を両立させた秀作となっています。 - 
映画 アメリカトランスフォーマー ビースト覚醒:マキシマルたちが告げる新しい時代
1994年のニューヨークを舞台に、オートボットと動物型トランスフォーマー「マキシマル」が手を組み、惑星を喰らう邪悪な存在ユニクロンに立ち向かう本作。日本のファンにとって思い入れ深い「ビーストウォーズ」のキャラクターがついにハリウッドデビューを果たしました。監督のスティーヴン・ケイプル・Jr.は前作「バンブルビー」から7年後の世界を描き、シリーズの新たな方向性を示しています。懐かしさと新しさが混在する一作ですが、期待値の6割程度の満足度に留まったのも事実です。 - 
映画 アメリカミッションインポッシブル デッドレコニングPART1:AIという新たな敵との知的格闘戦
シリーズ7作目にして、トム・クルーズの代名詞とも言えるスパイアクション映画が再び公開されました。前作から5年の時を経て帰ってきた『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』は、シリーズ最高峰のアクションクオリティと、AI(エンティティ)という形のない敵との知的格闘戦を融合させた傑作です。約3時間の上映時間があっという間に感じられるほど、クライマックスにふさわしい完成度を誇っています。特に崖からバイクで飛び降りる圧巻のスタントシーンは、映画史に刻まれる名場面として記憶されることでしょう。 - 
劇場版 アニメザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー:イルミネーション×任天堂が贈る奇跡のファンムービー
世界興行収入1000億円突破という歴史的快挙を成し遂げた本作は、単なるゲーム映画化の枠を超えた、愛に満ちた傑作ファンムービーです。イルミネーション・エンターテイメントと任天堂の共同制作により実現したこの奇跡は、シンプルな物語構造の中に膨大なゲーム愛を詰め込み、90分間という短い上映時間で子供から大人まで釘付けにする魔法のような体験を提供します。 批評的な完成度よりもキャラクターの魅力とノスタルジアを重視した演出は賛否両論を呼びましたが、映画館という空間で体験するマリオの世界は、まさに「お年玉のような青春時代へのラブレター」と呼ぶにふさわしい感動を与えてくれます。 - 
映画 アメリカ実写版「ヒックとドラゴン(2025)」: 空を舞う感動が現実になった瞬間
映画「ヒックとドラゴン(原題:How to Train Your Dragon)」は、ドリームワークス・アニメーションによる大ヒットシリーズの初の実写化作品です。 監督はアニメ版三部作すべてを監督したディーン・デュボアが、当初は実写化に否定的だったにもかかわらず、自ら監督を務めた点からも、作品への深い愛情が伺えます。 そして最大の見どころは、ヒックとトゥースによる迫力のドラゴンライド・シーン。スコットランドやフィンランドの雄大な自然を舞台に、アニメでは表現しきれなかった臨場感と浮遊感を実現しています。海面から急上昇し、雲海を突き抜ける演出は、まるでジェットコースターのような感覚を味わわせてくれました! - 
映画 アメリカトップガン マーヴェリック:音楽、音、映像、物語の映画の楽しみが全てここにある!
トム・クルーズが再び主演を務める映画『トップガンマーヴェリック』は、戦闘機アクションによる壮大なドラマとなっています。この作品には、アクション映画の魅力がすべて凝縮されていると言って良いくらいの大作映画でした。それは激しい空中戦はもちろんのこと、主人公マーヴェリックが教官として、これからの若者と共に成長物語が巧みに描かれるのも魅力です。そして映像美だけでなく、音楽の力も重要な要素となっておりケニー・ロギンスの「デンジャーゾーン」やレディー・ガガの新曲が、映像をさらに引き立て、映画が作品全体の印象をより深いものにしている娯楽映画の傑作でした! 






