-
映画 イギリス アメリカMEN 同じ顔の男たち:愛という名の呪縛が生む究極の恐怖体験
アレックス・ガーランド監督の『MEN 同じ顔の男たち』は、従来のホラー映画の枠を大胆に超越した、極めて野心的な作品です。『エクス・マキナ』『アナイアレーション』で知られる鬼才が、今回挑んだのは英国の田園を舞台にしたフォークホラー。しかし、その実態は単なる恐怖映画ではなく、現代社会における男性性の暴力と女性の trauma(トラウマ)を真正面から描いた、深遠な社会派作品となっています。物語は、夫の死を目撃したハーパー(ジェシー・バックリー)が、心の傷を癒すため英国の田舎町を訪れるところから始まります。しかし、その村で出会う男たちは、なぜか全員同じ顔をしているのです。管理人、警官、神父、少年——すべてロリー・キニアが演じるこの異様な設定が、やがて観客を前代未聞の恐怖体験へと導いていきます。 -
映画 インドブラフマーストラ:神話と現代が交錯する壮大なスペクタクル
インド映画史上初の全米初登場2位という快挙を達成した『ブラフマーストラ』は、古代インド神話を現代に蘇らせた壮大なスーパーヒーローファンタジーです。アヤーン・ムカルジー監督が11年の歳月をかけて練り上げたこの三部作の第一章は、ハリウッドレベルのVFXと豪華キャストによって、これまでにないスケールのインド映画体験を提供します。167分という長尺にも関わらず、主人公シヴァの成長と愛の力を軸とした物語は観客を最後まで魅了し続けます。ただし、一部のセリフの弱さや古典的なラブストーリー展開には改善の余地があり、完璧とは言えません。しかし、インド映画界の技術的進歩と創造性を世界に示した記念すべき作品として、映画史に刻まれることは間違いありません。 -
映画 中国 アメリカMEG ザ・モンスター:ジェイソン・ステイサム VS 史上最強のサメ
映画「MEG ザ・モンスター」は、絶滅したはずの古代巨大サメ・メガロドンの復活を描いたサメ映画の新境地な作品です。ジェイソン・ステイサムの豪快な脳筋アクションと、スケール感あふれる海洋パニックが見事に融合し、娯楽映画としての完成度は極めて高いものとなっています。ストレスフルな人間関係を排除したシンプルな構成と、李冰冰(リー・ビンビン)をはじめとする国際色豊かなキャストが、サメ映画にふさわしい爽快感を提供しています。 -
映画 アメリカFALL/フォール:天空の孤島で描かれる究極のサバイバル
映画「FALL」は、人間が本能的に持つ高所への恐怖を徹底的に刺激する、身体感覚に訴えるサバイバル・スリラーです。CGに頼らない実写撮影によるリアルな恐怖感と、二転三転するストーリー展開、そして極限状態で露わになる人間関係の機微が絶妙に組み合わさった、完成度の高い作品となっています。 -
映画 アメリカバットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生 :DCユニバースの野心作。
バットマンとスーパーマンが戦うまでが長すぎ。アメリカンヒーローのバトル映画なのにずっとシリアス展開が続きました。個人的には無理しすぎた感があります。というか超人相手に生身のバットマンが弱く見えすぎて嫌になりました。バットマンとスーパーマンの戦闘はバットマンがなんか小物の悪に見えてしまいました。あとラスボスにバットマンが役立たず。。。 正直アメコミを読まず映画でアメコミヒーローを知る自分としては終始ポカーンとした状態が続いてしまいました。 -
劇場版 アニメ劇場版 PSYCHO-PASS PROVIENCE:法と正義の狭間で揺れる常守朱の最後の選択
2012年から続く人気SFアニメシリーズの集大成として、本作は見事にファンの期待に応えた傑作です。第3期で謎に包まれていた常守朱の収監理由、そして「僕らの事件」の真相が、重厚な物語として描かれています。一見さんには厳しい作りですが、シリーズを追ってきた観客には深い感動を与える仕上がりとなっています。 -
映画 アメリカエブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス:虚無主義と愛の肯定が激突するマルチバース
非常に混乱する映画でした。虚無主義といえば良いのか、そんな感情と愛情が激突するマルチバースを舞台に、コインランドリーの片隅から宇宙の果てまでを駆け抜ける作品です。 ダニエルズ監督は、この奇妙で下品なユーモアを恐れることなく描きながらも、彼らだからこそ生み出せた『おバカ』で感動的なSF大作となっていました。 -
映画 アメリカトランスフォーマー/ダークサイド・ムーン:サム三部作完結作
視覚効果や2010年のアバターから始まった当時流行りの3Dの演出は見事というほかないです。 ただ前作2作を見ていると新しさはあまりなく、ストーリーもなにがなにやら戦争が始まりFPSゲームのような展開になり、急にボスを倒して終わりを迎えるというよく分からないストーリーでしたね。 -
劇場版 アニメヒックとドラゴン:猫っぽいドラゴンが可愛すぎる!
バイキングの村に生まれながら、ひ弱で力のない少年ヒックが、村の脅威であるドラゴンを撃退するどころか、伝説の最強ドラゴン「ナイト・フューリー」と心を通わせてしまう。バイキングの掟に背き、ドラゴンと友情を育むヒックの運命は――。 この主人公ヒックとドラゴン(トゥースレス、日本語だとトゥース)の友情、そしてヒックと厳格な父親との温かい交流でした。 本作は、言葉を話さないナイト・フューリー(トゥース)が、猫のように愛らしいんです ! -
映画 オーストラリアプリデスティネーション:見事な伏線が回収が楽しめるタイムパラドックス
97分に凝縮された驚愕のタイムパラドックス タイムパラドックスをテーマにした作品は数多くありますが、本作「プリデスティネーション」は一線を画す傑作です。わずか97分というタイトな上映時間の中に、予告編から想像される展開を遥かに超える驚きが凝縮されています。その全貌は、ぜひ予備知識なしで体験してほしい。 丁寧に描かれる前半の人間ドラマから、中盤以降の怒涛の展開へとなだれ込む構成は見事としか言いようがありません。レトロな衣装と近未来的なガジェットが融合した美術、そして個性的なメイクアップは、退廃的でありながらも独自の世界観を確立しています。





