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映画 アメリカX エックス:老いと欲望が交錯する、新時代のスラッシャーホラー
A24が初めて手がけるシリーズ作品として注目を集めた本作は、70年代ホラー映画への深い愛情と現代的な視点が見事に融合した意欲作です。『悪魔のいけにえ』を彷彿とさせるざらついた映像美と、老いと性欲という普遍的なテーマを掛け合わせた本作は、単なるスラッシャー映画を超えた深みを持つホラー体験を提供してくれます。 -
映画 日本さがす:父娘の絆が試される衝撃のサスペンス
大阪の下町を舞台に、失踪した父を探す娘の物語が、予想を裏切る展開で観る者を圧倒する衝撃作です。一見すると父娘の絆を描くヒューマンドラマのように見えますが、その実態はポン・ジュノ監督『母なる証明』を彷彿とさせるダークサスペンス。佐藤二朗の怪演、蒔田彩珠の成長譚、そして清水尋也の不気味な存在感が絶妙に絡み合い、「善悪の境界線」というテーマを鮮烈に描き出しています。 -
映画 アメリカアンチャーテッド:人気ゲームの実写化に挑む!痛快アクション・アドベンチャー
PlayStationの看板タイトルを実写化した映画「アンチャーテッド」は、派手なアクションと軽快なバディムービーの要素を組み合わせた娯楽性全開の冒険映画です。原作ファンからは賛否両論あるものの、トム・ホランドの身体能力を存分に活かした圧巻のアクションシーンと、マーク・ウォールバーグとの息の合った掛け合いが魅力的。物語の厚みや謎解き要素には既視感があるものの、頭を空っぽにして楽しめる痛快な一本に仕上がっています。 -
映画 アメリカコンパニオン:プログラムされた愛が暴走する時、ロボットは人間を超える
新進気鋭の女優ソフィー・サッチャーが、また一つ忘れられない役柄を手にしました。『ヘレディタリー』や『イエロージャケッツ』で注目を集めた彼女が、今度は恋人型ロボットという難役に挑んだSFスリラー『コンパニオン』。一見すると『ノートブック』のような甘いラブストーリーを予感させる導入から、予想外の方向へと舵を切るこの作品は、2025年1月公開としては異例の高評価を獲得しています。 ドライでオシャレな映像美、ブラックユーモアと緊張感の絶妙なバランス、そして何より、可笑しさも哀しみも痛快さもひとりで背負って見せたソフィー・サッチャーの圧倒的な存在感。初監督作品とは思えない完成度で、AI時代の恋愛と支配を鋭く描き出した本作は、彼女のキャリアを象徴する代表作となるに違いありません。 -
映画 アメリカナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密:古典ミステリーの殻を破る痛快な知的遊戯
一見すると古典的な館ものミステリーの装いを纏いながら、その実、ジャンルそのものを解体し再構築する知的であり実験的なミステリー映画でした。『最後のジェダイ』で賛否両論を巻き起こしたライアン・ジョンソン監督が、今度はミステリー映画というジャンルに挑戦状を叩きつけました。豪華キャストによる演技合戦、メタ的な視点から繰り出されるユーモア、そして観客の予想を次々と裏切る脚本の妙技。アガサ・クリスティーへのリスペクトを示しながらも、決してそこに留まらない野心的な作品となっています。 -
韓国 映画非常宣言:空の上の絶望と希望を描く韓国のパニック映画
2020年にコロナ禍という現実を生きた私たちにとって、これほど身につまされるパニック映画もないでしょう。韓国のハン・ジェリム監督が手がけた『非常宣言』は、単なる航空パニック映画の枠を超えて、ウイルス恐怖と人間の善性を問いかける社会派エンターテインメントとして完成されています。ソン・ガンホとイ・ビョンホンという韓国映画界の名優2人が織りなす人間ドラマと、息もつかせぬスリリングな展開が見事に調和した、現代必見の力作でした。 -
映画 アメリカブラックアダム:新時代のアンチヒーロー誕生!
混乱を極めたDCユニバースに、ついに新たな救世主が現れました。しかしそれは従来のヒーローとは一線を画す、破壊と殺戮を厭わないアンチヒーロー、ブラックアダムです。脚本の粗さや設定の大雑把さはあるものの、ドウェイン・ジョンソンの圧倒的な存在感と迫力満点のアクション、そして魅力的なJSAメンバーたちが織りなす痛快な「筋肉映画」として、期待以上の娯楽作品に仕上がっています。深みよりもパワーを、複雑さよりもシンプルな爽快感を求める観客には、まさに理想的な一本と言えるでしょう。 -
映画 アメリカNOPE/ノープ:ジョーダン・ピールの新しい境地
『ゲット・アウト』『アス』で鮮烈な社会派ホラーを送り出してきたジョーダン・ピール監督が、ついに真のスペクタクル大作に挑んだ意欲作です。一見するとUFO映画の体裁を取りながら、実は映画そのもの、そして「見る/見られる」という行為について深く問いかける、極めてメタ的な作品となっています。IMAX撮影による圧倒的な映像美と、これまでで最もエモーショナルな物語が見事に融合した、ピール監督の新たな代表作です。 -
映画 イギリス アメリカMEN 同じ顔の男たち:愛という名の呪縛が生む究極の恐怖体験
アレックス・ガーランド監督の『MEN 同じ顔の男たち』は、従来のホラー映画の枠を大胆に超越した、極めて野心的な作品です。『エクス・マキナ』『アナイアレーション』で知られる鬼才が、今回挑んだのは英国の田園を舞台にしたフォークホラー。しかし、その実態は単なる恐怖映画ではなく、現代社会における男性性の暴力と女性の trauma(トラウマ)を真正面から描いた、深遠な社会派作品となっています。物語は、夫の死を目撃したハーパー(ジェシー・バックリー)が、心の傷を癒すため英国の田舎町を訪れるところから始まります。しかし、その村で出会う男たちは、なぜか全員同じ顔をしているのです。管理人、警官、神父、少年——すべてロリー・キニアが演じるこの異様な設定が、やがて観客を前代未聞の恐怖体験へと導いていきます。 -
劇場版 アニメ犬王:報われぬ者たちの魂の叫び!時代を超越したロックオペラの衝撃
湯浅政明監督が贈る最新作は、14世紀室町時代を舞台にした前代未聞のロックオペラ・アニメーションです。歴史から消された者たちの魂の叫びを、現代のロック音楽と融合させた革新的な表現で描き出した本作は、アニメーション史に新たな金字塔を打ち立てる傑作となっています。





