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映画 イギリス アメリカノースマン 導かれし復讐者:野蛮美と神話が織りなす復讐叙事詩
『ウィッチ』『ライトハウス』で独特の映像美学を確立したロバート・エガース監督が、7000万ドルの大予算を得て挑んだバイキング復讐劇。シェイクスピアの「ハムレット」の原典となった北欧伝説を、圧倒的な暴力美学と神話的幻想で描いた野心作です。映像の迫力と歴史的ディテールへのこだわりは圧巻ですが、物語の構成面では賛否が分かれる、エガース監督らしい問題作となっています。 -
映画 インドブラフマーストラ:神話と現代が交錯する壮大なスペクタクル
インド映画史上初の全米初登場2位という快挙を達成した『ブラフマーストラ』は、古代インド神話を現代に蘇らせた壮大なスーパーヒーローファンタジーです。アヤーン・ムカルジー監督が11年の歳月をかけて練り上げたこの三部作の第一章は、ハリウッドレベルのVFXと豪華キャストによって、これまでにないスケールのインド映画体験を提供します。167分という長尺にも関わらず、主人公シヴァの成長と愛の力を軸とした物語は観客を最後まで魅了し続けます。ただし、一部のセリフの弱さや古典的なラブストーリー展開には改善の余地があり、完璧とは言えません。しかし、インド映画界の技術的進歩と創造性を世界に示した記念すべき作品として、映画史に刻まれることは間違いありません。 -
劇場版 アニメ劇場版 チェンソーマン レゼ篇:テレビシリーズの課題を完璧に乗り越えた、チェンソーマンのアニメ映像化
テレビシリーズから3年の沈黙を破り、ファンの願望に120点の完成度で応えた傑作が誕生しました。アニメ映画『チェンソーマン レゼ篇』は、テレビシリーズに対する賛否両論を真摯に受け止め、監督交代という大胆な決断のもと、原作が持つ予測不能な混沌とスピード感を完璧に映像化した、まさに開心の一作です。 甘く切ない青春ラブストーリーが一切の躊躇もなく奈落の底へと叩き落とされる感情の振幅、爆発と血しぶきで埋め尽くされる圧倒的なアクション、そして心に深い傷を残すラストシーン。これらすべてが最高のクオリティで描かれ、映画を見終わった後は呆然と立ち尽くすほどの余韻に包まれます。 -
映画 アメリカトランスフォーマー ビースト覚醒:マキシマルたちが告げる新しい時代
1994年のニューヨークを舞台に、オートボットと動物型トランスフォーマー「マキシマル」が手を組み、惑星を喰らう邪悪な存在ユニクロンに立ち向かう本作。日本のファンにとって思い入れ深い「ビーストウォーズ」のキャラクターがついにハリウッドデビューを果たしました。監督のスティーヴン・ケイプル・Jr.は前作「バンブルビー」から7年後の世界を描き、シリーズの新たな方向性を示しています。懐かしさと新しさが混在する一作ですが、期待値の6割程度の満足度に留まったのも事実です。 -
映画 アメリカザ・フラッシュ(2023):時を駆けるヒーローの決断
DCユニバースの集大成として製作された『ザ・フラッシュ』は、単なるヒーロー映画の枠を超えた成長譚として結実しています。エズラ・ミラーの一人二役による演技力、マイケル・キートンの30年ぶりのバットマン復帰などそして時間改変がもたらす重厚なドラマが見事に融合。CGの完成度に課題は残るものの、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』的なSFコメディと壮大なアクションシーンが絶妙なバランスとなっていました。 -
映画 アメリカブルービートル:特撮魂とラテン文化が融合した痛快アクション
『ブルービートル』は、DCコミックスの中でも知名度の低いヒーローを主人公にした実写映画でありながら、家族愛を中核に据えた温かみのある作品に仕上がっています。アイアンマンやスパイダーマンといった先行作品との類似点は否めないものの、メキシコ系アメリカ人の家族を描いたラテン文化の豊かさと、特撮的な無骨さを兼ね備えたスーツデザインが独自の魅力を生み出しているヒーローの誕生でした。 -
劇場版 アニメスパイダーマンアクロス・ザ・スパイダース:水彩画とダ・ヴィンチが衝突する過激アート
『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』は、前作を遥かに超える実験的で過激な映像表現と、普遍的な親子の物語を見事に融合させた傑作だ。製作費1億ドルとは思えない尖った映像美は、水彩画とレオナルド・ダ・ヴィンチのデッサンが激突する衝撃的なビジュアルを生み出し、観客の脳を開かせる。一方で物語は、ロード・ミラー作品らしい「父と子」のミニマムなテーマを軸に、より親側に重心を置いた成長譚として完成度を高めている。冒頭で提示される「あなたの物語を作りなさい」というテーマへのアンサーは驚愕に値し、過去のスパイダーマン作品すら破壊して新しい物語を再構築する革命的な作品となっている。 -
映画 アメリカバットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生 :DCユニバースの野心作。
バットマンとスーパーマンが戦うまでが長すぎ。アメリカンヒーローのバトル映画なのにずっとシリアス展開が続きました。個人的には無理しすぎた感があります。というか超人相手に生身のバットマンが弱く見えすぎて嫌になりました。バットマンとスーパーマンの戦闘はバットマンがなんか小物の悪に見えてしまいました。あとラスボスにバットマンが役立たず。。。 正直アメコミを読まず映画でアメコミヒーローを知る自分としては終始ポカーンとした状態が続いてしまいました。 -
劇場版 アニメ劇場版 PSYCHO-PASS PROVIENCE:法と正義の狭間で揺れる常守朱の最後の選択
2012年から続く人気SFアニメシリーズの集大成として、本作は見事にファンの期待に応えた傑作です。第3期で謎に包まれていた常守朱の収監理由、そして「僕らの事件」の真相が、重厚な物語として描かれています。一見さんには厳しい作りですが、シリーズを追ってきた観客には深い感動を与える仕上がりとなっています。 -
映画 アメリカトランスフォーマー/ダークサイド・ムーン:サム三部作完結作
視覚効果や2010年のアバターから始まった当時流行りの3Dの演出は見事というほかないです。 ただ前作2作を見ていると新しさはあまりなく、ストーリーもなにがなにやら戦争が始まりFPSゲームのような展開になり、急にボスを倒して終わりを迎えるというよく分からないストーリーでしたね。